(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十五弾です)
http://tek.jp/p/
マスコミでは、道路はもういらないという論調ばかりだ。海外で車を運転していた人にとっては、日本の道路の劣悪さをよく理解しているから違和感を感じるのではないか。日本人は投資をしなければ、赤字が減るから、財政健全化すると考えているようだが実際は逆だ。投資をしなければ、経済は停滞し、税収は伸びず、国際的にも貧乏な国になってしまうだけだ。独立行政法人高速道路機構のホームページから引用すると
この表から分かることは、人口の多い中国よりは、人口あたりの道路の長さは長いが、それ以外はすべて日本が最低ということが分かる。特にGDPあたりの道路の長さだと、日本は圧倒的に短い。経済規模からして、道路が整備されていないことが分かる。日本経済を停滞させているのは、日本が道路に投資しないことが原因の一つだとも言える。道路をつくってほしいという地方からの強い要望もある。また東京の環状道路をつくれば、混雑を解消し、更にCO2排出量を減らすのに劇的な効果があり、環境対策にもなるという。また、高速道路の使用量が欧米よりはるかに高いために、延べ走行距離(走行台キロ)ベースで見ると、車が高速道路を利用している割合(高速道路走行分担率)は、日本が10%以下であるのに対して、欧米では2割、3割という状況だ。高速道路を値下げすると、高速道路の有効利用が進み、経済が活性化することからGDP押し上げ効果が期待できる。
2008年1月27日の日経に、政府試算の記事が載った。道路財源の暫定税率に関する政府試算で、暫定税率を廃止すれば年間2.6兆円の税収減となる。その分ガソリンが安くなるので、個人消費が0.9兆円増える。しかし、道路投資の減少でGDPは実質3兆円減るとのこと。この試算は次のように読み替えることができる。もし、政府が2.6兆円のお金を国民のために使おうとしたとする。ガソリンを安くするために使えばGDPは0.9兆円増えるだけだが、道路建設に使えばGDPは3兆円も増えるのだから、道路建設はガソリンを安くするために使うより3.3倍も効率よくGDPを伸ばすことができるということ。それだけではない。道路建設により経済が活性化すれば、税収が増えるのだ。
このことに関連して国土交通省の試算がある。
http://www.mlit.go.jp/road/singi/bunkakai/8pdf/82-2-4.pdf
これによると、道路投資を平成20年度に1兆円行った場合、平成20〜29年度の合計の効果は、次の通り。
@ フロー効果(道路投資による需要創出効果) 約1.0兆円
A ストック効果(交通利便性の向上がもたらす経済波及効果) 約1.6兆円
B 税収の増加 約0.45兆円
これ以外に、用地買収費として0.22兆円が使われ、これが国民に流れ、それが消費に回ることでも、GDPを押し上げる。下落の続く地方の土地の価格に歯止めを掛け、固定資産税の税収増にもつながる。
僅か1兆円の投資で、これだけGDPを押し上げるということで、国の債務のGDP比を下げるには、最も有効な投資の一つと思われる。お金を使わなければ国の借金の問題は解決するという迷信はそろそろ卒業しよう。増え続ける国の借金の問題と闘うには、積極的に投資をし、GDPを増やすのが最良であるということがお分かりだろう。道路が良くなって便利になるのもよいではないか。CO2の問題はどうかということになるが、それは風力発電とかCO2を海底に沈めること等、強力な解決手段はある。
これは暫定税率を延長するかどうかの議論ではない。それとは無関係に日本の劣悪な道路事情を改善するために、必要な道路の建設への投資を増やせば、国は豊かになり、それにより国の借金の問題の解決に一歩近づくということだ。今のままでは2012年に一人当たりのGDPで韓国に抜かれてしまう。貧乏国家一直線である。(小野盛司)
by神州の泉