日本相撲協会の辞書には「人権」という文字は無いようだ。時津風部屋でおきた序の口力士への暴行致死事件における日本相撲協会の対応と事件の当事者である時津風親方の態度を見る限り、この団体がいかに人権を軽んじているかは明白であると言えるだろう。朝青龍騒動のときにも感じたことであるが、日本相撲協会は所属している力士を守るという最低限の雇用者としての責任を放棄し、そればかりか率先して力士を追い詰めることを平然と行う、とんでもない団体なのである。それが今回図らずもはっきりと白日の下へとさらされることになった。それだけのことだ。
相撲の将来は確実に斜陽へと向かっている。新弟子の入門はこれまでも減少傾向にあったのだが、今回の事件を契機に更なる減少もしくは途絶えることになるであろうと予想される。大相撲を実質的に支えている力士の人権上の保護がないがしろにされている限り、相撲の将来は暗い。
日本相撲協会を抜本的に改革するのには、まず法的知識を備えた者を協会が迎え入れることからはじまる。これまで人権意識など一切もたなかった(もしくは軽んじていた)日本相撲協会にそれを徹底させるため必要なのは、法による支配しかありえないだろう(法律家の存在こそが現在の日本相撲協会にとって必要なのである)。これまでの日本の相撲とは、法から隔絶したところに位置した、いわゆるアンタッチャブルな存在であった。だがそれは今回でおしまいであるし、そうならなければならない。無法者集団の大元である日本相撲協会にきっちりと法の鉄槌が下ることを望みたい。