2009/8/31

かえる  ラブフルート

 かえる。そんな言葉がポツリと心に浮かびました。帰る、変える、返る。他にも文字はあるけれど..。自分の中では、「帰る」が浮かんでいました。自分の命の原風景は道東の町。ふるさと(美幌)がそこにあります。

 今回、網走でのライブのために足を運んだ道東は、これまでとは違う感覚を呼び起こしました。亡くなった母の生まれたサロマにも立ち寄りました。目の前には広い湖と空だけ...。素朴で美しかった。

 夕焼け色の湖面と雲の繋がり。無数の星たちが歌う夜空の美しさは、これからの旅路にも、ときおり甦っては、何かを伝えてくれるような気がします。
 
 原生花園に足を延ばし、そのオープンスペースの見事さに、しばし言葉を忘れました。自分の立つ大地が、空と水に包まれていることを告げる風。そのささやきにそっと耳を澄ませました。

 僕はここで眠りたい...。この北の大地、東の果てが魂の住み家なのかも知れない..。観光地の看板を掲げ、人や金を集めようとする..そんなやりかたを誰が始めたのだろう。静かで何にもないけれど、ひとつひとつの美しさや、喜びや、暖かさを感じられる場所がいい...。

 岩や巨木に名前を付けスポットをあてる。こういう自然との関わり方からは決して聴くことのできないメッセージ。それは、人目には寂れていると感じるようなところに届けられているような気がします。

 黄色い布で作られたリュックに太くて短いラブフルートを入れ、サロマ湖を一望する山に登り、ひと吹きしました。目の前を吹きわたる風と一緒に木の響きが流れて行きました。このわずかな時間で十分心は満たされ、ライブへの準備を終え、会場に向かいました。

 向った会場は、卯原内(うばらない)の鉄道記念館。背後にはサンゴ草が色付き始めていました。そこでは、色んな繋がりでやって来られた方々との出会いがありました。遠方から来られた方にはとりわけ頭が下がりました。ラブフルートの生演奏を聴くのは初めての方がほとんどだったと思います。ライブ後のワークショップも、時間が遅かったにもかかわらず熱心に参加してくださいました。とても楽しい時間を過ごすことができました。

 セットアップしてくださったYさんご一家。ありがとうございました。Yさん、後片付けの時はちょっとめまいが..と口にしてましたが...。打ち上げのたくさんの料理に熱い思いがいっぱいでした!また、いつか..今度は、ご希望に合わせて明るめで参加型の時間もたっぷり取りたいですね...。
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2009/8/26

ラブフルート四重奏?  ラブフルート

 今月の初めに開かれたラブフルート・ワークショップin余市の一こまをラブフルートリング (http://love-flute.blogspot.com/)のブログに掲載しました。

 音のバランスや、音程の不安定さは、初心者を含めた演奏ということでご容赦ください。逆に言いますと、初心者もこんな風に楽しめるということでご理解いただければ幸いです。

この他にも動画はあるのですが、参加メンバーが自由にユニットを作って即興で演奏を楽しむという時間では、大きく二つのグループが出来ました。それぞれにユニークで楽しげなスタイルが印象的でした。

 色んなスタイルで、メンバー構成に合わせてワークショップを続けて来ましたが、余市では今回の動画やワークにはない自由に吹き交わす時間が、なんといっても楽しげでした。よくも、そんなに笛ばっかり吹いていられるな〜と呟いてる自分がいました。人間とは笛を吹く生き物という分類も成立しそうな雰囲気でした。

 遅ればせながら、ワークの一こまを掲載させていただきました。

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夏の空・工房の真上にできた光のリング
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2009/8/20

秋いちばん  雑感

  いつのころからか、折りたたみ自転車を車のトランクに入れて、好きなところで組み立て風を感じながら移動するというスタイルを続けて来たのですが、折りたたみ自転車も3台目になりました。一年が慌ただしく過ぎるようになって、なかなか乗る時間が取れないままでしたが、先日ほんの少しだけ気分転換に川辺のサイクリングロードを走ってみました。

 肌に感じる風が秋の気配で、周囲の草花も秋を先取りしていました。ススキこそまだ開いてはいませんでしたが、いつでも秋の主役になれる感じでした。

 お気に入りのバッグにちょっと短めのフルートを入れて、よさそうな場所を見つけ、おもむろに取り出して息を注ぐ。これだけで十分満足でした。夏の花たちも嬉しいのですが、秋の花たちは一層心を動かすように感じました。

 カメラを背負っていたのですが、撮るより感じる時間のほうが心地よかったのでシャッターは切りませんでした。

 束の間の自転車時間を終えると、黙々と工房での作業に戻ります。60数本あったオーダーフルートも40数本になり、さらに集中して製作に打ち込みたいと思っています。ここ2週間ほどで、16〜17本のフルートが旅立つ予定です。どんな風に乗って飛んでいくのか楽しみです。

 新しい樹種のフルート製作もゆっくり準備を始めています。イチョウ、イヌマキ、ローズウッド、アカエゾマツなどの響きがどんな世界を見せてくれるのか楽しみです。樹種の他にも、新しい響きを生み出すフルートの模索も続いています。さらに、新しい方々との出会いも始まっています。

 どんな実りの秋になるのか...どんな風に色づいていくのか...それぞれの秋の序曲が始まっているようです。
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2009/8/11

木々の響き  ラブフルート

  きょう新しいCDが発売開始になりました。この春、音へのこだわりや木の笛の響きについて、いろいろ思っていることをお話しする機会がありました。資金力がない僕の思いを聞いた、レコーディング会社の方が声をかけてくださり、思いが動き始めました。

 50本のフルートを持ち込んで、直感だけで吹き始め、録り貯めるという作業が何回か続きました。笛一本で何が生まれてくるのか...。格別な方向性もなく、気ままに吹きながら..好きに吹きました。

 格別ネイティブ・アメリカン風を考えず、木の響きに誘われながらの時間になりました。何かを模倣したり、意識的なリズムもなく、野山や森や川辺を気ままに散歩する。そんな中から生まれてきました。

 僕は風になりたい...録音作業の途中で何度もそう感じました。きちんと、まじめに音楽を捉えている方からすれば不謹慎の極みなのだと思います。ちょっとうわずったり、さがったりする音程を無理やり強制することもなく...。なんの鍛錬もない、粗野で、不規則で、不安定....。そんな批判を浴びるだろうことを知りながらなぜ、敢えてそんな表現するのか...。

 音楽を精緻な数学の世界と結びつけ、周波数を計測し、調和を図る。ハーモニーを大切に、個々の楽器との調和を図る。規則的な音程の中で、特定の価値観を表現し、それを称賛する...。その不思議な自負心や優越意識が、どうにも居心地が悪くなって来たからなのでしょう。

 ふわっと舞いあがり、くしゃっと踏みつぶされて、いつしか土にかえる木の葉。そんな自分で十分満たされ、感謝も自由も喜びもある...。おびただしい人の言葉や価値観の主張が一滴の水滴のように土に浸み込み、いつしか空に舞い上がり、やがては地上に降り立つ。

 自分に与えられた呼吸が木々の細胞と触れ合い、彼らが辿ったであろう未知の時間と経験が響きとなり共鳴する。そこには人がどれほど経験や知識を誇っても決して知りえない深い知恵に満ちたささやきがある...。その世界と触れ合う、何気ないきっかけになればいいかも知れない...。

 そうやって一枚のCDが生まれました。ジャケットのデザインのために精力を尽くしてくれた方々。彼らと一緒に久々にカメラを担いで自然の中で楽しみました。木々の響きと愛の笛の物語をグルグル廻りながら、それぞれの心の世界が広がり繋がっていく...。そんなイメージが形になりました。

 それぞれが与えられた力を合わせて、生まれたCDに感謝です。

 蘇った木々の息吹きが、新しい風になって木々を揺らし、木の葉の歌が空に響き渡りますように...。

せせらぎの響きや小鳥たちの歌が、私たちの心を喜びで満たしてくれますように....。

降り注ぐ光が賛美し、降りてくる雨たちが空を舞い、月や星の光が心を満たしてくれますように....。

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関心のある方は、ブルーレイバンクリエーションまでメールでお知らせください...
メルアド=ravenono@basil.ocn.ne.jp
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