2006/9/25

音と心  雑感

 時が意味しているものは何なのか..それは起こっている出来事の全てを単純に包括してしまうものかもしれません。そこで何が起ころうと、誰が何をしようと、誰もそれを思い起こすこともない時が来る..それでいて、この瞬間の自分とそれを取り囲む状況は明確に存在する。

 音の世界は、それを淡々と示し続けているような気がします。強い存在感を伴いながら、瞬時もとどまることがありません。音とともにあるとき、人は自分自身の存在の意味に触れる可能性を与えられているのかもしれません。

 音という現象の意味を知るとき、一層自分自身とのつながりを知るようになるように思います。音が聴こえてきて、それを感じる。耳で聴いているという意識を忘れて、音そのものに集中するとき、音がどこに流れ込んでいるか知ることができるかもしれません。

 それはあまりにもストレートに、瞬く間に心に注ぎ込まれていくので、何が起こっているか感じることさえ出来ないかもしれません。これは、いわゆる音楽を聴くこととは違います。メロディーがどうで、ハーモニーがどうで、リズムがどうなっているか..何を描写しているか..どんなジャンルか..そういう意識の反応とは違うのです。

 その瞬間に、自分が存在していることの全てがあることを感じる。そういう音との関係です。存在していることのすべてというのは、過去、現在、未来であり、自分が認識していることも、認識はできないけれど存在する事実でもあるでしょう。言葉や意識の真理性も矛盾も無知も含んでいるとも言えそうです。

 今回は、少し小難しい表現をしてみましたが、楽譜もなく、かといって模倣でもなく心に浮かんでくるままにラブフルートを吹くときの状態。それを少し別な言い方にしてみました。こうした表現が、たちまち消え去って、次の瞬間が次々にやってくる。そういう音の世界のことを表現しようとする試みの一つとご理解いただければ幸いです...。
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2006/9/22

小さな庭のみのり  雑感

 リサイクルトランク池の金魚たちが来たころの倍以上に成長して元気に泳いでいます。水位が下がったときに少しだけ水を足してあげただけで、まったく水交換はしていませんが、水はきれいで金魚は元気いっぱいです。メダカもかなりたくましくなっています。

 わずかな水草が命を繋いでいるのです。真上のブラックベリーは来訪者のみなさんの口に届けられています。次々と色づいて食べごろになりますが、当たり外れがあるのが面白いところです。わずかな植物が、随分と豊かさを届けてくれます。来年はぐんぐん成長しているレッドとイエローも収穫できそうですから、話題も人も広がるような気がします。

 プルーンはいよいよ収穫できそうです。たわわに実をつけています。狭い小さな庭ですが、それなりににぎやかです。そこに新顔が加わります。イチジクです。北海道では育たないと思っているのですが、お花屋さんが大丈夫ですよ〜とおっしゃるので、好奇心で買ってきました。二つだけ実をつけてますが高さは30センチ程度です。果たしてどうなるのでしょう。

 収穫ついでに、もう少し話題を付け加えて見ます。立派に育ったフェンネルの実をお茶にして楽しんでいます。紫蘇の葉はジュース。紫蘇の実は青南蛮と合わせた醤油付け、甘辛い味噌漬。バジルはペーストにしてグラタンやピザやパンに塗ります。ミントは積んでお茶に。ヒソプも積んでお茶にします。タイムもオレガノもレモンバームもカモミールもお茶にします。これで冬は暖かいお茶を飲みながら楽しめそうです。

 猫の額ほどの庭に、こんなに豊かな世界があります。小さな苗を大切にしていると、土と雨と光で十分に育ちます。なんとも不思議なことです。

 しかし、不思議なのはハーブたちだけではありません。この小さくて狭い工房に来てくださる方々もまたユニークです。ビッグドラムを叩いたり、ハンドドラムを叩いたり、フルートを吹いてすっかり楽しんで帰られます。

 声がかかればフルートを吹きに出かけ、希望があればフルートを作る。時に一緒にレッスンを楽しむ。これしかやってません。自分はこの近辺からほとんど動かないのですが、いろんな方たちがやってきてくれますので、自分が動いてるのと同じ感じになります。明日はおだやかな秋の日差しがいっぱいだそうです。それぞれに秋を楽しめるといいですね。
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2006/9/15

スパイダーリリー  雑感

 もう駄目かな..と思っていたスパイダーリリーが咲きました。その目の前に大きな蜘蛛の巣までありました。生まれて初めてお目にかかるスパイダーリリーは感動ものでした。なんとも繊細、純白、オシベの可憐さは、仕組まれてるとしか思えない..

 このところ秋のすがすがしい日が続いていましたから、まさにこの時を待って咲いたのでしょう。よく知られているユリの葉や茎とはぜんぜん違っていて、どちらかというと蘭に近いように思います。形は、確かに名前のように蜘蛛が足を伸ばしているようにも見えます。誰が名付けたかわかりませんが、あまりふさわしいとは思えません。だったら、自分で名前を付けてみようと思うと、これまた言葉が浮かんでこない...

 巧妙かつ繊細なくもの巣を張り巡らす、その蜘蛛が作った花という意味なら、少しわかるような気もします。透明感のある、どこか儚げで繊細なユリとの出会いは、心の奥にそっと優しさが届けられたような気持ちになりました。
 
 しかも、スパイダーリリーは翌日、すぐ隣にもい一輪咲いていました。できすぎた話ですが、今度は緑色のおしゃれな蜘蛛が花のすぐ下にいました。やはり、この花は蜘蛛が作った..そんなおとぎ話が生まれてきそうです。

 二つ並んだスパイダーリリー。並んでるというのは、何処となく嬉しいものですし、いろんなことが心に浮かんできます。嬉しいことに、小さなつぼみがまだありますから、もう少し楽しみと喜びが続きそうです。

 風のない、静かな秋の朝。小さな庭のひとこまでした。近くには、次々と熟し始めているブラックベリー。工房の裏では確実に色づき始めているプルーンたちがいます。時折、マオイの丘に旅立ったハナミズキのことを思い出しながら..ゆっくり秋と過ごしています。
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2006/9/13

トンボ、蛙、トウモロコシ  雑感

 繋ぎトンボやひとりトンボ?が秋空を元気よく飛び回り、足元にはたくさんのアマガエルたち。そして周囲はトウモロコシでいっぱい。
 
 この10月始めに予定している「秋・であい展」の来客用バーベキューの食材を準備するため、急遽予定を変更して出かけることになりました。ジャガイモはなんとかなるけど、トウモロコシは?と思案していたのですが、打ち合わせの途中で立ち寄ったケンGさんの工房で、出荷後の残ったトウモロコシをいただいたのです。もしできたら、今度のイベントのために少しでも手に入ると嬉しいな〜とつぶやいたのを聞いて、早速畑の持ち主である大家さんに話してくださったのでした。

 快く了解してくださったので、そうとなったら、少しでも味が落ちないうちに!ということで、すぐさま出かけたというわけです。50〜60本あれば、切って分ければ何とかなるだろうということになりました。実入りのよいトウモロコシは商品になるけれど、それ以外はトラクターでつぶして肥料にするのだそうです。

 食糧難の人たちがいるのに、もったいないね〜と話しながら、収穫していると、自分がどこにいるのか方向感覚がなくなっていました。声を出してお互いの位置を確かめながらの収穫でした。周囲をぐるりとトウモロコシに囲まれていると、大地の恵みをしみじみと感じました。満たされている...与えられている...働く人たちがいる..そして自分たちはトウモロコシを食べられる。青い空に白い雲、刈り取りを待つ水田の稲たち、うっすらと色づき始めた木々。美しい農村風景は豊かさのかたまりです。軽く汗を流しながらの収穫は楽しい時間でした。

 ところで、あのトンボたちは、どうやって連れ合いを見つけるのだろう?見てると、どれもおんなじトンボにしか見えない...。やっぱり好みとか、相性とかあるんだろうか?のら工房さんとの会話でした...。考えたら、ケンGものら工房も僕も、み〜んなひとりトンボでした..。
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2006/9/9

星のような物語  雑感

 写真を撮る生活からしばらく離れていたのですが、最近すこしうずうずしはじめています。野鳥、花、風景、人物、動物、静物..色んなモチーフと関わって来ましたが、いま自分の目と心はどこに向いているのだろうか。

 そんな矢先に、素敵な写真集に出会って..買ってしまいました。ぎょうぎょうしくなくて、価格も手ごろ..なによりも一枚一枚の写真が生きている..思わず涙がでそうになりました。僕らはみんなでこの地球に生きている..生かされている..。動物という言い方が、ひとつの時代の表現にすぎないことを痛感させられました。彼らと自分たちは、ずーっと繋がって生きてきたのに、いつしか人間は自分たちが優れた存在であると思い込まされ、一方的に世界を作りあげようとしてきたのではないか,,。

 仕事を終えて少し時間ができると、近隣の書店で3〜4時間じっくりと書棚を眺めては、ゆっくりと手にとってみる。そんな時間の中で見つけました。

 世界中に物品を広げ、売りまくり、手にした巨額のお金で巨大な高層ビルを建て、競い合う。勿論、それはごく一部の人たちの動きではあるけれど、そうした思い込みが引き起こすものが何なのか気づくときがくるのだろうか。そんな自問も生まれてきました。

 誰が、どこで写したのか..そんなことを思い起こすこともなく、そこに写されている世界と直接向き合う時間。そこから生まれてくるものをそっと見守りたい。そんな写真集と出会えたことがとても嬉しく思いました。生かされていることを素直に感謝できる時間、すーっとその世界に溶け込んでいけそうな静かで豊かな写真たちでした。

 絵本や写真集をブックスタンドに立てて、一頁を気の済むまで何日も眺めては、やがて別のページをめくる。それは必ずしも順番にではありません。そんなことをはじめて20年近くなりますが、いまだに気に入ってます。そういえば、かつては乱読多読生活でしたが、今は一日数ページ読んではゆっくり考えたり思い巡らすことが多くなりました。

 写真集を紹介しておきます。 

LOVE in Alaska 星のような物語
  写真・星野道夫  小学館  2100円  
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2006/9/8

イーグルフルート  ラブフルート

 恵み野キャニオンについ先日も新しい体験者が訪れました。この一週間で3人目の新しい訪問者です。イメージがかなり先行していて、ちょっとがっかりだったかな〜と思いながらも、音の魅力で十分埋め合わせできたようでした。
 
 ここは散歩したり、小川で遊ぶ子供たちがいたり、いろんな犬たちが通過します。ここで演奏していると、地下街やつ路上でギター片手に歌ってる若者たちの仲間入り気分?挨拶したり、立ち止まって聴いてくださる方、何度も振り返る犬たちもいます。ヨチヨチ歩きの子供から、ひたすらウォーキングに汗を流す老人、自転車で奇声を上げて通る子供たちと出会います。坂を降りかける途中に桂の木があって、ゆっくり色が変わり始めています。トンネルの向こうの景色は、生きた絵のように楽しめます。
 
 そこに3人の小学生の男の子たちがやってきました。調度イーグルフルートを吹いていたのですが、その姿を見て、刀みたいでかっこいいな〜と言いました。そこで改めて、音を聴いてごらんとお話して吹き始めました。それは、見た目とはぜんぜん違う、やさしく、深く、静かな響きです。

 すると、子供たちの表情が変化し、驚きと感動が手にとるように伝わってきました。すんごい!わーっ!これいくらするの?ほしいっ!いい音だな〜と。矢継ぎ早に感想が口をついて出てきました。学校のは、プラスチックだから..こんないい音しないな〜と。

 私は私で、木の素朴な笛の音色に感動する子供たちの反応に感動していました。すっかりラブフルートの音色に魅せられた子供たちとの時間は、これから自分がどこに向かって吹いていけばいいか..ひとつの方向を感じさせてくれたように思います。
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2006/9/7

最初の一粒  雑感

 ブラックベリー最初の実りを食べたのは、久々にお会いしたK.Yさんでした。この日は、レッスン日でしたから他に4人。中には初めて口にされた方もいました。この時は嬉しかったです。まずは来てくださる方たちに食べてもらいたかったからです。

 桜が散って、桃が咲いて、しばらくしてピンクの美しい花が咲きました。それがやがて実を付け始め緑色から、次第に赤紫になり、ついに9月に入って少しずつ濃い紫の実になり始めました。それを口に入れるのです。たくさんの雨と光と土の養分を得て初めて実ったのです。パクッと一瞬で口に入りましたが、いろんな物が詰まった一粒でした。

 実を口にしている姿を見ながら、その方と初めてお会いしたときのことを思い出したり、工房作業でへとへとになった後でブラックベリーの棚を作った時の暗い空も思い出しました。あの時は春、今は秋の入り口。なんとも季節に沿った色彩になるものです。

 冷たい風が吹き始める頃に、夏の日差しをたっぷり浴びて育った木の実。それが十分に熟すころには冬の予感がしてきます。

 10月に予定している作家たちの「秋・であい展」打ち合わせのために長沼のマオイの丘に出かけたとき、嬉しい出会いがありました。菩提樹=リンデンの種がカントリーバーンさんのテーブルに乗っていたのです。葉っぱと実が一緒になって、くるくる旋回しながら落ちてくるのです。風が強いときはかなり遠くまで飛んでいきます。

 お店の裏には菩提樹がいっぱいあって、花の頃には柔らかくてあま〜い香りが漂うっていたのだと思います。まるで木の実が踊っているようなリンデンの種はすっかりお気に入りになってしまいました。

 帰宅して、確かいただいたリンデンティーがあったなと思い出して箱を見ると、同じ姿が描かれていました。それは花のころの姿ですが、特徴があるので良くわかります。菩提樹のブログを読まれたラブフルート繋がりの方がプレゼントしてくださったお茶でした。昨夜も、今夜もそのほのかな甘い香りを楽しんでいます。昨年摘んだクローバーティーのほのかな甘い香りに似ています。
 
 先日こられた東京の方からラブフルートの製作依頼があったのですが、それは菩提樹のフルートでした。菩提樹の実のアクセサリーを持っているので、おそろいで..ということでした。

 これに加えて、打ち合わせのために同行した未来路工房の方も、腕に菩提樹のアクセサリーをしていました。菩提樹の輪は静かに広がっています。まるで菩提樹どうしが呼び交わしているようです。

 工房では、宮城、東京、福岡、札幌行きの菩提樹ラブフルートが着々と旅立ちの準備をはじめています。このフルートを手にしたときの、なんともいえないあたたかさとやわらかな肌触りが印象的です。その音色は背後から全身を包み込むような不思議な感覚があります。

 菩提樹の種を埋めておくと、ちゃんと芽を出すんですよ..と聞いて、どこかに植えてあげようかなとも思うのですが、この春に見たシウリザクラも実をつけているころでしょうから、大変なことになりそうです。狭い土地なのに、いろんな木が生活していますから、同居人を増やしてよいかどうかよくよく相談してからのほうが良さそうです。
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