今、この瞬間の自分は、次の瞬間もう過去の自分になっている。人も動物もあらゆる物が、流れゆく時の中で存在している。自分を客観視するとき、それは過去の自分を見ている事になる。時間の流れで生きている以上、今の自分と同じ自分は存在しえない。
クローンも細胞的には同一でも、存在している時間が違うため、完全に同一であるとは言えない。つまり、今の自分は今しかいないと言う事。そして、今の自分は常に未来の自分が見ている。自分に恥をかかせないように考えてみると少し前向きになれる気がする。
ドラえもんの話で、のび太の宿題をやるドラえもんが六時間後、四時間後の二時間後のドラえもんを連れてきて一緒に宿題をやると言うような話があった。それぞれドラえもんではあるが、同じドラえもんではない。六時間後のドラえもんは四時間後、二時間後も経験も既に経験している。
今いる自分は過去の経験や環境などの上に成り立っている。自転車が好きにならなければ今の私もいない。昔は予想すらしなかった事だが今は自転車屋の仕事をしている。逆に考えると経験の上に、未来の自分が成り立つとすれば今何を経験するべきかという答えも曖昧であっても見えるかもしれない。
今の自分は様々な偶然が重なり合って存在している。今こう考えるのも過去の験があってのことだし、もっと早く考えていればというのは今の自分だから言えること。過去があったから今があることを忘れてはいけない。
毎日、何気なく過ごしているけれどたまにこうして自分の成り立ちを客観視してみるのもおもしろい。そうやって考えると生きてきた時代を振り返りたくなる。それは、またいつかやることにしよう。

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