orbital period(Bump of Chicken,2007)
試聴(シングルPV)
客観的…B(?)
主観的…A
必聴…"カルマ"強いてあげるなら、これ。
僕がバンプと出会ったのは小学校4年生の頃でした。
「天体観測」が大ヒットしていて、
兄の影響で耳にしていました。
しかし、その頃は自分の嗜好と合っていなかったせいか、
僕はそれほど彼らに愛着を持っていませんでした。
僕の全てが変わったのはその3年後、
中学1年生の夏でした。
当時、僕はポップスとは無縁の生活を送っていたのですが、
たまたまバンプが懐かしくなったので
兄の部屋から勝手にアルバム「jupiter」を引っぱり出しました。
そのときの衝撃というのは未曾有、
っていうか最初で最後というやつでした。
何であの頃これを好きになれなかったのか
何でこんな良い物を今まで放っておいたのか、と
後悔の念にもかられました。
それからというもの僕はバンプ狂いになってしまい、
それが直接的な原因となって
今のようにロックを愛聴するようになりました。
今の僕にとってもバンプは特別です。
ファンとかそういうのとは違う次元で
心の底から愛しています。
ただ、中一のときから今まで
ずっと彼らのファンであり続けたのかというと、
そういうわけでもありません。
彼らが新曲を出すにつれて
また僕自身が他のアーティストを知るにつれて、
彼らへの興味は少なからず薄れていきました。
「ギルド」「Sailing Day」「ロストマン」なんかは
アホほど聴きまくったものの、
「jupiter」で彼らにハマった僕にとって
「ユグドラシル」での大きな路線変更は
少なからずショックでした。
更にその後にリリースされた新曲
「プラネタリウム」が完全なまでに
「ユグドラシル」の延長線上な作品であったため、
僕は彼らに軽く失望しました。
それからはドンドンとバンプから離れていき、
新曲が出てもYoutubeで1回PVを見て済ませる、
みたいな消費者になってしまったわけです。
(後でアルバムが発売されたときの楽しみを
残しておくためっていうのもあったんですけど)
去年の10月、
1年振りに彼らのシングルが
2枚同時リリースされることとなりました。
まだ当分アルバムは発表されなさそうだなぁと
勝手に推した僕は
思い切って2枚同時購入しました。
1枚「花の名」はまるでミスチルのような曲に思え、
もう1枚「メーデー」はレミオロメンみたいで
おまけに「オンリーロンリーグローリー」と
歌詞の内容も酷似していて、
残念な買い物になってしまったといのが所感でした。
その直後に僕の予想を裏切って
3年半ぶりとなる新作アルバムが
12月に発売されることが決定。
もちろん「ユグドラシル」以降のシングル曲は
全て収録されているとのこと。
だいぶ憎い誤算でした。
発売日にアルバムを購入しました。
発売日に購入したといっても、
それは期待していたからではなく、
ただ僕にとってバンプが特別だったからです。
むしろアルバム自体は
結果として先行シングルという形になった
2曲がどちらとも好印象ではなく、
それ以外のシングル曲にも同様の印象があったので
あまり期待はしていませんでした。
枕があまりにも長くなりすぎましたが、
そんな経緯で聴くこととなったこのアルバムの第一印象を
一言で書かせていただくと、
「ごめんなさい」です。
いや、もう本当に、バンプ最高です。
勝手に失望したりしてごめんなさい。
次回作を3年でも4年でも待ち続けられるような
そんな傑作でした。
言ってしまえば、「ユグドラシル」の延長線上です。
ミスチルやコブクロなんかにも通じる
限りなくポップスに近い楽曲で構成されています。
僕に衝撃を与えた「jupiter」のころの
日本のチャートシーンでは特異ともいえた
ロックバンド然とした彼らの姿はありません。
しかし、こんな完璧な作品を前にして、
文句など一つも浮かびません。
非常に手の込んだ、練りに練られたようでありながら
決して雑多でとっちらかった印象は与えさせず
感動的という言葉が恐ろしいほど似合う上質なアレンジ、
そしてそれを完璧なものとして成り立たせている
藤原さんの素晴らしすぎるソングライティング。
逆にどこに文句をつければいいのでしょうか?
確かにカリスマ性みたいなものは
ほとんどなくなってしまっている。
でも彼らは28歳なわけで
15の僕にしてみれば十分オッサンなわけで、
バンプがそういう「カリスマ」な姿を求められる時期は
もう終わったんじゃないかなぁと思います。
故に「ただ良すぎるだけの作品」を作ることが
今の彼らに求められるべき姿勢であり
彼らはそれに見事に応えているのだから、
それは批判としては成り立たないのです。
ブックレットは「星の鳥」という
藤原さんによる絵本のような童話の間に
収録曲の歌詞を掲載するという形になっていて、
実際のところ、その童話とアルバム自体は
何の接点もないにも関わらないのですが、
そいつがコンセプトアルバムっぽい雰囲気を
どことなく醸し出させていて、
見事なまでの相乗効果となっています。
ある種のハッタリですが、
これこそロックの醍醐味ですね(そうでもないけど)。
最後に、僕がこのアルバムにおいて
最も感銘を受けたのが、歌詞。
これまではバンプを愛していながらも
藤原さんの歌詞はどうも美辞麗句な気がして
好きになれないところがありました。
しかし、「才悩人応援歌」の歌詞を聞いて気づきました。
―はいはい全部綺麗事こんなの信じてたなんて死にたくなるよ〜その喉から溢れ出したラララとても愛しい距離その耳だけ目指す歌
綺麗事にすがることって
単純にものすごく理想的なんじゃないかと
そう思えました。
その瞬間、ようやくバンプの
(あえて書かせてもらうと)一辺倒なメッセージが
心に届くようになり、
同時に藤原さんの言葉の力の強さに感動しました。
今までの諸作で気付かなかったそれを
気付かせてくれた今作の素晴らしさ、
やはり尋常じゃありません。
いつも通りしまりのないレビューとなりましたが、
↓に全曲紹介も掲載してみました。