きょうのアギヤー漁でのもっぱらの話題はグルクンの話ではなく、年に一度のスク漁のこと。スクとは沖縄で言う
アイゴの稚魚の事。
毎年旧暦の6月1日と7月1日の大潮前後の日に、浮遊卵として産卵された卵から孵った稚魚が、一斉に渦を巻くような大群で夜明けの上げ潮に乗り、沖から
イノー(礁池)に海藻を食べに押し寄せてくるのだ。
この漁はスクがイノーに押し寄せ、エサとなる海藻を食べ始めるまでが勝負。海藻を食べ始めたスクは臭くて食べられず売り物にならないからだ。
代表的な食べ物としては
スクガラスが有名で、ようはスクの塩辛である。ただし宮古島地方ではこのスクを食する文化になく、水揚げされたほとんどが本島への出荷となる。
そしていよいよその旧暦の6月1日が明後日の木曜日に迫っている。しかしこのスク漁は博打みたいなもの。
なぜ博打なのかというと、確実性がないため捕れれば臨時の高収入。捕れなければ収入はゼロである。
宮古のイノーへと押し寄せて来るときもあれば来ないときもある。宮古に入らずとも、石垣や沖縄本島へと押し寄せることもあるのだ。
そしてまた宮古のイノーに入ったとしてもすべてのイノーに入るわけでもない。だからスク漁の数日前から情報収集に余念がない。
その情報を提供してくれるのはカツオ船の乗組員。一本釣りで釣り上げたカツオの腹の中に、エサとして食べたスクが多く入っていたと教えてくれる。
どの海域で捕れたカツオの中にどれくらい入っていたかで、スクの入ってくる海域を想定する。
たとえば北海域のカツオに多く入っていれば、伊良部島、池間島、八重干瀬のイノーがターゲット。南海域のカツオだと来間島、宮古島南・東海岸のイノーがターゲットなのだ。
そしてカツオの腹の中にスクがまったく入っていなければ、その年にはスクは押し寄せてこない、ということになる。
アギヤーのサバニもいつもなら一つの組合なのだが、スク漁ではそれぞれがライバルである。
われらがかばしゃ丸も昨日からスク漁の網を船に積み込み準備万端。他のサバニもそれぞれ網を積み込んである。
そしていよいよ明日から旧暦の1日を挟んだ三日間は、入るのか入らないのか分からないスクを追い求めて海を疾走するのだ。
ただ今年のカツオ船からの情報によると、カツオの腹の中にはスクがいっぱいだそうだ。
臨時ボーナスいけるかな・・・
ちなみに佐良浜ではスクのことは「ッスフ」と呼ぶのであしからず。