NAT DOVE氏のコラムを再掲します。
ブルースピアノは廃れつつある。現在ブルースといえば、ただ見当違いに大きな音を出すギターソロや、大きな音を出すだけがその存在を示しているとでも言う様なハーモニカがその要素となっている。その理由は、今日の音楽業界や−般社会の動きが原因となっている。芸術としてのブルースピアノは成長を止めてしまっているのである。ブルースピアノは、かつて豊かな生活をエンジョイしつつブルース音楽にもなった楽器のひとつである。ピアノは明るく円熟した音を、そして、よりエレガントな雰囲気をも醸し出す楽器である。ブルースピアニストは、たった−人でもバンドマンになれる。なぜなら、ブルースピアニストは、トラディショナルブルース、R&B、ソウル、シャッフル、ブギ・ウギなど、全てのブルース音楽のビートを創ったからだ。左手のベースラインは、今日のロックンロール、ジャズ、ソウル、カントリーのベース音へ発展している。
かつてほとんどのピアニストはゴスペルも演奏した。なぜなら、ほとんどの教会にはピアノがありそれはその地域で唯一のピアノであったからだ.ゴスペルの父、Thomas A.Dorosey は、初め Georgia Tom として活躍していた。彼は、最も偉大なブルース歌手であるMa Rainyの伴奏看でもあった。そして素晴らしいゴスペルソングを作曲している。
鉄道工事がアメリカを横断するとき、バレルハウスやブギ・ウギピアニストは土曜の夜、労働者たちの集まるサパークラブやフィッシュフライの店、ダンステリアやハウスバーティーなどで演奏したものだった。正にアメリカンカルチャーの一部である。
プギ・ウギバレルハウスピアニストは人々を躍らせる為に演奏した。活動的な左手のベースラインは様々なダンススタイルのビートへと発展していき、アメリカのザ・ボーリングザジャック、ブラックボトム、ザリンデイホップ、そしてかつて流行したツイストで使われている。これらのダンスはアメリカ人の自由な創造精神(知的、哲学的、そしてある程度社会的な)の助けとなった。 このアメリカからの世界への贈り物を学究的に分析するとき、これらは、不滅で、真に価値のある貢献物であるという結論に至る。当初ブルース、バレルハウス、ブギ・ウギは過激な音楽であると思われていたが、これらがそれまでの世界の音楽に革命をもたらし、そして世界の主要な音楽とまでなったのである。