特集はパウル・クレー。クレーは結構好きな画家だ。色彩という物質、形という物質。明るい物質。とてつもなく軽い物質。ひそかに育っていく物質。
確かにイメージとは、ひとつの育っていく物質ではないのか。画家というのは面白い存在で、そのような物質としてのイメージと、実際の画材としての物質の間で遊ぶ。実際、クレーはさまざまな物質と遊んでいるのではないか。絵の裏側に石膏を貼り、その下にひそかに絵を隠していたクレー。パレットや筆など、画材を手作りで作り出したクレー。画材も色彩も形象も、あるいはイメージも、それらは確かにすべてクレーにとっては育っていく物質ではなかったのだろうか。
クレーの造型としての色彩は、確かに極めて軽い物質として思考や中空を、画布の中を彷徨い、その中で確かに呼吸をしながら育っているのだ。