親知らず、が痛い。抗生物質を呑む羽目になる。歯科医の控え室。普段、気にも留めない雑誌を手にし、自分の番を待っておりました。誰と誰がくっついた。別れ話しによくある痴話沙汰。読み継ぐ気持ちが起こらない。おやっ?、そこには馴染みの作家さん。こんなところにも、その心を切り売りするかのような随筆を編まれておられる。悲しい、かな。その文章が、この心根に届かない。僕が阿呆、なのか。あまりにも世間では有名らしい、僕の幼き頃からの通俗雑誌。ゆえの体裁なので、そのイメージに囚われた僕の、この心根が「阿呆」だということなのだろうか。だから、その一文一文が、そこへ滲みこまない。歯が痛い、せいばかりではないだろう。いつもは誰と誰がくっついた、なんて有名人の恋愛劇に興味なんてこれっぽちも無いくせに、今日は厭にその雑誌の佇まいが、気になった。僕も僕。そんな恋愛事象の最中で生きてきた。同じようなものさと、僕が僕に呟いていた。