日本市民の生活が破壊される…「イラク戦争、2兆ドルの悪夢」

イラク戦争の1日の戦費があれば、低所得層の子ども5万8千人を1年間、就学援助プログラムに登録でき、あるいは低収入の学生16万人に年間の奨学金を提供でき、もしくは国境警備隊員1万1千人か警察官1万4千人に1年間給与を払えた…朝日新聞3月9日付け朝刊の「海外の提携紙から」に転載されたニューヨークタイムズ紙のコラム(※1)にはこのような驚くべき数字が書いてあった。これだけの戦費があれば、米国経済の破綻は避けられるのではないか、そうすれば、日米の市民がどれだけ生活破壊されなくて済むだろうか、そう思わざるを得ない。
米議会の上下両院合同経済委員会の試算によると、イラク戦争の最終的なコストは、2兆ドル(約200兆円)か、それ以上という驚異的な額となる。
さらに、1か月で終わった湾岸戦争でさえ、兵士の4割が傷害給付の受給資格を得ているといい、イラク戦争では200万人以上の帰還兵に対する公的給付が莫大なものとなって米国市民にのしかかることが予測されているという。
問題は、このような膨大な戦費を隠すため、ブッシュ政権があらゆる手を尽くしたことだという。通常の予算編成手続きを経ず、精査の少ない「緊急」予算によって戦費の大半をあててきた。戦争に関する初歩的な情報さえも表に出てきにくいそうだ。
大統領選挙のキャンペーンでさえ、この膨大な出費がもたらす結果について語られることはないというのだ(There has been very little in the way of public conversation, even in the presidential campaigns, about the consequences of these costs, which are like a cancer inside the American economy.)。
以上のような現実については、日本の市民もよく認識しなければならないだろう。理由なきイラク戦争の結果、米国は経済破綻を来そうとしている。一部の富裕層は米国の経済が破綻しても、それは新たなビジネスチャンスでしかない。安く資産やビジネスを買えるからだ。
貧乏人が苦しもうがそんなことは関係ない。自分たちの資産は比較的安全なところに避難させておき、破綻したビジネスを禿鷹のようにねらう。貧乏人には「イラク戦争は新たな9・11を防ぐためには必要だ。それとも何か、君たちは米国がテロリストの手に落ちていいのか」とさえ言っておけばいいと思っている。
そして、米国経済が破綻した結果、日本の経済も不況に陥るだろう。何人もの人が職を失い、会社経営に失敗し、そして、悲惨なことだが間違いなく多くの方が自殺するだろう。米国政府が市民の生活を優先し、イラク戦争など行わなければ、死ななくて済む人たちがこの日本でも間違いなく多数死ぬこととなる。
米国経済が破綻した結果、これから日本で亡くなる多くの方の死は、まさに、米国政府の悪政に原因がある。イラク戦争の「戦死者」だと言ってよいだろう。
本来、日本政府は、米国政府に対し、米国経済が世界に与える影響の大きさから直ちにイラク戦争を中止し、経済立て直しに全力を挙げるように要求するべきだ。米国政府には、米国経済が国際的に与える影響力に配慮して経済運営を図る義務があり、日本政府は日本の経済を守るために米国政府にその義務を果たすよう求める義務がある。
お先棒をかついで自衛隊を派遣している場合ではないのだ。
あなたは、あなた自身やあなたの家族、友人が米国不況の影響で生活破綻しないと言いきれますか?
私はとても不安だ。だからこそ、米国政府のイラク戦争を中止させるような日本政府にしたいと真剣に思う。
※1:
http://www.nytimes.com/2008/03/04/opinion/04herbert.html
冒頭の写真は、元のコラムの筆者、Bob Herbert。The New York
Times のウェブサイトより。
byヤメ蚊