「唯一の信号 見えるまで、はるばる歩いて やって来た。
青ヶ島の空 灰色で、はげしい雨が 降るばかり。」
ああ、やっとお会いできましたね。そこにあなたがいらっしゃるということは、200哩以上も海の彼方の、わたしの町でも聞き及んでおりました。
どうかまじめに聞いてください。本当はあなたが必要とされるほど、自動車の台数なんて在りはしないということ。それよりむしろ“信号”という“Raison d'être”を知らしめるために、あなたがそこに立ち続けていること。(だって実際にあなたが“アオ”以外の色になったのを、わたしはついに見ることはなかったのですから!)
大海原のまっただなかに浮かぶ、“アオ”の名を持つ小さな島で、そっと“アオ”を灯し続けるシグナル(あるいはひょっとしたらシグナレス?)。でもそれはけっして不仕合わせなことでもなんでもないと、わたしはわたしのささやかな経験から、本当にそう思うのです。