ブログ始めました!
小説や映画を中心に、「僕はこの作品を読んで(見て)こんな風に楽しんだんですよ」ということを書いていきたいと思います。
内容はその小説を読んだことがない人でもわかるようにするつもりです。
「もちろん」興味のない人は読まないで結構なわけですが、これを読んで少しでも「ふーん」と思ってくれたらとても嬉しいです。
ということで第一回目はロシアの文豪トルストイの「アンナ・カレーニナ」。
ロシアの小説は冬の寒い日にぴったりだと思います。
地位も名声もある女性アンナ・カレーニナが青年将校ヴロンスキーと宿命的な恋に落ち、全てを捨てて彼との人生に身を捧げ、最後には悲惨な鉄道自殺を遂げるという話。
アンナとヴロンスキーの破滅的な、激しい恋愛(バッド・エンド)に対比させて、田舎の地主であるリョーヴィンとキチイの祝福された恋愛(ハッピー・エンド)が描かれています。ちなみにキチイは前半でヴロンスキーにフラれます。
一言で言えば「貴婦人が不倫して、自殺する」という話なんだけど、その中に実にいろいろな内容を含んだ小説です。
特に人物の描写は本当に上手だなあ、と思います。心の動きとか、1877に出版されたロシアの小説を読んでこんなに共感するなんて。アンナ自身が最後に言う様に「みんな同じことなんだわ。どこへ行っても、いつの世でも。」ということだと思う。
アンナはヴロンスキーと出会って、今までの生活がどれだけ偽りに満ちていたか、気づいてしまうわけです。地位も名声も夫も子どもも、何もかも捨てて彼の元に走ってしまうアンナは、彼女の姉ドリイが言うように、「生きようとした」のです。この情熱のために、彼女は周りの女性よりもずば抜けて美しく、そして不幸になってしまいます。
あと好きな場面は、中巻の出だしでリョーヴィンと義兄コズヌイシェフとが農民について話すとこです。田舎の地主リョーヴィンに対して、コズヌイシェフは都会の知識人です。
コズヌイシェフは都会人として、「農民とはこういうものである」みたいなある種の見解を持っていて、一見農民について理解しているように見えます。彼は田舎が好きだと自分で言っているけど、それはあくまで「都会からの休息のための場」としてなわけです。
ところがリョーヴィンにとっては、田舎は生活の場であり、喜び、苦しみ全てなわけです。彼にとって「農民を理解しているか?」という問いは「人類を理解しているか?」という問いと同じであり、そんな問題には答えられず、義兄との議論にいつも負けてしまいます。
僕は「ああ、リョーヴィン素敵だなあ、コズヌイシェフは好きじゃないな」と思いながらずっとこのくだりを読んでいたんだけど、ふと、東京で生まれ育った自分には多分に「コズヌイシェフ的な面」があるということに気づいて、唖然としました。議論をしている両者に共感したんです。
それから、リョーヴィンは「私とはなにものであるか、なんのために生きているのか」と考え続けます。そして最後に結論として、信仰を持たなかった彼が、信仰に目覚めるわけです。
僕はドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」がとても好きで、これを読むと「神はいない」とか思うけど、このリョーヴィンが信仰に目覚めるくだりはけっこう説得力あるなあ、と。トルストイもドストエフスキーもロシアの同時代の作家というのはなんとも。二人とも素晴らしい作家です。
とにかく、「アンナ・カレーニナ」とても好きです。
まだ一回しか読んでないので、これから何回も読んでいきたいと思う。
思ったよりだらだらと書いてしまった。第一回目はこの辺で!