2006/2/5  0:31

シウリザクラ・フルート  ラブフルート

 名前を知って以来、どんな桜なのだろうと、ずっと気になりながらシウリザクラ・ラブフルートを作ってきました。あれこれ探しても、なかなか写真付きの資料に出会えないままでした。幹は分かっても、葉や花や実際に生きているシウリザクラはしらないままでしたから、資料を見つけたときは嬉しく思いました。
 
 せっかくですから、資料に掲載されていた内容を転載してみたいと思います。
「木の名前」岡部誠 著・婦人生活社
シウリザクラ バラ科・サクラ属
別名/和名 シオリザクラ、ミヤマイヌザクラ
学名 Prunus ssiori
特性 落葉高木
原産地 本州中部以北、サハリン、中国
鑑賞期 花期6月、果期9月
用途  修景樹
由来 和名は種小名同様、アイヌ名に由来します。属名はスモモのラテン古名によります。葉の基部が心臓形であることから、他のサクラと区別できます。
メモ 北海道に多く自生し、寒冷地の緑化修景樹に適しています。高さ15M

 それこそ桜色の花を想像していたものですから。あれっ?という反応でした。
随分地味な印象で小さな花がたくさん並んでいます。ちょっとした野草の花に似た印象です。今年は是非、本物の花と葉と木を見てみたいと思っています。ミヤマイヌザクラとも呼ばれているようですから、犬年に出会えれば記憶に残りそうです。

 いわゆる桜色ではなかったのですが、どちらかというと、こういうおとなしい静かな感じで良かったなと思っています。そして音色と花のイメージが繋がっている..と感じました。

 現在演奏に使われているシウリザクラのマイフルートは「愛の笛」という曲のために作られたフルートです。逆に言えば、このフルートの音色から生まれた音の流れが「愛の笛」という名前と繋がったのです。

 「愛の笛」という絵本については先のブログの中で紹介したことがあります。その中に現れる果敢な戦士・若者は4本の矢を放って、ついに愛の笛にたどり着きました。何を射るともなく空に向かって放たれた矢は、彼を導くように空に留まり、やがて川の近くに落ちました。

 内向的な自分の性格に苛立ち、行き詰まり、嫌悪感を抱き、投げやりになり、どうでも良くなってしまった時..彼は矢を放ちます。なんとその矢は空中に留まったままでした。彼はそれを追いかけて河辺にたどり着き、一晩を過ごします。それを繰り返していた彼の姿が教えてくれることがあるように思います。

 それは目を天に向けることではないかと...。それは自分に与えられた道を尋ね求める姿であり、示された方角に向かって歩き出すことでもありました。それは単調な繰り返しのようでありながら、なんと備えられていた愛の笛を見出す道のりだったのです。

 それは派手なプロポーズが苦手だった若者に用意されていた愛に至るためのプロセスでした。愛する人との出会いを用意していてくれる天から与えられる印。その心の思いを奏でる笛。彼は野山の自然や動物たちの鳴き声を真似ながら、心から思いを歌い、伝えて生きる道を学び笛を奏でたのでした。

 追い詰められた人生、行き詰まる心。天に放たれた矢が導いた4日間。4の数字はすべての方角を象徴しているのでしょう..人生に備えられたあらゆる道を辿り、ついに心が望むものを与えられ、それを手にし、自分を取り囲む世界から奏で方を学ぶ。これはとても象徴的な内面の旅のプロセスではないかと思います。

 空を見上げ、夕べには暗闇の中に星空を見上げ、朝ごとに旅立ち、素朴な笛を与えられ、その奏で方を自然から学び、ついにその心の思いを笛の音を通して伝える。この時の笛は杉の笛でした。

 若者が思わぬ形で与えられ、学んだ笛。この物語を伝えるフルートが、何故シウリザクラだったのか。この花と出会って、なるほど..と思います。何度吹いても、密かな問いかけを感じさせる笛です。いつかシウリザクラの花の頃に、笛を吹く時が来るのかも知れません。



トラックバックURL




Copyright (C) GMO Tea Cup Communication, Inc. All Rights Reserved.