すげえ。ガス・ヴァン・サントは一体、どこまで行ってしまうのか?
『エレファント』を見たとき、「結局、これではスタイルだけの映画なのではないか?」と思って低評価をして、その後に『ジェリー』(大傑作!)を見てひっくり返ったのだけれども、僕の『エレファント』の評価は早計に過ぎたようだ。この突き抜けたような傑作『ラストデイズ』を見て、『ジェリー』を見た時と同様に再びそう思わずにはいられない。
考えてみれば、ガス・ヴァン・サントのように、人が歩いているところをひたすら見せるとか、現実のものをひたすらそのまま見せる(ドラマとして作りこまずに)ことをやろうとしている映画作家にとって、スターがひたすら無為に過ごした最期の一日を描くというのはまさにやろうとしている映像世界とテーマとががっちり結びついたものだと言えるのではないだろうか?
無為な、本当になんてこともない日常の風景が描かれれば描かれるほど、スターの虚飾を剥いだ実像が浮かび上がって来るからだ。
それにしても、この作品が凄いのは、主人公の周囲の人間の態度ではないだろうか。本当にたまたまそこにいただけという感じというのか。そのことが主人公の孤独を一層、浮かび上がらせていると思うのだけれども、しかしここまでやるかよと呆れるぐらい、突き放したような描き方だな。