2018/7/9

トスカ@新国立劇場  音楽

ウィーンでオペラを見てから2か月経った。そろそろまたオペラを見に行きたいなぁと思い始めた。でも旅行で散財してしまったからなぁ。

新国立劇場「トスカ」で検索するととても評判がよい。

で、新国立劇場HPでチケットを探すと、まだ少しあった。それで、行くことにした。

「トスカ」は「蝶々夫人」の次に、全幕テレビで見たオペラだ。

オペラが縁遠かった頃でも「オペラアリア」は好きで、CDプレーヤーを買ってすぐ「オペラアリア集」(ソプラノ)も買った。「ある晴れた日に」「ああ、そは彼の人か」と並んで「歌に生き、愛に行き」は好きなアリアだった。

2012年にロイヤルオペラハウス「トスカ」を録画して見た。それでヨナス・カウフマンさんを知ったわけだ。

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ポスター。この場面は絢爛豪華。

「トスカ」:指揮:ロレンツォ・ヴィオレッティ、演出:アントネッロ・マダウ=ディアツ
トスカ:キャサリン・ネーグルスタッド、カヴァラドッシ:ホルヘ・レオン、スカルピア:クラウディオ・スグーラ

第一幕。聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会の場面。録画してある「トスカ」は大体カヴァラドッシ出演場面ばかり見ているので、ここは字幕がなくても大丈夫。

でも、何度も何度も見ているカウフマンさんの歌声や映像があって、どうしても比べてしまう。レオンさんはテノールらしいキラキラ声で良く伸びる声で素晴らしいのだけれど、違いが気になってしまう。

トスカ登場。鮮やかなブルーのドレス。やはり「トスカ」はこうでないと。

先日NHKで放送していたザルツブルグ音楽祭の「トスカ」ではハルテロスさんはトレンチコートだった。ありきたりの演出では目の肥えた観客には物足りないから新演出があるのだろうけど、日本の観客には安定のクラシック演出がいいよね。

スカルピア登場。ここ実によかった!スグーラさんは長身ハンサム。威圧感があった。

そして、1幕最後の「テ・デウム」。ポスターのあの場面だけれど、豪華絢爛。登場人物が多くて圧倒される。司教など聖職者達、王妃、貴族、スイス衛兵、聖歌隊。

5月ウィーンオペラ座で見た「アイーダ」より新国立のゼフィレッリ演出「アイーダ」の方が豪勢、豪奢だった。この「トスカ」のこの場面も「新国立はすごいよ」と言いたくなる。

ここで25分の休憩
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2幕。スカルピアの見せ場。長身ハンサムなスカルピアはいかにも「色悪」。スカルピアのテーマが鳴り響くと冷酷さも際立つ。ベタベタふやけた中年の気色悪いスカルピアではない。人格に欠落したものを持つ非情なスカルピアだった。

トスカは真っ赤なドレス。これも素敵だった。

カヴァラドッシはどうしてもカウフマンさんの演技を思い出してしまってだめだ。「ビクトリアー」のあの声と比べるといまいちだなぁ。そして、ヨナスさんのキリッとした、共和主義者・志士的なたたずまいと比べてしまうのね。

トスカ=ネーグルスタッドさんの「歌に生き、愛に生き」の歌。これは美しくて、涙がにじんできた。

そして、

「これがトスカのキスよ!」

ハイライトの場面。but「動物のお医者さん」を思い出してしまう。いやぁまったくあのマンガは傑作だね。

ここで休憩。

ホワイエでピスタチオ&ベリーのムースをいただく。
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ムースというかアイスクリーム。中のベリーは凍っていて、フォークが刺さらない。食べられないかと思った。解凍が間に合わなかったのかな。少し時間をかけて、食べた。

3幕。ここは舞台装置がすごかったです。舞台転換、サンタンジェロ城の舞台装置も重厚で見事だなぁと思っていたが、間奏が終わると、それが下がって、檻が上から降りてきて手前の牢が競り上がっていく。カヴァラドッシの閉じ込められている牢に変化する。

そして、「星は光りぬ」。切々と歌い上げられた。拍手する暇もなく音楽は続く。

考えてみると、ウィーンオペラ座、「星は光りぬ」の後、拍手が鳴りやまなくて、もう一回歌って、そしたらトスカが出てこなくて「あ、ソプラノが出てこない」って歌う、例のカウフマン、ゲオルギューの「トスカ」って珍事もいいとこだ。ありえないことが起きたんだなぁ。

2人の二重唱、そして牢が下がり、サンタンジェロ城が競り上がってくる。

処刑、「スカルピア、神の御前で!」まで一気呵成。いやぁ退屈させない、ドラマチックなオペラです。

ネーグルスタッドさんは「トスカ」を得意としていて世界各地の有名オペラ座で歌っているそうだ。

「トスカ」って、ストーリーから言うと、嫉妬深くて、嘘がつけなくて、やや思慮に欠ける。すごく純粋で、未熟な若い娘という感じ。だけどネーグルウッドさんは賢そう、世間知もありそうなんだよね。

録画で見た中ではゲオルギューさんが一番、未熟で、でも愛嬌があって愛さずにはいられない感じが出ていたような気がする。

なので、今回のオペラではスカルピア役のスグーラさんが一番魅力的だった。

「トスカ」は2時間足らずのオペラで、しかもたった1日の話。その間に4人が命を落としてしまう。うーん、ドラマチック。

ナポレオン、共和制と王政、ローマの実在の教会や城、アンジェロッティやスカルピアもモデルとなる人物もいるという。そういう点でも興味深い。

この感想に納得。この公演の動画もあります。



ところで、「international KissingDday」というのがあって、英国「ロイヤルオペラ」のtweetがこれでした。びっくりだよ。


「トスカ」第一幕
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2018/7/7

もう終盤  サッカー(代表)

ブログをさぼっている間に、W杯も終盤だ。

今まで見た試合の中で面白かったのは、「スペイン対ポルトガル」、「ブラジル対コスタリカ」、「ドイツ対スェーデン」、「フランス対アルゼンチン」(ホーム、アウェイ側の区別はしてません)。イングランドの試合は間が悪くて、1試合も見ていない。

準々決勝の「フランス対ウルグアイ」も面白かったが、カバーニがいないウルグアイは攻撃の迫力が今ひとつだった。フランスの2点とも見事だった。「ブラジル対ベルギー」は録画早送りでみた。ベルギーが強かった。

アルゼンチン、ブラジル、スペイン、ポルトガルは予選は足慣らしで、決勝トーナメントになって調子をあげるかと思ったが、結局敗退してしまった。ま、チーム作りが未完成、中心選手の疲労などで、あれが限界だったかもしれない。

予選リーグで強いなと思ったフランス、ベルギーが勝ち抜いて、準決勝で当たる。これが事実上の決勝戦だと思う。

日本の試合、なんかね、心置きなく応援できたのは日韓までだった。と言っても日韓は俊輔落選という棘が心に刺さってた。

ドイツW杯は選手は応援してたけど、ジーコには不信感があった。黄金世代の才能を無駄にしやがって。川淵くたばれ
南アフリW杯カは俊輔が不憫で盛り上がれなかった。ブラジルW杯は「学を出せ」としか思わなかった。本田主軸はケッ😫だし。

そして今回はマリノスからは誰も選ばれず。

なので不熱心な観戦ぶり。

ポーランド戦は、バイエルンオペラ「パルジファル」のネットラジオ中継があったので、それを聴いていて見なかった。ペトレンコ指揮、カウフマン、パーぺ、シュテンメ、ゲルハーヘル、コッホと豪華歌手陣、聴きたかったのよ。

で、友人からLINEで「つまらない試合」と送られてきたので、何かと思ったら、残り10分負けてるのに延々ボール回ししてたのね。結果セネガルに警告数の差(少ない)で上回り、ベスト16。勝つために仕方ない、或いは当然、との声が多い。そしてベルギー戦で、それなり頑張ったので、ボール回し問題は帳消しなったみたいね。

でもあれはFIFA憲章の「スポーツマンシップ」の問題だった。

勝つためだったら、スポーツマンシップなんかどうでも良いというのは、私は今の日本の空気そのものだなあと思ったよ。

ベルギー戦はその前のブラジル対メキシコを見てたので、眠くなり、見てなかった。それでも4時半頃かな?ふと目が覚めてネットを見たら、日本が追いつかれたところだった。。そこから日本が負けるまでをテレビで見た。

ま、実力通りの結果だ。でも原口、乾のシュートは見事だった。

10人相手の1勝、2敗1引き分けが本大会成績。

日本の4試合の感想は柴崎、大迫、乾、原口、昌子が素晴らしかった。彼らを中心に次の世代の代表チームを作り上げてほしい。

本田が引退とのことなので、これからは心置きなく代表を応援できるかもなぁ。

とにかく、マリノスの選手、代表選手になれよ!!
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2018/6/20

ワールドカップは楽しい  サッカー(代表)

日本代表が下馬評を覆して、コロンビアに勝った。めでたい。

やっぱりね、応援しちゃうよね。

しかもこの試合、△さんが先発じゃなかったからストレスがなかった。

CWCでレアル戦で大活躍だった昌子と柴崎が出ているのも楽しみだった。大迫くんは「半端なかったし」

そうそう、私、大迫、柴崎、乾はそれぞれ高校サッカー決勝戦で見てるよ!エヘン(鼻高々)。

原口が以前は目つきがヤンキーだったけど、今は随分穏やかな感じ、すごくハンサムに見えるようになった。自信がついたのかな。そして献身的に走っていた。

テレビ中継で観客が映ると、ひたすら知人の姿をさがした。ロシアに応援にいっているのだ。この試合が現地で見られてよかったよね!

ブラジルにも行って、勝利を見られなかった。フランスにもドイツにも行ったのかな。この2回とも勝利はなかったし。

ワールドカップ。最初の注目はポルトガル対スペイン。時間の関係で見られないので、録画し、朝起きて、早送りで見た。もちろん、結果は知らないままだ。

早送りで見ても、「おぉ」「わぉ」の繰り返し。興奮した。

いやぁ面白い試合だった。

アルゼンチン対アイスランドは前半だけ見た。アイスランドは見事な戦いぶりだった。

ドイツ対メキシコは最初の方だけ。ノイアーが目立ったいたので、ドイツは攻められているのだなと思った。起きたら、娘から「ドイツ負けっちゃったね」とラインが来てた。

ブラジル対スイスも早送り。

強豪がなかなか勝てない。面白い序盤戦だ。

でも、結局は強豪が勝ち上がるのではないかな、と思ってはいる。
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2018/6/18

日曜の新横浜公園  旅・散歩

孫たちが泊りに来たのでどこかに行こうか、考えた。帰りの事を考えると余り遠くにはいけない。といってご近所公園じゃ、つまらない。

で、新横浜公園に出かけた。虫取りをしたいと言00うので、虫取り網とかごを持って。

新横浜公園は芝生がしっかり刈ってあり、植え込みもきれいに整えてあった。草取りもきちんとしてあった。つまり虫があまりいそうになかった。

それでも花壇には蝶々がいて、とりあえずモンシロチョウとシジミチョウを3匹つかまえた。アオスジアゲハやキアゲハは動きが早くて捕まえられなかった。

その後はサッカー公園の遊具で遊んだ。

日産小机フィールドはなでしこの公式試合のようだった。

横浜FCと埼玉のチームらしいことはわかった。

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ニッパツ横浜FCシーガルズ1(0-0)0ちふれASエルフェン埼玉


観覧席はほぼいっぱい、土手にも観戦客がいた。サポーター達も大きな声で声援を送っていた。

帰り際、通りかかったら、ちょうどシーガルズが得点したところで、サポーター達が大いに盛り上がっていた。

ちょっと試合の様子を見たのだが、パスはつながらないし、まだこのレベルなんだなと思った。でもスポーツしている選手たちはみんなかっこいいね。

新横浜公園の日曜日は様々なスポーツを楽しみ人たちで大賑わいだった。テニスコートはいつもよりずっと多い人たちが集まっていたので、大学かクラブの試合だったのかな。

陸橋下ではバスケット、スケボー、ローラースケートをしている。サッカー場では小学低学年サッカー、ジョギングコースでは今日はチームで走った人はいなかったが、個人で走っている人はいつものように多い。芝生にはテント。一日中ここで遊ぶのかな。

ドッグランもあるので、犬を連れた人も沢山いる。犬の種類も様々。孫たちが喜んでいた。

新横浜公園は広々として、気持ちがよい。大げさな施設はないけれど、いろんなスポーツが楽しめるし、芝生はあるし、広場もある。家族連れで遊びに来るには良いところだ。

マリノスの練習場もあるし、プロから幼児まで遊べる。

夏には日産スタジアムの地下のプールに来よう。子どもにはちょうどよい大きさだし流れるプールもある。ジャグジーやサウナもあってリラックスできるよー。
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2018/6/17

原発ゼロ講演会  政治

近所で「吉原毅」さんの講演があると知って、出かけた。

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最初はアダムスミスの話から、空想的社会主義、協同組合へ。城南信用金庫も協同組合の一種。1902年創立だそうだ。前置きはなかなか面白かった。

2011年3月12日の福島原発爆発、あの時の恐怖感。吉原さんの話でまざまざと思い出した。

吉原さんも関東地方壊滅を一瞬考えたそうだ。原発爆発後の放射能は偏西風のおかげで8割は太平洋に流れた。

しかし風の向きで、千葉ー東京ー埼玉ー群馬ー長野、軽井沢も汚染された。富士山に当たった風は足柄で落ちて、足柄茶が汚染された。

東京の金町浄水場でヨウ素が検出された時は戦慄した。東京都では保健所で乳児のいる家庭に水が配られた。夫や婿さんがもらいに行った。水のペットボトルもなかなか手に入らなかった。

本当にあの時は恐ろしかった。

核燃料は2時間冷却できないとメルトダウンする。津波が来なくても複雑な原発施設のパイプが破断しても、外部電源の鉄塔が倒れても、冷却できない。活断層の上の原発施設は地震がくれば真っ二つになってしまう。

だから、原発再稼働なんて正気の沙汰ではない。もう一度事故が起きたら日本は滅亡してしまう。この地震、火山国だ。全世界400基のうち54基が日本にあるって尋常じゃない。

使用済み核燃料の保存もどうするか、方法がない。

電力会社の収益のために再稼働が必要というのであれば、その会計制度を改めればよい、臨時立法で対応できる。

一方、自然エネルギーによる電力事業は欧州、中国で発展を続けている。コストも原発よりもはるかに安い、普及するにつれて、価格はどんどん安くなっている。

送電線の問題も、実は送電線に空きがあるのに、電力会社はごまかしていた。

自然エネルギーこそ、経済成長につながる、今取り組まないと日本は世界に取り残される。

ま、聞いたことのある話だったが、改めて、そうだったなぁ、と再確認した。

で、初めて聞く話は、ソーラー施設を農地の上に設置した実際の例。

作物に育てるには日光の3分の2あればよいので、農地の上の3分の1を覆っても収穫には影響はない。それで、ソーラーを農地の上に設置する。

ソーラーで発電した電気は売る。作物の収穫量は増し、質も良かったそうだ。売電で農家の収入は増え、安定する。都会に出ていた子どもたちが戻って農業を継ぐこともできるようになる。

ソーラーは山を切り開いたり、樹木を大量に切って広大な場所に作る必要はない。

農水省も農地に対する制限を取り除き、この取り組みを進める方向だという。

こういう話は経済人でないと聞けないなと思った。

会場からの質問は「東芝があんなことになったのに、何故日立は原発輸出を止めようとしないのか」。吉原さんは「日立はやめたがっている」とのこと。

だったら、政府保証とかやめなよ。英国も原子力発電を止めた方がいい。

漫談風で飽きない講演だった。いろいろな所で講演活動をしてらっしゃるようなので、機会があったら、ぜひ聞いていただきたいと思う。
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2018/6/15

ウィーンの聴衆って  音楽

はっぱさんの記事引用で、もう一つ。面白かったので、

「ウィーンの聴衆のクラオタ率は非常に低い」
6月10日の記事「ウィーン・フィル + マリス・ヤンソンス

チャイコフスキー「悲愴」の第三楽章が終わった途端、フライングブラボーと大喝采だったのだそうだ。まだ四楽章があるのにね。

まぁ、第三楽章は盛り上がって終わるからねぇ。

その後陰々とした第四楽章が始まるわけだから、オーケストラはやりにくかったろうなぁ。

******
だって、なにせ「音楽の都」だから
今までの人生で一回もコンサートとか行った事のない人が
ウィーンに来るならクラシック、と一途に思い込んで
楽友協会や国立オペラ座に大挙していらっしゃるワケです。
(コンツェルトハウスは観光客は少ない)

だったら、それなりのドレス・コードで
静かに聴いているかイビキかかずに眠っていてくれれば
別に構わないのだが

演奏中にスマホでゲームしていたり(貧民席のデフォ)
演奏終わったら拍手と思い込んで
とんでもないところでブラボー叫んだり拍手したり
まぁ、仕方ない、色々とあります。
******

ウィーンの「トスカ」。カウフマンさんの「星は光りぬ」のアンコール拍手が鳴りやまなくて2度も歌ったのも、こういう聴衆だったからなのかな。挙句にトスカ役のゲオルギューさんが出てこなかったという椿事が起きた。語り草だよねぇ。

6月11日の記事「フライング・ブラボーと拍手のフライングについての私見」でも

******
ウィーンの「クラオタ」率は非常に少ない!!!!!!

これは強調しておくべきだと思うのだが
ウィーンのいわゆる上流・中流階級の人たちがコンサートに行くのは
ステータス・シンボルないしは社交界の意味合いが強いので
クラシック音楽を聴きに嬉々として通っているワケではない人が多い。
(中略)

ウィーンのコンサートに来ている聴衆の「クラオタ率」は
日本に比べたら雲泥の差で少ないのが事実なのだ。

******

なんだそうです。

「日本に比べてクラシックオタク率は非常に低い」というのはびっくりだ。

私もオペラ座であんなにビビらなくても良かったのだなぁ。この事実、もっと前に知りたかった
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2018/6/14

もう一つ  音楽

「ららら♪クラシック」の「ドン・カルロ」特集について、友人たちに「見て見て」と大推薦した。見てくれたのだけれど、その感想が「イケメンですね」ばっかりなんだなぁ。

いや、そうじゃなくて、彼の「表現力を見てよー」なんだけど。まぁね、あの番組じゃそこまではわからない。

でもともかく、表現力が魅力の一番なのだ。芝居が上手いということと、歌がただ美しく歌われるのではなくセリフと同じようなリアリティがあること。

それだけでなく、その役の把握の仕方、把握した上でどのような表現をするか考えていること、たぶん、演じてその役になりきっていても、それを客観的に見ているもう1人の自分がいると思う。役と自分との距離をきちんと測っていると思う。

それを思い起こさせてくれたのが、この記事。

「冬の旅」を聴いて、ノックアウトされて、やたらいろいろ検索していた頃にも引用させていただいた「はっぱ」さんの「たまにはオーストリアチックに」。

ヨナス・カウフマン + ヘルムート・ドイチュ 国立オペラ座リサイタル」2012年10月

******
そいや〜、失恋部分に入ってからの
胸を打つような、でも、あくまでも大袈裟にならない
ドイツ・リートっぽい、根暗で陰湿で
自己嫌悪陶酔感が素晴らしい。それだけじゃない。役を的確に掴んで、表現する、決して自己陶酔はしない。

テノールの領域が出るようになれば
 この人は無敵である(きっぱり)

しかも、テノールのソット・ヴォーチェを
さりげなく魅力的にやってのける。

(中略)
そうかぁ、カウフマンの魅力って
あの声の多様さにもあるんだなぁ・・・


低音はあくまでも深いバリトンの声質で
高音もバリトンの音で神経に触らず
しかも、伸びるテノールらしい声から
パステル色の、むちゃ優しいソット・ヴォーチェまで
見事に使い分ける。

ミヒャエル・シャーデのやったような
オペラ版「水車小屋の娘」とは、また違った手法で
ヒステリーになる事なく
自己陶酔に浸る事もなく
聴衆を、ひたすら青年の心に引っ張っていく


******
引用終わり 太字にしたのは私。

この「自己陶酔しない」「自己陶酔に浸ることもなく青年の心に引っ張っていく」。作品の真髄を表現しているということだと思う。

そして「声の多様さ」。

この二つ、2015年「冬の旅」で一番感じたことなんですよね。芸術なんだなぁと心の底から思ったよ。

ROHで「冬の旅」2014年をご覧(お聴き)になった「着物でオペラinロンドン」さんは

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そのメリハリのある熱い歌い方から、きっと派手な身振り手振り&顔芸アクション付きなんだろうと想像していたのですが、今日のはそれからは全く程遠い直立不動。それでも、声の変化だけで色んなカラーを出せるのはさすが。

表情もほとんど変わらないのに、目チカラだけで演技してたのも凄い。近くの席から更に時々双眼鏡で凝視したのですが、最後の何分から遠くを見つめる瞳が(涙は出てないけど)情熱さと虚無感の両方を表現してたのも感激。
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オペラでもそうだと思う。だから魅力的だ。そのオペラの世界に引っ張り込まれる。

また、ウィーンに行きたくなった。はっぱさんはウィーンに32年も住んでいる。すごいなぁ。

もちろんカウフマンさんの本拠地のミュンヘンにも行ってみたいよ〜。もう残されている時間は2〜3年かなぁ。
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