2009/1/8

『ラースと、その彼女』  映画

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文句なしに素晴らしかった。
この作品の素晴らしさは、内気で他人(特に異性)とコミュニケートすることが出来ず、ついには生身の女性ではなく人形の女性を「彼女」と言い出すようになる青年の話・・というきわどい、ちょっと病的な設定(でも、実際、今時の世の中ならこういう青年がほんとにいるかもしれないし、実は僕なんかはかなり身につまされるような困った話ではあるのだけど・笑)にもかかわらず、彼はちょっと内気で優しすぎてそうなっただけさ、何、人形を恋人にしたって彼は彼なんだからいいではないか・・と、兄夫婦をはじめ町の人達がそうした彼の姿を受け入れ、ひたすら肯定するという、映画ならではの大らかさに包まれていることだろう。
まるでフランク・キャプラの映画みたいに、ひたすら善人しか出てこないわけだが、しかしついキャプラの名前を出してしまったけれども、この映画は決してキャプラがリアルタイムで映画を撮っていたような過去のアメリカにはいい時代があった・・と往年のアメリカ的なイメージを懐古しているわけではなくて、ネットで見つけた人形に恋してしまう青年というきわめて現代的な題材を扱い、いわば現代的な現実に立脚しているのである。つまり、これは人々に善意があった時代の懐古趣味とか、ファンタジーではないのだ。僕が何よりもこの映画を素晴らしいと思うのはその点で、きわどい題材を現実とは異なるファンタジーとして成立させているわけではなくて、あくまで現実に立脚して成立させようとしていると思える点である。
しかし、ファンタジーでもないのに人形を恋人だと言っているような青年を周囲が排除せずに大らかに受け入れるなんてことが有り得るのだろうか!?と疑問に思う人がいるかもしれないけれども、この映画は実に慎重にその有り得ないような話を成立させるためにいろいろと細部が練り込まれているのだと思う。たとえば、兄嫁が赤ちゃんを妊娠していて男性を恋人としてより母性愛によって見るようになっているという設定、青年の言動をただ受け入れるだけではなくちゃんと病院に通わせようとして人形が病気だから通おうと青年にすすめること、また教会が絡んでいるので教会の慈悲の精神でラースとその彼女を町の人々が受け入れようとすることがすんなり納得できる点・・など。アカデミー脚本賞の候補になった作品だそうだけど、たしかにそれは納得できる。
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2010/8/16  0:27

 



お勧め度:★★★★☆

製作年 : 2007年
製作国 : アメリカ
配給 : ショウゲート
上映時間 : 106分

監督 : クレイグ・ギレスピー
出演 : ライアン・ゴズリング 、 エミリー・モーティマー 、 ポール・シュナイダー 、 ケリ・ガーナー 、 パトリシア・クラークソン

あら 

2010/7/31  2:17

 

作品情報
タイトル:ラースと、その彼女
制作:2007年・アメリカ
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:ライアン・ゴズリング、エミリー・モーティマー、ポール・シュナイダー、ケリ・ガーナー、パトリシア・クラークソン
あらすじ:幼いころのトラウマから人とのつながりを 

2009/8/17  15:34

 

人間の温かさが良く出てた映画だったなぁ。笑って、そしてホロリ 

2009/1/27  15:31

 



彼女は雪のある日、ラースの元にやって来た。名前はビアンカ。
12月26日、「リダクデッド」の前に、この作品を鑑賞しました。同じく京都シネマにて。
ラース(ライアン・ゴズリング)は、アメリカ中西部の小さな田舎町で暮らしている。仕事は事務職。兄のガス(ポ 

2009/1/24  12:46

 

本当はマドンナの初監督作品を観るつもりでした…ですが、1時間間違えたおかげでこのハートフルな作品に出会いました。
 

2009/1/9  22:58

 

本物の体温のあたたかさを教えてくれたトレビアン、ビアンカ。

アメリカ中西部の小さな町。青年ラースはいつも1人でいるために、兄のガスとその妻はカリンに心配をされていた。きゅーん。ぐわわわーん。ほよ〓。
ヤラレマシタネ。すばらしいですね。
オリジナル脚本バン 



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