The Reader (2008)
☆☆1/2
愛を読むひと
あのダウトのメリル・ストリープを差し置いて主演女優賞を取ったケイト・ウィンスレットの映画をチェックしよう〜と思って見ました。
で、嘘でしょっと思いました。
男側の想い出話なので、15歳で童貞を卒業させてくれた初恋の女を一生忘れられん、っちゅうのがスジです。
確かにケイト・ウィンスレットは奇麗だし、演技は良かったと思う。でも、作品全体としての後味はくらべものにはならない。ケイト・ウィンスレット演ずるハナという人物の心理描写は不完全で、納得がいくものではない。ま、これは彼女の演技というよりは台本の問題かもしれません。話そのものが、彼女の目線からではなく、相手の男からのものなので、ということもあるでしょう。男の方だって無条件に愛をつらぬいている訳でもなく、お互いの結論は話さずじまいで、なんで?というのは判らない。
こーいう複雑な心情を描ききれなかった一番の敗因は「英語」で映画にしちゃったこと。このストーリーで説得力を出すには全員ドイツ人の俳優でドイツ語で、ドイツで撮らなければならなかったと思います。そこが残念。
あのね、男の性的趣向はパブロフの犬です。初めていい思いしたその状況にハマる。彼は一生他の女では満足できなくなってしまった。
マイケル少年は純粋だったかもしれないが、ハナはそうではない。関係はハナの都合で一方的に終わり。途方にくれるマイケルはその後、法律を大学で学び、授業の見学で行った裁判で被告席にハナを発見。彼女はユダヤ人を集めたキャンプの看守として裁かれているのでした。
「自分が撰んだ人間が必ず死ぬってことが判っていて、それでも10人撰んでたんですよね?なぜですか?」と裁判官に詰問され、
「だって、このキャンプじゃそれ以上の人数は受け入れられないの。どうすりゃいいっていうの?それ以上は無理っていう人数以上が、どんどん送られて来るのに、あなたならどうしますか?」と逆に質問され、裁判官がぐっとつまるところが印象的。
つまり15のマイケルが愛した、教会の聖歌隊の練習している歌声に感動して泣き、マイケルの朗読してくれた本に感動する心を持っているのも彼女であり、看守の仕事中、火事で燃え上がった建物の中で泣き叫ぶユダヤ人の声を聞いても「だってドアを開けちゃったら村じゅうが混乱するじゃない!判らないの?私はあのユダヤ人達を管理する責任があったんですよ!」と言い放つのも彼女。平和な時に生まれていたら、無害な一生を生きた普通の人間に過ぎなかったろうに。
しかし彼女の人生を台無しにしたものの、本当の正体は「無学」だと思います。無学からくる「自省のなさ」のせい。
21歳も年下の少年をあっさり愛人にするのもしかり。ユダヤ人を見殺しにする事に罪の意識は感じなくても、文盲を恥じ、その事実を周知に晒すよりは無期懲役になる事を撰ぶプライドも、その正体をただせば無学ってことになります。なんか、この映画の公式サイトとかだと、ただ永遠の愛がなんたらっていうコトになっちゃってるところが解せない。
そういうアプローチだから、私としちゃ今ひとつだったと思ったんです。

0