9月9日の朝は爽やかだった。
芭蕉の句に望郷の念を抱きながら日本海を北に進んだ。
地図には男鹿半島と文字がある。車は海沿いから離れることなく半島の先端を目指していた。
左側に続く岩場の風景、釣り道具を積んでいないのを残念に思う。
この半島を一周しよう、慌てるたびではない、心の疲れを癒すために来たのだから。
水族館の看板が目に入る、駐車場には一台の車も無い開館前だった。
しばらく待って入館する。受け付けのおねえさんはどう思ったろう。
平日の朝、青年期をややすぎた男が一人で水族館を訪れる。おそらく気持ちの悪いものを感じたことだろう。950円の入館料
水族館の中の様子は記憶に無い、車の中で地図を、目の先は能代から内陸に入る国道7号線を睨んでいた。
この辺まで来ると、山梨ナンバーを見るだけで珍しい。地図の上では単調な道のりに見えるのだが、実際は違う。
この旅出始めて迷子らいい迷子になる。だれかに聞こう・・と思っても、人影が無い。そんななか、一人のおじいちゃんが目に入る。
車を降りおじいちゃんに駆け寄る。
「あの〜すいません、能代に行きたいんですけど、どう行ったらいいですか?」
「ぅだがぁ〜のすろさいぐには・・ヴぁq:fん」qska@ksk曲がって、zs:hdwhdwさだ〜」
別段大げさに書いたわけではない、本当にわからないのだ。
わかったのは、のすろと曲がってだけだ・・私は
「あ・・はい・・ありがとうございました?」
とこれ以上聞いても無駄だと思い車に乗った。
とにかくこの先を曲がろう、今度は、なんか人工的なものを感じる水辺に出た、地図を見ると、八郎潟調整池と書いてある。
だだっぴろい、中央分離帯も無い道が続く。
なんとか能代市に入る、ハンドルは右に切られ一路大館に向かう。
時計は午後1時半をさしていた。
川沿いの道を東に進む、道端の標識が見慣れない形をしている、電話ボックスもやけに高いところにある。この辺は冬になると深い雪に覆われるようだ。能代から大館までは2時間近くを要した。
象潟からは250km・・そろそろ宿を探すか・・
大館市内のグリーンホテルに宿を取る。秋田県といえばキリタンポ・・
フロントで聞く・・・フロントマンに訛りは無かった。
紹介された萩というキリタンポ屋に行く、キリタンポ鍋を進められた。味はよく覚えていない・・
例によって隣の男二人連れと意気投合!またまた二次会に引きづられて行く!
Memoryという看板のお店、どんなお店か覚えていない。帰ろうとすると、また拉致された(笑)今度は「京」というパブだ。
知り合った男の人たちも、そのお店にいた若い女の子達も、私と話すときは標準語に近い。しかし、地元の人同士の会話の時は、フランス語訛りになる(笑)
いっさらわからんのだ・・私の一人旅の話を聞いて興味を持ってくれた。
パブに来ていた二人連れの女性はとても綺麗で垢抜けていた。隣に座りウイスキーを啜っていた。
3軒もハシゴをするとさすがの私も酔ってしまう。後のことは記憶に無い!
翌朝ホテルのベッドで目を覚ましたわけだから無事に帰ったのだろう。
いよいよ今日は旅の最終目的地
竜飛岬
に着けるはずだ。旅を始めて6日目の朝だった。
(つづく)