評判の作品で期待していたのですが、それほどでもなかったでしょうか。
CGやセットによる昭和33年の東京の町並みの再現はたしかに素晴らしく、建設中の東京タワーを見ているとなんだか胸騒ぎを覚えて途中まではかなり乗って見ていたのだけど、だんだん平板な展開のように思えてきてしまい、ちょっと後半は飽きてきてしまいました。
いくつかのエピソードが平行して進むのだけれども、それぞれのエピソードはよくまとまっていていいシーンもあるのですが、いろいろな人物の話が絡んでいき大きなクライマックスを形成していくという風に進むのかと期待していたら、そうでもなく、いろいろなエピソードが平行して進む一方な感じなので、いろんな話のオムニバスを見ているような感じがしてきてしまいそこがちょっと平板に思えてしまったようです。
それと、堤真一や吉岡秀隆がかっとして暴力をふるったり喧嘩したりするシーンがあるのだけど、そうした喧嘩がすぐおさまってしまい、またたとえば酒を飲んで暴れるみたいなシーンがまるでなかったのも、ちょっとリアルさに欠ける気がしました。かっとなる性格ならそういうシーンがもっとあっていいように思ったのですが。
たとえば日本映画の名作と言われる『無法松の一生』の主人公、無法松はもっと型破りの粗野で喧嘩ばかりしている人物だけれども、一方では純情だったり人情味があったりするところがあってその2面性が魅力となっていると思うのですが、この映画の登場人物たちの2面性の描き方はそれほど徹底していなくて、ちょっと中途半端な感じがしました。
とはいえ、再現した当時の町並みを見るためだけにでも見る価値はある作品かとは思います。