アメリカが北朝鮮に対するテロ支援国指定を解除した。金融危機で世界中に破滅的な影響を与えた解決策は困難と見て、いわばさじを投げ、ブッシュ政権の最後の花道作りとして取り上げたのが、この解除というのだから日本もなめられたものである。
この決定に当たっては予兆があった。重病説が流れて以来、消息が注目されていた金正日総書記が軍を視察したとして20枚のスチール写真を明らかにしたのである。動画であれば、影武者であることであることが各国の諜報機関から完璧にばれることを警戒したのだろうが、最高責任者の所在がわからない国家に対して決定を下せるほど、アメリカもいい加減な国家ではない。いわば出来レースとでもいえよう。
指定解除によって北朝鮮はまずは重油や食料支援を6者協議の相手国に要求してくるだろう。あわよくばブッシュ政権中に国交正常化まで狙っているのではないか。アメリカも経済の混乱を国民の目から切り離すには派手な外交を展開することも視野に入れているだろう。日本が世界経済の混乱時にノーベル賞受賞で浮かれたように、国内問題の無策を隠すためにも何でもありかもしれない。ニューフロンティアが北朝鮮であれば、世界の笑いものである。
しかし、そうしたアメリカの戦略に拉致事件という国家犯罪の追及をしなければならない日本が指をくわえて黙ってみているというのは、麻生政権も何もしない政権に過ぎないという証拠でもある。また、エチオピアでは長崎大学の大学院生が誘拐されており、無事は確認されているが、邦人救出をすすめる動きが全く無いのは摩訶不思議である。国民を守るのが政府の一番の仕事ではないのか。