2006/7/31

安倍晋三官房長官がイスラエル非難  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
<安倍長官>「極めて遺憾だ」イスラエル非難
 安倍晋三官房長官は31日午前の記者会見で、イスラエル軍がレバノンの民間人居住区を空爆し、子どもを含む住民多数を死傷させた行為について「国際社会がイスラエルに自制を求めている中で、極めて遺憾だ」と強く非難した。そのうえで「わが国としては民間人の被害を防ぎ、事態のさらなる悪化をもたらさないよう、当事者に対し停戦を求め、すべての関係者に問題解決に向けた真剣な努力を求めている」と語った。
(毎日新聞 07月31日 12:51)


おお、安倍氏にその通りですとみんなで激励のメールをおくろう。
日本政府こそがイスラエルに停戦を求めて行動してくださいって。
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2006/7/31

綿井健陽氏のベイルートからのレポート  イスラエルとパレスチナ、中東

前の投稿のガザ取材中のジャーナリストの方、負傷されて大変ですね。無事を祈っています。

綿井健陽さんもベイルートにいて連日、ブログでレポートされています。

【ベイルート発 その7】
http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-07-31

【ベイルート発 その6】
http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-07-28

【ベイルート発 その5】
http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-07-26

【ベイルート発 その4】
http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-07-23

【ベイルート発 その3】
http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-07-22

【ベイルート発 その2】
http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-07-21

【ベイルート(レバノン)発 その1】
http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-07-20
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2006/7/31

ガザで取材中に負傷した日本人ジャーナリストのレポート  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060725/mng_____tokuho__000.shtml

◆ガザで取材中 照準はわれわれに

 イスラエルによるレバノン攻撃が拡大する中、イスラエル南部のパレスチナ自治区ガザでもイスラム原理主義組織ハマスなどによるイスラエル軍兵士拉致をきっかけに市民を巻き添えにした攻撃が展開されている。現地で取材中のジャーナリスト大月啓介さん(32)は市街地で銃撃され助手とともに負傷した。普通の人々の中で起きている“戦争”の今をお伝えする。

 今月十六日、私は人口約三万二千人のガザ北部の町ベイトハヌーンで、サマーハという少女の家族を訪ねていた。サマーハは中学一年生の十二歳。二年前にイスラエル軍がこの町へ“侵攻”した際に狙撃兵に頭部を撃たれ、脳を損傷し瀕死(ひんし)の重傷を負った。しかし彼女は驚くべき回復力で今では歩くことも、少し複雑な会話もできるようになっていた。

 私たちは再会をよろこび合ったが、この日、街は再びイスラエル軍の侵攻にさらされていた。上空からは無人攻撃機が、街の中心部では戦車と軍用ブルドーザーが住民ににらみをきかせている。私と助手のパレスチナ人アブハリール(32)は侵攻の状況を取材しようと彼女らの家を後にし、二キロ北東の戦車が展開する地域へ向かった。

 私たちは慎重に身を隠しつつ、三階建ての民家の屋上からイスラエル軍の視界にさらされないよう撮影を始めた。しかし、周囲の状況から判断して、すぐにこれ以上は危険だと感じ、撤退することにした。

■助手に威嚇攻撃自分も腕を負傷

 一階へ下り、玄関外の壁の陰で、どのように身を隠しつつここを離れるかと考えた、その時だった。「パーン」という銃声が響くと同時に、右手にチリリと痛みが走った。とっさに家の中に身を隠したがアブハリールが、「足が! 足が!」と叫んだ。見ると、彼の左足から大量の血が流れている。一体、どこから撃たれたのか。

 「どこか」に身を潜めた狙撃兵がわれわれに照準を合わせているかと思うと背筋が寒くなった。優秀なイスラエル軍のスナイパーがわれわれのような静止していた標的を撃ち損じることはまずない。そしてわれわれが明らかに東洋人のジャーナリストとその助手だということはスコープを通して確認しているはずだ。彼らはジャーナリストへの威嚇としてアブハリールを狙い撃ったのだ。

 私は撃たれた助手のひざを縛り、一刻も早く彼を病院へと運ばなくてはいけなかった。しかし、ベイトハヌーンでは救急車も攻撃の対象になっていた。

 「外国人ジャーナリストが、白旗を掲げて負傷者を運ぶ」という常識的には攻撃の対象とはなり得ない方法でも、ここではあまりにリスクが高すぎる。実際、かつてガザで白旗を掲げていた英BBC放送のイギリス人カメラマンが、狙撃により命を落としている。

 私と居合わせた住民で負傷したアブハリールをかつぎ、身を隠しながら密集した家々を伝い、壁をよじ登り、フェンスをこじあけ、彼を救急車に乗せられる安全な場所までたどりついた。周囲の民家の住人に手を貸すよう求めたが、彼らも狙撃を恐れてか家の外に出ることはなかった。

 ベイトハヌーン内の病院にたどりつき医者の「命に別条はない」という言葉を聞くと、一気に力が抜け、私は自分の腕の痛みと出血に気がついた。小さな傷口に似合わぬ量の出血だった。アブハリールに当たった銃弾の破片によるものだ。

 そこに新たな救急車が到着した。犠牲者を乗せた二つの担架が、狂ったように泣き叫ぶ人々とともに運ばれてきた。体を覆っているシーツが一瞬めくられると、そこには、原形をとどめた「胴体」と呼べるようなものがなかった。われわれが狙われた地域からそう遠くない場所での、戦車の砲弾による犠牲だった。

 “軍事侵攻”を受けるというのはこういうことだ。いつ何時、どこから銃弾が、砲弾が、ミサイルが飛んできて、命を奪われるか分からない。ただ、それが自分の身に降りかからないよう祈るだけであるということを、これほどまでに思い知ったことはなかった。

 この街は、二年前の大規模な侵攻の際にも多くの犠牲者を出している。その後、昨年八月、ガザからの撤退後、命を狙われないという意味での最低限の「自由」を得たのもつかの間、再びイスラエル軍の戦車の、戦闘機の、スナイパーの標的となっている。

 同じ日、イスラエル軍はこの街でアラブ系テレビ局アルジャジーラのクルーも襲った。危険を察知したスタッフが撮影現場を離れたその直後、イスラエル軍の戦車から、クルーが撮影していた民家が砲撃を受けた。とっさの機転で彼らは九死に一生を得た。

 十七日、同じ街でパレスチナの通信社ラマタンのオフィスがイスラエル軍により占拠され、スタッフとその家族が拘束された。取材車は破壊され、スタッフの家族は人間の盾として使われた。

 メディアはイスラエル軍の対応に危機感を強めている。ラマタンのスタッフはこう語る。「イスラエル軍は一般市民の犠牲を隠すためメディアに対して攻撃を仕掛けている。ゲームのルールが変わったのだ。新しいルールの下で、何が起こるかはわれわれには予想できない」

■「安全な暮らし子供たちに…」

 十八日、イスラエル軍が街から後退すると、サマーハの家族を再び訪ねた。戦車も兵士も見えないが、時折、迫撃砲と無人攻撃機からのミサイルが撃ち込まれ、爆音を響かせる。人々は「この程度は何でもない」と侵攻で命を落とした人々の葬儀を行った。サマーハの父親は言った。「どうせすぐにイスラエル軍は戻ってくるだろう。できる時に葬儀をしなくてはな」

 サマーハの母は語った。

 「ほしいのは、子供たちが身の危険を感ぜずに生きていける当たり前の暮らしです。パレスチナ人がそれを望むのは、ぜいたくなんですか?」

 外国人の私は、今回のことに懲りればガザを離れればいいだけのことだ。しかし彼らには、逃げる場所はない。彼女の言葉をどう受け止めればいいのか。「あなたたちの子供が大切で、私たちの子供が大切ではないと言うんですか? 私たちにとっても、子供は大切なんですよ」

■ガザ全体の犠牲3週間で120人に

 三日間の侵攻で、小さなこのベイトハヌーンで十四人が命を奪われた。ガザ全体では、約三週間で約百二十人が犠牲になっている。

 二十四日もイスラエル軍のアパッチヘリがガザ市の住宅にミサイルを撃ち込んだ。これが、イスラエルの歴史的な偉業、和平への偉大な一歩と喧伝(けんでん)された「ガザからの撤退」からわずか一年後の現実だ。

◆ジャーナリスト・大月啓介氏

 おおつき・けいすけ 東京都中野区出身。早稲田大学商学部卒業。テレビ番組制作会社日本電波ニュース社に入社しアフガニスタン、パキスタンの紛争地域、インドネシア・スマトラ島の震災地域などを取材。現在、中東を拠点に活動する。

<デスクメモ> 大月さんとスマトラ島沖地震の取材の際、バンダアチェで出会い、車のチャーターや仮設宿で助け合った。地元の人々にふっととけ込み、鋭い映像を切り取る自然体の災害・紛争ジャーナリストだ。ガザでも徹底して市民の目線からイスラエル軍の動きを追っている。いつか帰ってきたら酒を酌み交わしたい。(蒲)
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2006/7/31

レバノン南部空爆で50人以上死亡  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200607300016.html

イスラエル空爆で避難民が死傷 レバノン南部

2006.07.30
Web posted at: 19:57 JST
- CNN

レバノン・ティール(CNN) レバノン南部カナ市内で30日午前、民間人の避難所として使われていた4階建ての建物にイスラエル軍のミサイルが着弾した。ロイター通信は、死者が少なくとも40人に上り、うち23人が子どもだったと伝えた。レバノン国内では、子ども27人を含む50人が死亡との報道もある。

レバノン軍関係筋は、建物に女性や子どもを中心に約60人が避難していたと述べた。また、緊急対策当局者がアラブ首長国連邦の衛星テレビ局アルアラビーヤに語ったところによると、これまでに15人の遺体が収容され、推定50人ががれきの下敷きになっている。捜索救助活動は重機不足が足かせとなり、進んでいない。治安当局者はCNNに対し、死亡したのは20─40人と述べた。

現場で遺体収容にあたった赤十字スタッフによると、建物内に避難していた子どもの多くは身体障害者だったという。

一方、イスラエル軍のダラル報道官はCNNに対し、カナがイスラム教シーア派民兵ヒズボラのロケット弾発射拠点となっていたと述べた。カナからはナハリヤを含む西ガリラヤにロケット弾が打ち込まれていたとされる。イスラエル軍は現場周辺が戦闘地域だとして、ラジオやビラで住民に避難を呼びかけていた。イスラエルのペレツ国防相は同軍に対し、事件の調査を指示した。

ヒズボラは報復の意向を明言。また、レバノンの首都ベイルート市内の国連施設には、事件に抗議する数百人のデモ隊が乱入し、建物のガラスを割るなど暴徒化した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060730-00000126-kyodo-int

子どもら50人超が死亡 イスラエル軍誤爆で

 30日、レバノン南部カナの被害現場へ救援のため急ぐレバノン人男性(AP=共同)  【ベイルート30日共同】レバノン南部カナで30日午前1時半(日本時間同午前7時半)ごろ、住民が避難していた建物をイスラエル軍が誤爆し、ロイター通信によると、子ども37人を含む民間人ら少なくとも54人が死亡した。レバノン情勢激化後、1回の空爆では最悪の被害。当時は全員が就寝中だった。
 レバノンのシニオラ首相は事件を非難、即時停戦をあらためて要求して、同日予定されたライス米国務長官との会談を拒否した。長官はレバノン訪問を延期、31日には帰国の見通し。
 国連安全保障理事会は30日午前、緊急会合を開催。イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは「イスラエルによる虐殺」として報復を誓う声明を出した。
(共同通信) - 7月30日23時16分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060730-00000030-mai-int

<レバノン>イスラエル軍、南部を空爆 57人死亡
 【ベイルート高橋宗男】イスラエル軍は30日朝、レバノン南部ティールの南東約10キロの町カナの民間人居住区を空爆、住民が避難用シェルターに使っていた建設中のビルやモスクが破壊された。死傷者数についての情報は錯そうしているが、中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、子供30人を含む57人が死亡した。7月12日の紛争開始以来、一度の攻撃では最悪の事態となった。依然がれきの下敷きになった人々が多数いるとみられ、死傷者はさらに増える可能性が高い。
 カナでは96年4月にもイスラエル軍の「怒りの葡萄(ぶどう)作戦」で、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の基地が攻撃され、侵攻を恐れて避難していたレバノン人106人が死亡。「カナの虐殺」と呼ばれている。レバノンのシニオラ首相は同日、「カナで起きていることは誤り(誤爆)などではない」とイスラエルを強く非難した。さらに「我々は即時の無条件停戦以外は受け入れない」と態度を硬化させた。一方、イスラエル政府は今回の攻撃について遺憾の意を表明、調査を約束した。
 またシニオラ首相はアナン国連事務総長に電話し、安全保障理事会の緊急会合の開催を要請した。首相はこれまで、停戦実現に向けてイスラエルへの攻撃を続けるイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの説得に当たってきたが、ヒズボラ側は29日夜、戦闘の継続を宣言していた。
 一方、米国のライス国務長官は29日、イスラエル入りし、オルメルト首相と会談。レバノン南部へのより強力な権限を持つ国際部隊の展開などについて首相と協議した。長官は、シニオラ首相の事実上の交渉拒否を受け、30日に予定していたレバノン訪問を中止した。停戦に向けた交渉は暗礁に乗り上げ、レバノン情勢がさらに混迷するのは必至だ。
(毎日新聞) - 7月30日23時29分更新
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2006/7/30

イスラエル首相を戦争犯罪で提訴  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
イスラエル首相を戦争犯罪で提訴  ベルギー人夫婦
 【パリ=浅田信幸】ブリュッセルからの報道によると、レバノン出身のベルギー人夫婦が二十七日、ベルギーの法律に基づきイスラエルのオルメルト首相ら政府指導者を戦争犯罪でベルギー連邦裁判所に提訴しました。
 訴えたのはアリ・アブドルサテルさんと妻のファルカド・エルフセイニさん。夫婦は三人の子どもを連れてレバノンでバカンスを送っていましたが、イスラエルによる爆撃でシリアを経由した避難行を余儀なくされ、ベイルートの住宅は破壊されました。
 夫婦は訴状で、ベルギー刑法の戦争犯罪の定義に基づき、四百人を超えるレバノン人の死亡、救急車や孤児院への爆撃、国連軍レバノン暫定軍(UNIFIL)基地への爆撃などを挙げ、「意図的な殺人」と非難しています。
 提訴の対象はオルメルト首相、ペレツ国防相、ハルツ軍参謀総長の三人。夫婦の弁護士によると、二人は宗派にかかわらずレバノンの将来を考える市民団体の活動家で、さらに多くのベルギー市民が訴訟を起こす見込みだといいます。
 ベルギーでは一九九三年に、ジェノサイド(大量虐殺)や人道に対する犯罪、戦争犯罪について、犯罪実行者と犠牲者の国籍も犯罪が行われた場所も問わず、世界中の誰でもがベルギーで裁判を起こせる法律が成立しました。
 しかし二○○三年の米英などによるイラク戦争で米国のブッシュ大統領やラムズフェルト国防長官らが提訴され、ベルギーと米国の外交紛争に発展。米国の圧力のもとで同年八月、犯罪の実行者か犠牲者がベルギー人であるとともに提訴の権利をベルギー在留者に限定する新法に置き換えられた経緯があります。(2006年7月30日 しんぶん赤旗)
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2006/7/30

『イワン雷帝』  映画

フィルムセンターで『イワン雷帝』。実は初見だったりする。「すごい映画」「偉大な映画」だろうとは予測していたけど、こんなに「面白い映画」だとは思わなかった。第2部でいきなりミュージカルみたいになってしまうなんて。いや、出だしからそういう雰囲気があってこれはある意味で歌わないミュージカル映画か?とか思っていたら本当に歌い出してしまったという。エイゼンシュテインというとモンタージュ理論とか言いますが、実際に見てみると、まあ、そういうことよりも、きわめてユニークなスペクタクル映画でワクワクします。
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2006/7/30

「北朝鮮問題を平和的恒久的に解決する方策についてへのTB」の疑問点  時事問題

お玉さんのブログ「北朝鮮問題を平和的恒久的に解決する方策について」にコメントを書き込んだ延長で、とほほさんという方のブログの掲示板で以下の議論をしました。相変わらず、僕の思考回路は混乱している感じでしたが、少し、考えを整理することが出来たように思います。とほほさん、どうも有難うございました。

「北朝鮮問題を平和的恒久的に解決する方策についてへのTB」の疑問点
http://t-t-japan.com/bbs2/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=2982;id=sikousakugo#atop
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2006/7/29

ベイルート通信 泥沼化する戦争  イスラエルとパレスチナ、中東

ベイルート通信
http://www.geocities.jp/beirutreport/index.html

JMM連載 「レバノン〜揺れるモザイク社会」
第22回(2006年7月28日配信) 
泥沼化する戦争

民間人に大きな被害
 7月12日に始まったイスラエルとヒズボッラーの戦争は、勃発以来2週間を経過した。戦局が激しさを増す一方で、早期停戦に向けた関係諸国の外交努力は米国の妨害でことごとく行き詰まり、泥沼化する恐れが日に日に強まっている。
 7月27日現在まで、イスラエル軍の空爆・砲撃によってレバノン側では既に400人を超える犠牲者が出た。一方、イスラエル北部の都市に対するヒズボッラーの無差別ミサイル攻撃と、地上の戦闘でイスラエル側にも40名程度の犠牲が出ている。猛烈な空爆を受けながらも、ヒズボッラーは2週間経過した現在も連日100発超のミサイルをイスラエル領内に撃ち込んでいる。またマロン・ラアス村やビント・ジュベイル市における交戦ではイスラエル軍は20名近い兵員を失った。イスラエルの軍首脳は開戦後ほどなく「ヒズボッラーの戦闘能力の50%は破壊した」と誇って見せたが、これは大本営発表であったようだ。
 家を失い、あるいは危険を避けてレバノン国内で避難民となった人、そして隣国シリアへ命からがら逃れた難民はあわせて60万人にも上る。レバノン国民のざっと5〜6分の1程度が難民化した計算だから、破壊の規模の凄まじさがうかがわれる。
 米国や英国は戦艦を派遣して数万人単位の自国民の救出作戦を行った。在留邦人の多くもキプロス島やシリア経由で戦火を逃れた。
 かく言う筆者自身の場合は逆で、たまたま日本に出張中に戦争が始まったため、レバノンに戻る術を失い、家族と生き別れになってしまった。インターネットで情勢を追いながら落ち着かぬ日々を過ごしている。

イスラエルを庇うアメリカ
 この間、国連や仏露両国、アラブ諸国などは一貫してイスラエルの過剰な武力行使を批判、即時停戦を強く求めてきた。しかし27日現在までに停戦は実現していないし、実現の目途も立っていない。
 その理由はいたってシンプルで、ひとつは妥協点が見出せないことだ。前回指摘したとおり、ヒズボッラーは捕虜交換を成し遂げない限り絶対に拉致したイスラエル兵士を解放出来ない。一方イスラエルの側も、兵士拉致が戦争の口実なのだから、兵士が帰ってこない限りは攻撃を止めるわけにはいかない。どちらにとってもこの問題での妥協は全面降伏を意味するわけで、双方の面目が立つかたちで戦争を収拾するのは不可能に近い。
 もうひとつの理由はアメリカだ。1983年の海兵隊基地と大使館爆破事件、それに80年代後半の米国人連続誘拐事件以来、ヒズボッラーはアメリカの不倶戴天の仇敵だ。2006年現在の地政学でもヒズボッラーはイラン・シリア陣営の尖兵であり、ハマースの盟友だ。米国は2004年の安保理決議第1559号や、その後はハリーリ派やジュンブラート派などレバノンの反シリア勢力に露骨に梃入れして、何とかヒズボッラーの武装解除を実現しようと腐心したが果たせなかった。
 この難題を今イスラエルが肩代わりして遂行してくれているのだから、アメリカにはそれを止めさせる気はまったくない。即時停戦を求める国際世論に対して、アメリカがほとんど一国だけで身をはってイスラエルを庇い、イスラエルのために時間稼ぎをしている……端的に言って、これがレバノン戦争をめぐる今の構図だ。

ローマ会議の失敗
 フランスやドイツの外相が次々と戦火のベイルートを訪問、停戦を求めるのに比べ、ライス米国国務長官の腰は重かった。国際圧力に尻を叩かれるようにライスは26日にローマでレバノン支援国の外相級会議の開催を呼びかけ、それに先立つ24、25の両日にレバノンとイスラエルを歴訪している。
 ライスのレバノン訪問は、しかしどうやら停戦のために重い腰を上げたと言うよりは、来るローマ会議で即時停戦に反対するためのアリバイつくりだったようだ。
 ライスはレバノンでまずセニオラ首相と会談し、緊急人道援助を申し出ている。その後、国会議長のナビーヒ・ベッリと会った。シーア派でアマルの党首であるベッリは、地下壕に姿を隠すナスラッラー・ヒズボッラー議長の唯一の代理人だ。だからライスとベッリの会談は、イスラエルとヒズボッラーの間の代理交渉であったとみてよい。
 この会談で、ライスは停戦と同時にレバノン国軍と多国籍軍が緩衝地帯に展開すること、ヒズボッラーの兵器は国境から30キロメートル以遠の地点まで撤去することなどを盛り込んだパッケージ案を提示した。
 ベッリはこれに対し、即時停戦と捕虜交換交渉開始を要求、ヒズボッラーの武装解除を含め他の問題については後にレバノン国民対話で解決するという代案を提示。会談は完全に平行線をたどった。
 ベッリ案は、「開戦」前の現状復帰そのものだ。イスラエルとしては何のために世界の轟々たる非難を浴び自国民も犠牲にして戦争に踏み切ったのかわからない。これではイスラエルが呑める筈はない。
 しかしこの会談のお陰で、「イスラエルが攻撃を続け新たな軍事バランスが現出しない限り、現状では停戦も多国籍軍派遣も不可能だ」という言い訳をライスは手にいれた。そしてそのままローマに乗り込み、「停戦は永続的かつ包括的なものでなければならない」、と押し切り、ほとんど一国で即時停戦要請の発出をくいとめたのだ。
 また、シリア、イラン両国を含めた地域諸国に停戦実現に向けて協力を求めるアナン事務総長の意見も、ライスは「シリアと何を話すと言うのですか? シリアが行動する(ヒズボッラーに圧力をかける)用意があるか、それが問題なのです」と一蹴した。国連と米国の力関係がはっきりとした一幕であった。
 なお、ローマ会議の数時間前にはイスラエル軍がレバノン南部ヒヤームにあった国連レバノン暫定部隊(UNIFIL)施設を「誤爆」し、停戦監視員4名を殺害している。基地はヒズボッラー施設から離れている上、爆弾の直撃を受ける前に何度もUNIFIL側から、危険だからこの地域への爆撃をやめるようイスラエル軍に要請していたことも判明している。このためアナン事務総長は「意図的な攻撃だ」と異例のイスラエル非難を行った。中国など殺害された兵員を派遣していた諸国の怒りも激しく、イスラエルの国際孤立は一層加速されそうだ。

ナスラッラー暗殺狙いか?
 開戦当初のインフラを狙った大規模空爆は一段落し、イスラエル軍の作戦の焦点は、国境から数キロメートルレバノン側に入り込んだところにある村落の制圧に移っている。一村ずつ、いや、一軒ずつ民家を調べ、山や谷を捜索し、ゲリラや武器庫、ミサイル発射装置などを虱潰しにしていくわけだ。当然ながらゲリラは随所に隠れて敵の到来を待ち構えている。しかもそのゲリラはそこに生まれ育ち地形を熟知しており、郷里防衛の士気も高い。イランやシリアから優れた装備も供給されている。これまでの戦いを見る限り、イスラエル軍が国境付近のヒズボッラー兵を掃討するという目標を達成するのにはかなりの困難が伴いそうだ。拉致兵士は安全なところに移送されているだろうから、その解放はさらに一層難しい。
 イスラエルが本来の目標を達し得ないとすれば、どんなケースであればイスラエル軍の面子が立つか?
 ひとつの可能性はヒズボッラーのカリスマ指導者、ナスラッラーを殺害した場合だ。思えばイスラエルにとっての悪夢は、1992年に前任のアッバース・ムーサウィを殺害した後に始まった。1993年、1996年の掃討作戦の失敗。2000年の一方的撤退。1998年と2004年の捕虜交換。いずれも、イスラエルに煮え湯を飲ませたのはナスラッラーだった。
 預言者ムハンマドに連なるという(真偽のほどは定かではないが)血統の良さ。穏やかで説得力のある語り口。しかしいったん演説を始めると、炎のような情熱的な言葉で大衆の魂をとらえる。そして言ったことは必ず実行する、実行出来ないことは言わないことから来る信頼感……1992年以降のヒズボッラーにとって、このカリスマ指導者の存在は決定的に大きい。イスラエル軍と政府の幹部は開戦以来、いや開戦以前でさえ、ナスラッラー抹殺の意志を隠そうとしていない。
 ただ実際にそんな事態が起きた場合、状況が果たして鎮静化するのか、それとも反イスラエル感情が今以上に燃え盛って収拾のつかないことになるのかは予測出来ない。
 最悪のシナリオは、イスラエルのシリア攻撃だ。かつて大日本帝国は広大な中国大陸での泥沼の戦争にのめり込み、挙句の果て中国の背後に居た米英両国を相手に破滅的な戦争を始めた。イスラエルで「シリアに一撃を加えない限り、ヒズボッラー相手の勝利もあり得ない」という世論が盛り上がると、第五次中東戦争勃発は避けられなくなる。

絶え間ない戦争
 あの激しい内戦中でさえ、日本のメディアがレバノンに注目することは稀だった。最近では2005年2月にハリーリ首相が暗殺され、反シリア・デモが燃え盛った時にだけ、一時的に日本のメディアもレバノンに注目したが、その後レバノン情勢が袋小路に落ち込んでいくと、メディアの関心も冷め切ってしまった。
 今回、この戦争のおかげで日本のメディアも流石にレバノンに焦点をあてて、「ヒズボッラーとは何か」などと、連日さかんに報道している。
 それはそれで結構ではあるが、ひとつだけ苦言を呈するなら、7月12日の「確かな約束作戦」に至る経緯がほとんど報じられていないことだ。だから、「平和なときに一方的にヒズボッラーがイスラエルに挑発を仕掛けた」と言ったイメージが出来上がっている。
 この連載の読者は既にご存知のとおり、ことはそんなに単純ではない。ヒズボッラーが平和を破った、戦争を仕掛けた、と言うが、そもそもイスラエルとヒズボッラーは相互承認もしていないし、当然両者の間には平和条約もない。両者は不断の戦争状態にあった。
 イスラエル軍は南部を撤退した後も、一日何十回という頻度でレバノン領空を侵犯し、漁船を拿捕し、羊飼いを殺害してきた。このイスラエルの脅威が現実に存在していたからこそ、シーア派国民はヒズボッラーの武装継続を支持し、反シリア勢力はヒズボッラーを武装解除出来なかったのだ。ヒズボッラー活動家の暗殺を専門に行ってきたモサドのスパイ網が摘発されたことも、先日報告した。
 もちろん、私がこう書くのは決してヒズボッラーを擁護するわけではない。ヒズボッラーもイスラエル国内にスパイ網を築き、秘密工作を行ってきたし、パレスチナ人のインティファーダの影にも頻繁にヒズボッラーの姿が見え隠れする。つまり、両者はずっと影の戦争を戦ってきたのであって、決して7月12日に「突然平和が破られた」わけではないのだ。
 今回の戦争が過去10年間の衝突と違っているのは、「4月合意」の枠が崩れた点である。1996年のイスラエル軍による南部大空襲と、ヒズボッラーのミサイル攻撃が双方の民間人に甚大な被害を与えたので、今後は民間人やインフラ攻撃は控え、双方の戦闘員・軍事施設の攻撃に限定しようと生まれた合意が「4月合意」である。過去10年間、曲折はあったがこの合意は守られてきた。今回のヒズボッラーの捕虜獲得作戦も、この枠内で行われた。
 それに対していきなり空港や港、道路や通信施設などを破壊しつくして、何十万人もの民間人をホームレスにしたのはイスラエルだ。ルールを先に破ったのはイスラエルなのである。だから、国際社会のイスラエル批判と即時停戦呼びかけを私は全うな意見だと思う。
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2006/7/29

日本の死刑制度のニュース(アムネスティ・インターナショナル)  ニュース

*アムネスティ・インターナショナルによるニュースです。

http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=155

国際事務局
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2006/7/28

イスラエル 新爆弾使用か?  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
新爆弾か?レバノンが調査
 ベイルート二十六日発のロイター通信によれば、レバノン南部を爆撃しているイスラエル軍が、今までに見たことのない被害を及ぼす兵器を使用しているという医師からの報告を受け、レバノン当局が調査を始めました。
 同国南部のスール国営病院院長はロイター通信に対し、爆撃の犠牲者の遺体が「過去の戦争で見たことのない異常な焼け方」をしていると指摘。「遺体は通常の半分ほどに縮んでいて、最所は子どもの遺体かと思えるが、実は成人のものだった」と語りました。
 レバノンのラフード大統領は、イスラエルが爆撃に化学兵器の白リン弾を使用していると繰り返し告発しています。
 人権擁護団体の「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は、イスラエル軍が人口密集地にクラスター爆弾を使っていると非難していますが、白リン弾の使用はまだ証明されていないとしています。
 イスラエル軍当局は、ヒズボラを目標とした攻撃には通常の兵器や攻撃手段しか用いておらず、国際法に違反しているものはないと主張しています。(2006年7月28日 しんぶん赤旗)

*上の記事にある白リン弾はイラク、ファルージャで米軍が使用したと言われているもの。(以下のサイトを参照。)

「燃える雨、白燐弾 −米軍による白燐弾使用の実態についてのまとめサイト−」
http://www6.ocn.ne.jp/~boogie/white_phosphorus_weapons.htm


*以下のニュースもー
(ニュース)
<イスラエル>クラスター弾を使用 レバノン民間人居住区に
 【ベイルート高橋宗男】レバノンへの軍事攻勢を強めるイスラエル軍が国境付近の民間人居住地域に向け、一つの砲弾から大量の子爆弾を広範囲に拡散させる「クラスター弾」を撃ち込んだ疑いが強まっている。レバノン南部国境付近で負傷したレバノン人男性は27日、「地下室に落ちてきた小さな爆弾が爆発した」と毎日新聞に証言した。今月12日のイスラエル軍の攻撃開始後、レバノンで調査を続けている国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)は「民間人居住区へのクラスター弾の使用は国際法に抵触する可能性がある」とイスラエル軍を非難。市民を巻き込む形の無差別攻撃に対する懸念が強まっている。
 レバノン南東部のイスラエル国境に近いブリダ村の運転手、アフマド・アリさん(45)によると、イスラエル軍の砲撃を避け、自宅の地下室に避難していた19日午後3時ごろ、破損した天井から小さな爆弾が転がり込み爆発。室内にいた16歳から1歳の子供7人を含む12人全員が負傷したという。アリさんは21日にベイルートに運ばれたが、両足を切断した。
 レバノンで人道的見地からの被害調査を実施しているHRWもアリさん一家から聞き取り調査を行い、クラスター弾による被害とみている。HRWは国境のイスラエル側で子爆弾88個を内蔵する米国製砲弾「M483A1」が配備されているのを確認、写真撮影した。
 HRWのピーター・ボカート緊急事態担当部長は毎日新聞に「クラスター弾は子爆弾を広範囲に拡散させる無差別兵器だ。民間人居住区での使用はジュネーブ条約に抵触する可能性が濃厚」と指摘し、イスラエルに民間人居住区へのクラスター弾の使用中止を求めた。
 同氏はまた「米国によるイラク戦争などでは民間人被害が出た場合でも一定の軍事的意図が読み取れた」としたうえで、「レバノン南部やベイルート南部での家屋やビルの徹底的な破壊はヒズボラへの攻撃という目的をはるかに超えており、イスラエル側がどのような軍事目的を有していたか理解に苦しむ」と指摘。イスラエル軍による無差別攻撃を示唆した。
 イスラエル軍は「クラスター弾は国際法で使用が認められた通常兵器で、国際的な基準にのっとって運用している」と反論。使用については認めたが、使用地域の特定は拒んでいる。
 【クラスター弾】 親爆弾が一定の高度で開き、内包された多数の子爆弾が飛び散って人間や車両を破壊する集束爆弾。ベトナム戦争から米軍が使い始め、湾岸戦争、コソボ紛争、アフガニスタン攻撃、イラク戦争などで使われた。子爆弾の不発率が高く、拾った民間人を殺傷する危険性が高いことから“第2の地雷”と呼ばれ、赤十字国際委員会などは「非人道的兵器」として規制を求めている。日本を含む56カ国が保有。
(毎日新聞 7月28日18時56分更新)
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2006/7/28

ロバート・フィスク記者のレバノン記事  イスラエルとパレスチナ、中東

(以下の「ロバート・フィスク記者の記事」は日々、更新されています。ashさんという方が翻訳されています。リンク集に加えました。)

ロバート・フィスク記者の記事(日本語訳)
http://heartland.geocities.jp/fisktranslation/index.html
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2006/7/28

ノーム・チョムスキー 最新インタビュー(3)  イスラエルとパレスチナ、中東

エイミー・グッドマン:
 その区別についてお話しいただけますか。

ノーム・チョムスキー:
 実際の戦争のそばで、もし紛争が起きていたら、軍事紛争ではなく、誘拐が起きるという形で、−もし兵士が捕らえられたら、兵士は人間的に扱われます。しかし一般市民が捕らえられるという水準では犯罪ではありませんが、国境を越えて自国に連行するのは、重大な犯罪です。それが報道されていないことなのです。そして実際、忘れないでください、ガザでは恒常的に攻撃が続いているということを言ってはいけない、ということを。ガザは基本的に刑務所です。巨大な刑務所なのです。常に恒常的な攻撃に曝されているのです。そこで経済活動の圧殺、軍事攻撃、暗殺、等々です。それと比較すると、兵士一人の誘拐は、誰が考えたって、残虐行為の規模において高いとは言えません。

ジュアン・ゴンザレス:
 この番組にはオンラインで、国際危機集団(International Crisis Group)の上級の中東アナリストで『中東レポート』の特別編集者の、モウイン・ラバーニさんにも参加していただきます。彼にはエルサレムからオンラインで参加していただきます。『デモクラシーナウ』にようこそ。

モウイン・ラバーニ:
 こんにちは。

ジュアン・ゴンザレス:
 そちらでの最近の紛争激化についての展望と、イスラエルがレバノン戦争の泥沼に再びはまりつつあるという可能性についてお話しいただけるでしょうか。

モウイン・ラバーニ:
 お話ししにくいですね。チョムスキー教授のコメントを聞くことができませんでしたから。ほんの少しお話しできるだけです。しかしイスラエルは今基本的には、戦争の規則を書き直し、敵のための新しい条件を設定しようとしています、基本的にはご存じの通り、イスラエル軍あるいはその他へのいかなる種類の攻撃も許さない、そしてそのような攻撃をすれば、国全体、領土全体の民間インフラのすべてが危機的な攻撃に曝されるという、激しい報復を招くことになるだろう、と。今まで我々が見たところから判断すると、明白な国際的制裁に対してイスラエルは多少なりとも暗黙の了解を享受しています。そしてこの紛争がさらにおそらくはシリアを含めて、中東地域全体の紛争に拡大するという可能性は、この段階でまったく現実的になっていると考えます。

エイミー・グッドマン:
 国連決議についてお話しいただけますか。ガザ侵攻非難決議案への投票は十対一で、米国が拒否権を発動、棄権国は英国、デンマーク、ペルー、スロバキアですね。[註:イスラエルのパレスチナ自治区ガザ侵攻を非難する決議案が七月十三日、国連安全保障理事会で採決され、15理事国のうち10カ国が賛成したが、常任理事国の米国が拒否権を行使して否決された。イスラエル軍のレバノン攻撃などで中東の戦火が広がる中、アラブ諸国が求めた決議案に米国が拒否権を行使したことで、反米感情のいっそうの広がりが懸念される。
http://www.asahi.com/international/update/0714/005.html

モウイン・ラバーニ:
 その決議案が実際に採択されたら、ニュースになっただろうと思いますね。ここ十年間、もしそんなに長くかからなければ、と思います。国連は、中東における平和と安全を維持し回復するいかなる義務も責任も果たすことできない組織、基本的にはそれが国連の現実になってしまった。安保理における主として米国の拒否権発動のせいで、です。イスラエルの行動に対するレトリックな非難は、たとえばここ数週間、ガザで見てきたように、実質的な影響のないレトリックな非難でさえ、ほとんど想像できないものになってしまった、というような地点に達しているのです。再び、主として安保理における米国の拒否権発動のせいで、です。

エイミー・グッドマン:
 モウインさん、ガザとレバノンの両方で現在何が起こるとお考えですか。

モウイン・ラバーニ:
 おそらく、もっと著しく悪くなると思います。実際レバノンではヒズボラがより厳しい政策をとるケースが考えられます。イスラエルに囚人交換を行うように強要するとか。その一方、イスラエルはヒズボラの軍備縮小を強要したり、少なくともイスラエル−レバノン国境から数十キロ後退させたりしようとする露骨な政策をとるでしょう。これに関するイスラエルとヒズボラの展望は、完全には一致しないので、この矛盾は、ある種の調停が始まるまでは、おそらくエスカレートし続けるでしょう。
 ガザでは、事情は少し異なります。そこではハマスが露骨な政策をとっていて、イスラエルとの囚人交換を果たすこともそのうちの一つだと思います。二次的な部分でさえあると言いたいと思います。ガザではハマスの主要目的は、イスラエルに、イスラエル−パレスチナという敵意の相互停止を受け入れさせることだと思います。またさらに重要なことは、統治権を保証することだと思います。また少なくともこのイスラエル−パレスチナの部分に関する限り、ハマスの主要目的は非常に明確なメッセージを送ることだったと思います。イスラエルに対してだけではなく、すべての敵に対して、イスラエル人か、パレスチナ人か、外国人かに関わらず、世界に思い出させることだったのです。ハマスにとって政治統合と民主政治は実験であり、ハマスこそ、そのオールタナティブであること、そしてもしハマスに民主的統治の実行が許されなければ、ハマスは躊躇しない、もし必要ならば、それに変わるものを実行するだけだ、ということを。

エイミー・グッドマン:
 最後にノーム・チョムスキーさん、現在、産業界の指導者たちはG8会合でサンクトペテルスブルグに集まりました。米国がこのなかでどんな役割を果たすのでしょうか。

ノーム・チョムスキー:
 G8会合へのですか。

エイミー・グッドマン:
 いいえ。ちょうど集まったばかりで、ここにおける役割ですが、レバノン、ガザ、中東の問題は討論で優位を占めることになるでしょうか。ここで米国はどれほど重要なのでしょうか。

ノーム・チョムスキー:
 米国は、あなたがおっしゃったとおり国連決議案の時ようにおそらくは大きな役割を果たすと思います。残念なことですが、モウイン・ラバーニさんが言っていたようなことを聞くことはできないでしょう。しかし国連決議案は、国連決議案の拒否権はいつものことです。十年前を振り返ってみましょう。イスラエルの犯罪と残虐行為に対する非難決議に対して、米国は外交的解決を実質的に単独で妨害し続けてきました。一九八二年にイスラエルがレバノンを侵略したとき、国連はただちに、戦闘の終結等を要求するいくつかの決議案を拒否しました。それは恐ろしい侵略でした。同じことがすべての政権で続いています。したがってG8会合でも同じことが続くと思います。
 米国はイスラエルが実質的に軍事化した国だと見ていますし、イスラエルを批判や攻撃から保護し、消極的に支援しています。実際のところは明白にイスラエルの拡大路線と、パレスチナ人に対する攻撃と、パレスチナ領土の残りを漸進的に奪取するのを支援しているのです。そしてそういう行動は実際に、モーシェ・ダヤンが七〇年代初期、彼が占領地域の責任者だったときに行ったコメントを実現するものなのです。我々はパレスチナ人たちに言うべきだと、彼は閣僚たちに言いました、「パレスチナ人には何も解決策はないのだ、犬のように生活し、去る者は去れ、そうすれば何処にそれがつながっていくのか、我々イスラエル人には分かるだろう。」それが基本的な政策なのです。米国がその政策をあれこれのやり方で進め続けていくでしょう。
[註:かつて国防大臣だったモシェ・ダヤンの言葉「イスラエルは狂犬のごとくにならねばならない。よそものが手出しできないほど危ない国にならねばならないのだ。」
homepage.mac.com/ehara_gen1/jealous_gay/martin_van_creveld.html
例えば、イスラエルのすべての指導者の中でパレスチナ人におそらく最も同情的なモシェ・ダヤンMoshe Dayanでさえ同じことを考えていました。30年前の閣僚内における議論で彼は次のような見解を述べていました。「パレスチナ人には何も与えるな。我々は彼らを犬のように扱うべきだ。そして逃げだせる者は逃げ出すだろう。そうすれば、その後に何が起きるのか分かるだろう。」
www.gifu-u.ac.jp/~terasima/lecture010304toledo2qa.html]

エイミー・グッドマン:
ノーム・チョムスキーさん、ご一緒いただきありがとうございました。チョムスキーさんの最近の著書は『失敗国家−権力の乱用と民主主義への攻撃』です。そしてモウイン・ラバーニさんは国際危機集団(International Crisis Group)の上級の中東アナリストで、エルサレムからのご参加でした。お二人に感謝いたします。
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2006/7/28

ノーム・チョムスキー 最新インタビュー(2)  イスラエルとパレスチナ、中東

エイミー・グッドマン:
 昨日、捕らえられていたイスラエル兵士二人を、ヒズボラがイランに送り返そうとした、という記事すら現れました。

ジュアン・ゴンザレス:
 イスラエルは実際、何が起こっているかの確実な証拠を握っていると主張しています。そういうわけで、海の封鎖と空港の爆撃という両方を試みているのだと。

ノーム・チョムスキー:
 イスラエルはそう主張しています。それは本当です。しかし私は繰り返します、我々には何の証拠もないのだと。軍事攻撃を行使している国家による主張は、信憑性に関して、実際あまり意味がありません。もし証拠があるのなら、見たいものですね。実際、あり得ることです。たとえあり得ることだとしても、何の証拠にもならないでしょう。もしヒズボラが、どこに囚人や兵士を拉致していたとしても、もしイスラエルの攻撃の規模がすごいのでレバノンに彼らを隠すことができないとヒズボラが決定したなら、どこか余所に彼らを送るかもしれません。シリアやイランがこの時点で受け入れるということには私は懐疑的ですね。あるいは、たとえシリアやイランが彼らを受け入れることができてもです。しかしヒズボラはそう望むでしょう。

エイミー・グッドマン:
 ノーム・チョムスキーさん、ちょっと休憩です。話に戻ったら、イスラエルの国連大使がレバノンについてコメントしていたことについておたずねします。またモウイン・ラバーニさんにも参加していただきます。彼はこの番組に参加するためにエルサレムから来ている、国際危機集団(International Crisis Group)の中東アナリストです。その後で、『1パーセントのドクトリン:9・11以降の米国の敵追求の真相』の著者、ロン・サスキンドも参加してくれます。しばらくお待ちください。

エイミー・グッドマン:
 電話で参加していただいているゲストはノーム・チョムスキーさん、マサチューセッツ工科大学の言語学教授です。最近の著書は『失敗国家−権力の乱用と民主主義への攻撃』です。イスラエルの国連大使がレバノンについて行った論評について、おたずねしたいと思います。彼はイスラエルの作戦を正当な反応だと擁護しました。ダン・ギラーマンのものです。

ダン・ギラーマン:
 この困難な日々、我々はここに座しているので、これを私はあなたや仲間の方たちに自問してみるように訴えます。もしあなたの国がそんな攻撃に曝されたなら、もし隣人があなたの家の境界を越えて侵入し家族を誘拐したら、もしあなたの町や村に数百のロケットが撃ち込まれたら、あなたはどうしますか、と。ただ座して我慢しているだけですか、それともこの瞬間にイスラエルが行っていることを、まさに行うでしょうか。

エイミー・グッドマン:
 ダン・ギラーマン、イスラエルの国連大使でした。ノーム・チョムスキーさん、あなたの答えはどうですか?

ノーム・チョムスキー:
 彼はガザというよりは、レバノンに言及していますね。

エイミー・グッドマン:
 そうです。

ノーム・チョムスキー:
 そうですね。数百発のロケットが火を噴いたのという点では彼は正確ですし、それをやめなければならないのは当然です。しかし彼は言及していませんし、あるいはおそらく少なくともこのコメントの中に触れられていないのは、ロケットが火を噴いたのが、レバノンへのイスラエルのひどい攻撃の後だったという点です。イスラエルの攻撃は、最近の記事によると、おそらく六十人くらいの人を殺し、多くのインフラを破壊しました。いつも通り、そのことが優先し、どちらが刺激的な事件かを決定しなければならないのです。私の意見では、現在の場合、刺激的な事件は私が今述べた、絶え間ない激しい鎮圧、多くの誘拐、ガザでの多くの残虐行為、西岸地区の恒常的な乗っ取りです。事実上もしそれが続くなら、まさに国家抹殺であり、パレスチナ国家の終焉です。つまり、六月二十四日、ガザの一般市民二人の誘拐、その後の伍長シャリットの誘拐への報復。一般市民の誘拐と兵士の誘拐には決定的違いがあります。国際人道法でさえ、それを区別しています。
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2006/7/28

ノーム・チョムスキー 最新インタビュー(1)  イスラエルとパレスチナ、中東

http://www.gifu-u.ac.jp/~terasima/interview060714endof%20parestine060718.htm

「パレスチナ国家の終焉」を目指す、米国支援のイスラエル政策
U.S.-Backed Israeli Policies Pursuing "End of Palestine"
エイミー・グッドマンとジュアン・ゴンザレスによるノーム・チョムスキーへのインタビュー、『デモクラシー・ナウ』2006年7月14日 

翻訳:寺島隆吉+寺島美紀子、公開060718

 今日(2006年7月17日)のNHK21時のBSニュースを見ていても、トップニュースとしてG8サミットで北朝鮮問題がどのように話し合われるかに膨大な時間をかけています。イスラエルが連日のように他国に侵攻し爆撃を加え、罪のない民間人を大量に殺していても、NHKにとっては他国の誰にも危害を加えていない北朝鮮問題の方が重大なようです。もし北朝鮮問題が重大な人権問題であるなら、「拉致」だけでなく連日の「殺人」をおこない「パレスチナ国家の抹殺」を謀(はか)っているイスラエルをなぜ問題にしないのか、誰しもNHKの意図を怪しむのではないでしょうか。チョムスキーのインタビューを緊急に翻訳して掲載する所以です。(慌てて翻訳をしているので誤訳があるかも知れません。その節は御指摘ください。)

エイミー・グッドマン:
 今電話でノーム・チョムスキーさんとつながっています。マサチューセッツ工科大学の言語学と哲学の教授で、非常に多くの著書があります。最近の著書は『失敗国家−権力の乱用と民主主義への攻撃』です。五月にベイルートに旅行され、そこでとりわけヒズボラの指導者、サイード・ハッセン・ナスラーハ氏にお会いになりました。今マサチューセッツからの電話でお話ししています。『デモクラシーナウ』にようこそ。

ノーム・チョムスキー:
 こんにちわ、エイミー。

エイミー・グッドマン:
 今日はありがとうございます。さて、レバノンとガザの両方で今何が起こっているのかについて話していただけるでしょうか。

ノーム・チョムスキー:
 もちろん、私はあなたやリスナーのひとたちが知っていること以外の内部情報は持っていません。ガザで何が起こっているのか、まず第一に、基本的に何が起こっているのかの最近の段階についてですが非常に多くのことがハマスの選挙と共に始まています。一月下旬に遡ります。イスラエルと米国はすぐに、自由選挙において不当な方法で選挙をしたかどでパレスチナに制裁を課すつもりである、と発表しました。制裁は厳しいものでした。
 同時に、それはガザには一部だけで、ある種の見えない形で行われていますが、西岸地区はもっと極端な形で行われています。イスラエルのオルメルト首相は、西岸地区の合併計画を発表しました。合併計画とは、遠回しには「収束」と名付けられているもので、ここではしばしば「撤退」と言われるものですが、実際には西岸地区の価値のある土地、水を含めて資源のほとんどを合併し、残りかすを分割して閉じこめるという計画の定形化です。その証拠に、イスラエルがヨルダン渓谷を占領すると、オルメルト首相は同じように発表しています。ところがこんなことが、極端な暴力もなく、誰もそれについて言及せずに進んでいます。
 ガザの最近の局面は六月二四日に始まりました。イスラエルがガザの一般市民二人、医者とその兄弟を誘拐した時に始まりました。二人の名前は分かりません。犠牲者の名前を皆さんもご存じないでしょう。彼らはおそらくはイスラエルに連れ去られ、誰も彼らの運命を知りません。翌日何か、我々が知らないことが、起こりました。ガザの多くの戦士たち、おそらくはイスラム聖戦機構でしょうが、境界の向こう側でイスラエル兵士一人を誘拐しました。 伍長ギラッド・シャリットです。その話が広まっていますが、最初の誘拐ではないのです。その後、イスラエルのガザ攻撃の激化が続きました。繰り返してはならないことです。それが事の真相です。
 次の段階は、ヒズボラがイスラエル兵士二人を、いわゆる境界で誘拐したことです。この公式理由は、ヒズボラが[イスラエル刑務所に捕らえられている]囚人解放を目指しているというものです。多分二−三人でしょうが、一体何人かは誰も分かりません。公式にはレバノン人の囚人三人がイスラエル刑務所にいるとのことです。伝えられるところによれば、数百人が失踪しているということです。彼らがどこにいるのか知るよしもありません。
 しかし本当の理由は、アナリストもほとんど同意することだと思います(『ファイナンシャルタイムズ』紙でそのうち読むことになると思います)が、私の目の前で起こりうることです。「攻撃のタイミングと規模から推察すると、イスラエルを同時に二正面で戦わせることで、パレスチナ人への圧力を減少させることを幾分かは意図したものだった」。この地域に詳しいデビッド・ハースト氏は、それを苦しんでいる人々との結束を表明するもの、決め手となる衝撃であると描いているのだと、私は今朝、思いました。
 いいですか、非常に無責任な行動です。そのせいでレバノンは可能な限り、確かに非常な恐怖と可能な限りの惨事に見舞われています。それでどんな結果、つまり囚人を解放するという第二の問題あるいはガザの人々との結束のかたちという第一の問題を、達成できるのかどうか(に関わらず、私はそう望んでいますが)、その確率はそう高くはないと思います。

ジュアン・ゴンザレス:
 ノーム・チョムスキーさん、米国の商業メディアでは昨日、レバノンでの戦闘の激化に関してイランとシリアに注目が向けられました。今何が起こっているのかということの大部分を基本的に巧みに操っているものとしてです。レバノンで続いている現実の抵抗運動を軽視し小馬鹿にする類のように思えるような、またイランに注目し再びこれを軽視しようとする、こうした分析に対して、あなたのお考えは?

ノーム・チョムスキー:
 実は我々はそれについて何も情報がないのです。そういう記事を書いている人々が何か情報をもっているのか疑わしいものです。率直に言えば、米国情報局も情報をもっていないと思います。それが本当のところでしょう。実際、ヒズボラとシリアとイランの間にはおそらく関係が、強力な関係があるのは間違いありませんが、その関係がここ最近の行動を起こさせる動機に役立ったのかどうかについて、我々はまったく見当すらつきません。好きなように推測できるのです。あり得ることです。実際、そういう可能性もあります。しかし一方、ヒズボラが自分の動機をもっていると考えるあらゆる理由もあります。おそらくデビッド・ハースト氏や『ファイナンシャルタイムズ』紙その他が注目している事柄です、それも尤もらしく思えます。実際に尤もらしいものはもっとあります。
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2006/7/27

「北朝鮮問題を平和的恒久的に解決する方策について」へのコメント書き込み(5)  時事問題

(お玉おばさんという方のブログの記事「北朝鮮問題を平和的恒久的に解決する方策について」のコメント欄でのやり取りの続きです。)

「北朝鮮問題を平和的恒久的に解決する方策について」
http://otama.livedoor.biz/archives/50548620.html?1153617820

(以下のレスを頂いて)
>「北朝鮮の農業政策が失敗しているようだ」という情報はTVなどでも流されていますが、その実体は全く我々には分かりません。その上、農業の専門家でもなければ、復興支援の専門家でもない。状況も正確に掴めない、技術的な事も分からない私たちが、詳細議論をしても空想上の議論にならざるを得ず、意味のあるものになりようがないのです。

(僕の返信)
なるほど、それはそうですね。
それでは、日本、韓国、中国、ロシアなどの周辺諸国の農業、産業の専門家を集めてまずプロジェクトチームを立ち上げるのはどうでしょう。それで北朝鮮との6カ国協議が再開された折には、北朝鮮政府に対して、そうした専門家による農業、産業の実態調査を行うことを申し入れてみる。たしかに正確な情報がわかりませんからまずそれを把握し、専門家の調査に基づき、北朝鮮の農業、産業の復興プロジェクトの案を立てる必要があるのかもしれません。
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