更新しない間に色々な出来事があった。
まず、外資系石油会社で人事をめぐる大きな動きがあった。
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エクソンモービルで、合併以来販売を主導した日本人と外人役員が退任する。代わって、米EMに出ていた人物が中心に座る。旧役員の退任は解任というのが公然の事実となっている。
旧役員は怪文書事件などEMの代理店政策・販売政策の急変の矢面に立ってきた。メジャーEMの対日国内市場戦略の執行役を担ってきたわけだが、両者の経歴はモービル石油、ゼネラル石油と「日本元売」の遺伝子を感じさせる。怪文書で書かれたほどドライになりきれなかった、というのが実情ではあるまいか。
両役員が辞任することで、EMはいよいよ日本市場での「仕上げ」に入るはずだ。
米EMは本国のGSネットワーク(820の社有とその他1400)をディストリビューター(ジョバー)に売却すると発表しているが、日本でも同様のことが起こるだろう。米国ではGS売却に関して小売部門の責任者が、「競合高まる中でGS売却はEMが米市場で勝ち残り成長するための最善策(The best way)」とロイターに述べている。
米EMでこれを目の当たりにした新任者は、日本での「ベストウェイ」を実行することだろう。
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昭和シェルでは、8月6日に、社長が健康上の理由で退任した。
退任社長は会長、副会長、相談役、顧問といった役職についておらず、退職している。(社内で何か処遇されているかも知れないが公表情報では見えてこない)
通常、本当に健康問題が存在する場合でも、非常勤役員なりに処遇しながら株主総会まで面倒を見るものだが、昭和シェルの場合唐突な感がある。
ところで8月6日の同じ日付で、関東支店が連絡文書を出している。6月1日より地方税法が改正され、不正軽油流通に関してその原料である灯油やA重油を供給した業者は、従来の“善意の第三者”ではなく、罰則が適用されることになった。これにかんして
@ 不正軽油製造の情報や風評ある納入先に供給しない
A 過去に不正軽油の前例ある納入先には原則供給しない
B 灯油やA重油の異常発注には事実関係を確認する
という内容で、支店に情報を提供を依頼している。
この文書、出たのは関東支店エリアだけという。本当ならば、少しミステリアスな雰囲気になる。
同支店エリアには、栃木、茨城など過去に様々な事件が発生した地域があり、「内陸型軽油専用製油所のメッカ」とされる。うがった見方をすれば、同一の日付で出てきた社長退任とこの文書に対して、何らかの関係性を想像してしまう。
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さて、EMは役員交代で過去の日本流を一掃するだろう。昭和シェルもまた、経理畑出身者の登場により国内販売に対する姿勢は一変することが考えられる。
他社も、新日石の社長は経理畑、出光は原油畑、コスモは企画、財務畑の出身者が社長となっている。
彼らに共通するのは、過去の特約店販売に縛られていないことだ。流行りの言葉で「企業価値」を高めるためには、企業資源をより利益の上がる分野に投入しようという判断をしやすい人たちといえる。だから、国内販売でガソリンを扱うGSチャネルに対しては、徹底的な大ナタをふるっていくことになる。
過去の特約店関係は、支店長や担当者との人間関係を軸に形成されてきた。どこかの調査でも、この時代に未だに事後調整が存在する系列もある(独立系では考えられない)。規制時代の「GS枠(営業権=利権)」を経験してきたGS販売部隊では、しがらみを解き放つことは難しかったからだ。よく言われる取引上の諸問題は、販売に関わる人事に根源を持っていた。人事が良き系列関係を築いたのも事実なら、時代が変われば諸刃の剣で企業再構築を妨げる。
非国内営業出身者が揃ったことで、販売部門のリストラと流通システムの効率化が推進される。
財務出身者的な頭脳では、国際的に品質差異のない商品を大量生産するのであれば、高い稼働率で原価を下げて、短いサイクルで売り切り、現金で回収する。「石油=国際商品=金」という金融的な発想で考える。
その方法論に特約店制度の有無は関係ない。内航船もローリーの手配も不要で、製油所で全てが完結するのが理想だろう。だから、米EMや米シェルはGSネットワークを売却するのだ。(固定資産をオフバランス化する会計上の事情もあるが)
今、流通システムの舵取りを大きく変針させようとしている。だから、人事のベースとなる支店網は大幅に縮小・整理される。GSに関しても直営は重厚長大型を廃棄して徹底的なローコスト業態に転換し、さらにはネットワーク売却の決断も行うことだろう。
ようは、EMが2001年以来行ってきたのと同じことが全系列に発生するということだ。
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新日石のTOCOM・RIM連動という「業転連動価格体系」も、流通システム大転換という文脈の中に位置づけられる。
理屈としては、「公明正大」な公的市場を指標価格として、三菱商事から三ちゃんサブ店まで仕切価格は一本化される。仕切に対して、@物流距離、Aブランド料、B供給コスト(ちょっと意味不明)、Cボリュームインセンティブが加減される。これが“ルール化された”仕切格差となる。
また、新日石は前週TOCOM終値平均による週決めとしており、担保を外して現金前払いできるところと済度で支払うところに金利格差が生じする。
大きく変動するのが、サブ店流通だろう。元売から1円20銭ほどの卸し補助を貰い、個別サブ店ごとに裁量で仕切価格を決めてきた。一部大手店はサブ卸で事後調整含めて7−8円も稼いでいたという。しかし、新体系になるとサブ店も特約店も原則同値となる。すでに情報公開されてしまっているので、従来型の値決めは通用せず特約店のサブ卸は一気に利幅を縮小する。
高度成長期に特約店の地域支配の先鋒となったサブ店流通は、ここにきて一気に流動化する。特約店間の移動、PB化、他社特約店化など力のあるサブ店はより良い流通システムを選択するようになるだろう。一方、特約店担当者とのそれこそ人的関係だけで成り立ってきた財務の脆弱なサブ店は淘汰を余儀なくされる。結果的に、特約店によるサブ卸ビジネスは今までの形では成り立たなくなる。元売との合弁や同業者との統合を余儀なくされるだろう。
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北海道から九州まで「産直体制」を確立した新日石は、北海道や九州ではEMや昭和シェルの兵站線(バーター)を遮断して市場統制力を強める。その自信を背景とした新体系であろう。
保守的と言われる新日石が仕掛けた新体系は、同社内にも相当の混乱を呼んでいる。上記のように特約店はサブ卸流動化が死活問題となる。さらに商社からサブ店まで同一ルール化は可能なのかという議論もある。
しかし、この仕組みを振り上げたからには特殊対応は許されない。商社のみ、大手特約店のみ相対で値決めという妥協を許せば、新体系と矛盾する流通系統を存在させることになる。ダムに小穴を開けるようなもので、国内市場は制御不能に陥ることだろう。
米国で。元EXXONのPB。日本も系列流動化の秋(とき)

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