2008/6/25
「○無分別な「インフレ脅威論」の虚を暴く」
インフレは来ない?“商品価格高騰”の先に見えるデフレの脅威
無分別な「インフレ脅威論」の虚を暴く
昨年後半より、世界では妙に「インフレ脅威論」が語られている。私個人が「これは仕掛けられてるな」と最初に感じたのは、昨年秋、関西ローカルの某人気番組にコメンテーターとして出演していた時だった。
関西テレビメディア界のホープといわれる中堅司会者が、さわやかな笑顔で切り出す。「これからどんどん食料価格が騰がっていくようですねぇ。原田さん、どう思われますか?」。
テレビでコメンテーターをつとめるのは実に難しい。なぜなら、この手の質問に対する答えは明らかに“決まって”いるからだ。要するに「これから深刻なインフレが襲ってきますよ」と答えること。これがこの場合の模範解答だったのだろう。
しかし、マネーが織り成す「世界の潮目」を追うことを生業としている身として、ウソはいえない。この時、私からは概略次のとおりお答えした。
「確かに一部の穀物価格は騰がっているし、原油価格も騰がっています。でも、これって実際の需要供給バランスによるものっていうよりも、むしろ先物取引によって吊り上げられているのですよ。したがって、投機的売買が逆向きに行われるようになれば、たちまち値崩れします。インフレは脅威じゃないですね」。
この時、隣に座っていた、某経済官僚OB氏が俄然、大声で叫び始めた。
「いや、そんなことはない。これからはインフレだ。原油がどんどん高くなって、それにつられて大変なことになる」。
ここですかさずCM。テレビ、特にワイドショー番組に“議論”などありえないのだ。結局、最後には大声でCM直前までしゃべりきった者が勝ち。そこには真実をきっちりと視聴者に伝えようなどという良心は全く見られないのである。
このコラムの賢明な読者の皆様は、既にお気づきであろう。
今の「インフレ脅威論」は、原油や穀物の価格高騰を原因に挙げるが、これらをめぐっては、投機的売買がかなり大きな意味合いをもっていることは、もはや自明の理なのである。
そして投機的売買は、必ず値崩れを起こす。なぜなら「空売り(ショート)」の方が短期間でより多くの利益を生み出すからだ。
つまり、「下げのための上げ」なのである。これを語らずして、無分別なインフレ脅威論を語る者には、次のように問いかけるべきなのだ。
「アナタ、一体、そんなに騒いで何を狙っているのですか?」と。

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