2006/6/3
「未来はお歌が上手ね」
TVやラジオから流れる歌に合わせて 無邪気に唄ってた頃
僕に母さんがよくそう言いながら微笑んだ
その度僕は嬉しくて 得意げになって 何度も唄った
その度母さんは嬉しそうに 僕を見ながら 微笑み続けてた
今 僕は父さんのギターを持って 街角やライブハウスで唄っている
「歌を唄いたい」そう思ったのも この頃の思い出が
僕の中でとっても素敵な光を放っていたからかもしれない
父さんの歌は聴いたことがないけど 母さんの歌はある
結構上手で 子供ながら母さんの歌声が好きだった
「母さん 歌が上手だね」
そう言うと 照れながら 鼻歌に変えてしまうような母が
僕は本当に大好きで 歌と言う事自体に引かれていった
今日も街角で僕は歌を唄う。
立ち止まって聴いてくれる人も徐々に増えてきて
僕の周りには少しずつだけど人垣が出来るようにもなってきた
毎週 決まった曜日にココで唄っていることと
職場のライブハウスで歌わせてもらっているお陰だと思う
とりあえず歌う曲も増えてきて カヴァーソングも減ってきた
オリジナルで唄えるようになってきたから
聴く人もリアルに反応を示してくれるようになってきた
一歩一歩 僕は前に進んでいるのかな?
もう少し 曲が増えたら母さんにCDにして贈ろう
仕事場の機材借りて 作って渡そう
あぁ 彼女にもあげなきゃすねるだろうな・・・
そんな事を思いながら ギターを片付けていると
背中の方から声がした
「優しい声ですね 頑張ってください」
振り返ったとき もうその人はいなくて
誰が僕に その言葉を掛けてくれたのかわからなかった
でも 僕はお礼を言いたくて 大きな声で
「ありがとうございます!」
そう言って 人混みに頭を下げた
母さん 今度帰った時 やっぱり直接唄ってみるから
あの頃みたいに 僕を褒めてくれるかな
「未来は歌が上手ね」
そう微笑みながら 励ましてくれるかな
父さんの写真の前で そう言ってもらえたら
ココで頑張っていく力になりそうな気がするから
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