
なくしものをしてから
早いもので半年になる
とても気にはしていたが
いつの日からか
何をさがしているのか
わからなくなった
よくかんがえてみると
はじめからなくしものなどは
なかったような気がする・・

雪雲が今日も流れる
青空のキャンバスに
私は黄色の絵の具を
そっとのせてみる・・
あたたかい風に誘われて
まもなく水仙が咲き匂い
菜の花畑が広がっていく
見失わないよう手を添えて
移ろう彩を描きはじめていく

はじめからなくしものなどは
なかったような気がする・・
夢と現を彷徨っていた気がする

はじめからなにひとつなくさず
なにもかわらずにあると思うと
みんながもどってくる気がする・・

そう思ったら菜の花畑や水仙が・・
移ろう彩が見えるようになってきた

それから しっかりあるきのことはと
よちよちあるきのよつはも見えてきた

それから ゆうは 母さんや父さんよりも
いっぱいな幸せに向かっている気がする
だから何も心配しないで前に進みなさいね

やまざくらが咲いたらみんなで逢いに行こう
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滑川の流れに
古の生き方を重ねる
浮き沈む世の中で
ちりぬるをの光と影

声かけに振り向けば
下駄音止まり頬染める
恥じらいの光の中で
戸惑うお前がいと愛し

我が背に寄り添う音
愛おしく肩越しに聞き
行く人や来る人は
ふたりの微笑みを羨む

11

いつか散るであろう葉が
師走の風に揺れている
見上げた青空の中で
滲んだり溶けたりしながら
微睡みながら揺れている

風に揺られて
微睡む葉
光と影の幻想

あの人は
マフラーを
揺らしながら走ってくる
「ごめんね」
あの人はいつも遅れてやってくる
僕は「そんなに走らなくていいよ」
と笑いながら迎える
そして
二人は時間を忘れて
穏やかな昼下がりを過ごす

やがて
夕日が草原に楠の影を伸ばし
僕たちの影もその中に溶けていく
あの人は夢の中で
「ねむくなったわ・・・」と言う
これが会話の終わりの合図
「もうそろそろ 帰ろうか」
と夢の中で応えて
僕とあの人はこの丘から麓まで
手を繋いで帰る・・・

風に揺られて
微睡む草原
赤と黒の幻想

7

息を大きく吸う
それから
ゆっくりとはく
朝の冷ややかさの中で
僕は次第に目覚めていく
両手を大きく広げて
たまには
深呼吸をしてみないか
たまには
止まって
空を見上げてみないか

温かい風とともに
僕の手が翼になって
空を飛びはじめる
広い空をのびのびと
自分の足で歩いている
とても愉快で居心地がいい
だけど だけどね やはり
僕は地面をすれすれに
飛びたがるようになってくる
そして やがて
みんなと一緒に地面を歩きはじめる

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