■映画館へ
迂濶にも渋谷での公開中には行きそびれた為、吉祥寺バウスシアターという映画館へ。
吉祥寺って、何スクリーンあるんだ? 邦画ちょっとマイナーぐらいまでなら見れてしまいそうだ。
■開館待ち
チケットを買う。学生証提示してないのに学生料金。手間が省けた(違)
定期券が期限切れのため、まずは更新に。かなり時間が余ってます。
■内容
戦後復興期において、あるいは朝鮮戦争による特需において、あるいはオリンピックにおいて、あるいは安保闘争において、あるいは万国博覧会において、あるいは外食産業の発展において、あるいは遊園地の盛衰の影において、あるいは現在に至るも彼らはそこにいる。
それが虚構なのか現実なのか、という問題を提起しておきながら、その実、彼らが彼ら足る所以とは何か、彼らの自己実現と自己表現とは何か、彼らが為し得ようとするものは何か、彼らが身を持って表現する其の業と、彼らを分析せんとする文筆家或いは記者或いは研究家かがその風説にも等しいはずの彼らを白日の下に暴かんとする語り口であり、その内容たるや、語り部と彼らの独白と彼らのカモになる者の語りとが交じり合い、平易なる物とは言い難い。であるが故にこの真贋見極め難き物語の滑稽な味が引き出される。
言語によってその言わしめんとする事柄を語り続けることは、情報の齟齬を確実に生み出し、外食システムなどの生産体制に対して振舞えば、ベトナム戦争に敗北した某国のごとく撤退を余儀なくされるものとなる。因みに、劇場内という閉鎖空間に於いて戦術的転進或いは平文にして撤退を感じなかったものは存在し得ないと想像する。
立喰師とは、別の言い方をすれば無銭飲食者であり、であるがその無銭飲食者の自己とは何であるかを時代を追って表現した娯楽作品である、ということになっているのだが、その実、どのような産業も硬質化した瞬間に破綻を来たす恐れが在ることを示す十年先を読む監督らしい内容となっている。
十年先を読むだけでは大半の愚民は理解出来ぬが故に、過去から遡り、現在の状況を映像とし、かつ語りたいだけ語りまくり、そして未来を予見させるのである。立喰師とカモとの壮絶なる戦いである。だが、それは誰しもに起きえる戦いの構図でもある。
多分、そんなようなことを言いたかったんじゃないだろうか?
■テロップ
製作陣として加わっている人々は、やはりどのような実写やアニメーションよりも少ないように感じます。それだけ特殊で低予算で製作可能な技術ということでしょう。あと、いろいろなところで使い回しが……。「イノセンス」の戦艦技術がここに来たんだ……とか。
であるにも関わらず、出演者は物凄く多い。下手な実写映画よりも多いんじゃないだろうか……。
演技力とかそういう次元ではない。如何にして演出するか、である。こういう映像の作り方は、さすが演出畑出身といったところか。
お、押井性を名乗る名前を発見。愛犬ですね?
■視聴感
視聴者側に国語辞典並みの語彙がなければ楽しめない映画となっているので、のっぴきならない瞬間が来たら即座に辞書を引きたいところ。だが、劇場内は暗いため、そのようなことは出来ないというジレンマが在る。

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