宮古では池間民族と呼ばれる池間島、伊良部島佐良浜地区、平良(ひらら)西原地区の三地区では古くからの神事が数多く残っている。そしてこの神事に携わる女性のことを
ツカサンマ(司母)と呼んでいる。
本家である池間島では新聞などによると神事の数年間およそ40回、5名のツカサンマから構成されているとのこと。
しかし池間・佐良浜・西原ともに地域によって内容が違うため、今回はインシャーマンが仕事で携わっている佐良浜地区のツカサンマについて書くことにする。
伊良部島佐良浜地区は池間添と前里添の二つに分かれ、神事においては池間添を「本村」、前里添を「仲村」と呼び、
それぞれ二地区に「ウフンマ」、「ナカンマ」、「カカランマ」が一人づつおり、計6名のツカサンマで構成されている。
このツカサンマに選ばれる条件として年齢が数え年47〜53歳までの既婚者であること。ご主人が佐良浜人であれば候補者となる奥さんはどちらの出身であってもよいとのこと。
在任期間は3年間。しかし3年が過ぎ後輩ツカサンマに引き継いだ後も、今度はアネンマ(姉母)と呼ばれ、後輩ツカサンマと共にまた3年間行動を共にするとのこと。
そのためツカサンマに選ばれると計6年間はその大役を預かることとなるのだ。
神事の数も本家の池間島以上に多く、年間80回弱もあるとのこと。そしてまた一日だけで終わらない神事もあるため、すべての神事に携わる日数も準備などを含めると、年間175日もその神事に携わることになるらしい。
神事が年間40回ほどしかない池間島ではその忙しさからツカサンマを断る女性が多いらしく、今現在は引き受け手が見つからずツカサンマ不在の状態が続いているとのこと。
そして西原地区でも最近まで同じように引き受け手が見つからず不在状態が続いていたようだが、最近ようやく復活したようだ。
佐良浜では対象年齢に達した女性の佐良浜人であるご主人の名前を記入した紙を丸め、それをお盆の上に乗せて揺すり、下に落ちた紙に書かれたご主人の奥さんが引き受けることになっているらしい。
そして佐良浜では未だかってツカサンマが不在になったことがないとのこと。古くから島に残る伝統的神事を絶やしてはいけないとの思いがみんなの中にあるからだろう。
そしてきょうは母の日。われらがかばしゃ丸の奥さんでもあるミーコオネー
(オネーとは姉さんとの意)から電話があり、
自分も含め5名の処女ガマ
(処女という意味ではなく、昔流行った言葉で言うと「ギャル」と同じ意味かな!?)オバァを上野にある
てぃだがかま(太陽が窯)まで車で連れて行けとのこと。
太陽が窯の窯元、佐渡山安公さんは宮古の昔からの民話や神事、そして御嶽(うたき)についての研究者でもある。
きょうの訪問も安公さんが昔の神事の写真を発見したとのことで、母の日でもあり、観光がてらその写真をもらい、昔の神事について懐かしく語り合おうとの趣旨だったようだ。
ちなみにこの5名の処女ガマオバァも昔の元ツカサンマで現在は相談役みたいなもの。いわゆるOGなのだ。
昔話に花を咲かせるオバァ達に対し、一緒に連れて行った次男は退屈でどうしようもないという感じ。
ずっと外を飛び跳ねて遊び回り、最後は陶芸用の粘土でパーントゥーの面を作り退屈をしのいでいたようだ。
