今までにも音色と色のことを考えたことは何度かありましたが、最近取り寄せたパープルハートという木を通して、改めて色について考えるきっかけができました。切り出された時は茶色なのに、光にあたり始めると濃い紫色に変化し始める木です。
どうみても着色したと思えるような見事な発色です。近隣の長沼町で開かれた展示会のために用意した素材でした。およそ、これまでのラブフルートのイメージとは異なる存在であり、好みがはっきり分かれる色ではありました。
このパープルハートのラブフルートが一気に5本旅立ちの準備を始めています。この木の切りくずを集めて染めてみると、触媒にもよりますが美しくやわらかい紫色に染まりました。
求められた方々には、それぞれの意味や考え方がありますが、パープルハートの色が好きだという共通点がありました。なかなか硬い木なので、加工は厄介ですが、音の響きは意外にまろやかで透明感があります。
色彩がもたらすイメージと響いてくる音色、そしてそれを吹いている人。この組み合わせを楽しみにしています。パープルハート・ラブフルートと一緒に旅を始める方々から、いろんなことを感じさせてもらっています。
新しい秋を迎えて、響きを生み出す笛作りの難しさと、奥深さを一層感じています。じっくりと対話しながら、時間を掛けて製作し、いろんな思いの中でお渡しする。この素朴な流れの中で、気づかされたことをゆっくりと新たな笛の中に生かしていきたいと思っています。声を掛けてくださった方々に、改めて感謝しながら、美しい秋を迎えています。池の金魚は丸々と太って元気です。
昨日、庭に実ったプルーンの実を3個ほど食べた時、木が大地と空に繋がって生み出された果実の豊かさと恩恵を強く感じました。自らの、息を注ぐたびに、命の豊かさを感じられる響き...そんな笛が産声を上げる工房になれたらいいな...。