カネミ油症:被害者ら、救済訴え街頭署名−−五島 /長崎
五島市のカネミ油症被害者などでつくる「ダイオキシンを考える会(浦口一郎・宿輪敏子共同代表)」は7日、市内の福江商店街で「カネミ油症被害者の救済を求める請願」の署名集めをした。
請願は、(1)油症認定システムを見直し、すべての被害者救済(2)未認定患者の掘り起こしと追跡調査(3)国による治療法の研究開発(4)仮払金問題の早期解決(5)公害病に認定し、新たな救済対策――などを求める内容。
活動には数名の会員が参加。通行人の中には積極的に署名に応じる姿が目立った。宿輪共同代表は「被害者の高齢化が進んでいる。署名の重みを受け止め、早急に国の救済対策を」と訴えた。
署名は、カネミ油症被害者支援センター(東京)が取りまとめ、今国会に提出する。昨年提出した請願は、郵政解散で廃案になり、約6000人分の署名が無効になっている。【椿山公】
(2006年5月8日、毎日新聞 地方版/長崎)
官民一体のカネミ油症被害者支援会が発足 五島
カネミ油症事件の被害者が集中する五島市で十日、官民一体の新たな組織「カネミ油症被害者を支援する会」が発足した。健康被害や生活苦と闘いながら救済を目指す被害者組織「カネミ油症五島市の会」の活動や個別の被害者をバックアップする。各種団体や市民に加入を呼び掛け、油症への理解を広げる取り組みも展開する。現在、全国に同様の支援組織はないという。
県内の被害者は、油症認定者だけで七百六十六人(死亡含む)。うち五島市は六百八十七人(同)で、市内に約二百五十人が在住。今も公的救済はなく、複合的な苦痛にさらされている。一方、与野党は今国会に提出する救済法案を検討中で、被害者が望む救済策となるか注目されている。
支援する会の発会式は市役所で開かれ、市課長会や市議会を含む市内五団体の代表ら十五人が出席。被害者や市民十人も傍聴した。中尾市長は「被害者に政治的援助がないことに怒りを覚える。できることはしていきたい」とあいさつ。被害者の一人は、油症のため息子が自殺した悲しみを静かに語った。
子育て支援グループあかね会の辻千穂子代表(49)が設立趣旨を読み上げた後、辻代表、五島椿ライオンズクラブの田端俊治会長(51)、連合長崎五島地協の宿輪瑞親事務局長(53)が、共同代表に選出された。今後、救済活動の資金カンパや、カネミ油症被害者支援センター(東京)が実施している恒久救済請願署名への協力、学習会やシンポジウムの開催などを進める。
田端共同代表は「カネミ油症はダイオキシンなど化学物質の被害。市民にも身近な問題として考えてほしい」と語った。カネミ油症五島市の会の矢口哲雄会長(82)は「市民が油症の苦しみを理解してくれることが一番心強い。どうか力添えを」と期待を込めた。
問い合わせは、支援する会事務局の五島市健康政策課(電0959・74・5831)。
(長崎新聞、2006年5月11日)
カネミ油症救済問題 知事、仮払金返還免除を求める要望書を政府に提出=長崎
◆治療体制充実も
食品公害「カネミ油症事件」の被害者救済問題で、金子知事と末永美喜・県議会議長が10日上京し、国が被害者に求めている仮払金返還を免除することなどを求める要望書を、川崎厚生労働相や坂口元厚労相、自民党の武部幹事長らに手渡した。この問題で、金子知事が政府・与党に要望したのは初めて。
要望書では、仮払金返還の免除のほか、油症患者の治療体制の充実やカネミ油症の調査研究の継続を求めた。
被害者救済に向けては、自民、公明両党がプロジェクトチームを設置し、議員立法を検討している。金子知事によると、武部幹事長は「何らかの措置がとれるように努力したい」とし、坂口元厚労相(公明党)は「与党の方向付けをプロジェクトチームでやっている。具体的な中身は詰めている段階だ」と答えた。
また、川崎厚労相は「与党の方向付けを見てから対応したい」と述べた。
要望を終えた金子知事は「自公両党とも一生懸命という印象を受けたが、(早期解決への)ハードルは高いようだ」と語った。
県によると、県内の認定患者は766人。この日は、患者が多い五島市の中尾郁子市長も同行する予定だったが、飛行機が欠航したため、取りやめた。
また、金子知事らは、旧池島炭鉱(長崎市)でアジア各国の研修生に採炭技術を伝えている国の「炭鉱技術移転5か年計画」が今年度末で終了することについて、来年度以降の後継事業の実現を、二階経済産業相、与党幹部らに要望した。
旧池島炭鉱では、2001年11月の閉山に伴う炭鉱離職者を中心とした114人が、計画に基づいて技術指導に当たっている。計画が終了すれば、離職者らの雇用問題や地域振興への影響が発生することから、県は計画の延長などを国に求めている。県によると、国側は相手国の評価が高いとして、前向きな姿勢を示した。
(読売新聞 西部朝刊、2006年5月11日)

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