「The Lord Of The Rings: Return Of The King(王の帰還)」
その他のレビュー(映画など)
実はDVDをまだ見てなかったんです
2003年のアメリカ映画で、主演はイライジャ・ウッド。オスカーも獲得した映画であり、ロードショーで見ているのですが、その後発売されたDVDで50分追加バージョンを買っておきながら、なかなか見る機会がないままに今に至っていました。いつでも見られるという安心感と、4時間あまりという長さだけに見るのに体力がいるというのが理由でした。今回は、NHK BS-hiで放送されたのを機会にわざわざ録画してそちらを見ました。
原作を読んだのはもう20年以上前になりますし、昨今のように多数の長編ファンタジーが存在しないところに、いきなりあれだけのスケールとバックグラウンドを持った大作を作り上げたトールキンの力量には感服しています。映画化不可能と言われたのも、人間以外の多数の種族を描き出すという、映像面での困難さもさることながら、あの長編ストーリーをどうやって映画にまとめ上げ(しかも娯楽映画に)るかという点が大きかった筈で、確かに全編通して9時間以上、DVD用のエクステンドバージョンだと10時間を超えるとはいえ、3作の映画に収めたのは素晴らしい作業だと思います。だからこの映画を悪く言うわけはないのですが・・・
この映画のストーリーだけ書いてもしょうがないですし、多くの人は内容をご存知だと思いますが、3部作全体のストーリーをなるべく簡単に。
かつて、魔王サウロンが闇の軍勢を率いて台頭した時、彼の指には「ひとつの指輪」がありました。しかし、サウロンに立ち向かった人間とエルフの連合軍は、彼の指を切り落とすことで指輪を奪い、闇の軍勢を打ち破ります。ところが、この指輪は強い魔力とともに、持ち主を魅了するという特性を持っており、数々の悲劇を起こして川底に沈みます。長い年月の末、これを拾い上げたのがスメアゴル。彼は指輪に魅入られてしまい、仲間からも放逐され、ゴラムと名を変えて霜降り山脈深くに身を潜めます。ここを訪れた魔法使いガンダルフ、ホビットのビルボ、そしてドワーフたち。ゴラムはビルボとの謎かけに敗れ、指輪を奪われてしまいました(ここまでが「指輪物語」の前日譚である「ホビット」で語られている)。
その後、ビルボは指輪を故郷に持ち帰るのですが、そうするうちにサウロンが復活を遂げます。サウロンは闇の勢力を招集し、人間やエルフを倒すための最後のピースとして「ひとつの指輪」を取り返そうとします。ゴラムを捕らえて尋問し、指輪を持っているのはビルボというホビットと知ったサウロンは、ホビットの村を急襲。しかし既にビルボは指輪を養子のフロドに譲っており、フロドはガンダルフの忠告を聞いて難を逃れます。ここから、「ひとつの指輪」を破壊してサウロンを滅ぼすためのフロドの旅が始まります。
第一部では、指輪をサウロン本拠近くの「滅びの山」に運ぶべく、人間・エルフ・ドワーフ・ホビット・魔法使い(この世界における魔法使いは人間ではない)の選抜チームが結成されますが、指輪の魔力はチーム中最も耐性の低かった戦士をたぶらかし、さらに闇の勢力の妨害に遭ってチームはばらばらになる過程を描きます。第二部では、仲間から別れて「滅びの山」を目指すフロドとサムのふたりのホビットが、よりによってゴラムの道案内を受けることになり、次第に指輪の魔力で活力を失っていくフロドを支え、また信用ならないゴラムとの緊張関係を維持するサムの助力が描かれます。その一方、魔法使いのリーダーがサウロンの側に変節してしまい、敵に回ります。フロドたちを分離した仲間は、新たな敵から草原の国ローハンを守るために戦います。その過程で、第一部で仲間を守るために命を落としたと見えたガンダルフが復活を遂げます。
第三部では、指輪がゴンドールの国にあると誤認したサウロンが、ゴンドールの都に総攻撃をかけます。人間とその同盟軍はゴンドールを守るべく結集、激しい戦いが繰り広げられ、そちらにサウロンの注意が向けられている間に、密かにフロドたちはサウロンの本拠深く潜入。果たして指輪の破壊に成功するのか、というストーリーが語られます。ええと、これでちゃんと要約になっているかな。原作を読んだのはずいぶん前なので、映画とごっちゃになっていたらすみません。
劇場公開版でも3時間を超える長編でしたが、こうやってエクステンデッドバージョンを見ると、かなりあちこちに追加がなされているのがわかります。これにより、ストーリーは相当理解しやすくなっているのではないでしょうか(とりわけ、ゴンドールの都ミナス・ティリスを巡る戦いがどのような意味を持つのか、など)。また、ハイビジョンでの放送はさすがにきれいで、見ごたえがありました。
ただ、基本的に原作を知っている人向けの映画だと思いますので、未読者はわけがわからん状態になる可能性はありますし、そういう人にエクステンデッドバージョンを見せても、「どこがわかりやすくなっているんだか」と言われるのがオチかも知れません。
このバージョンで最も儲けているのはフロドの従者であるサムでしょう。フロド、サム、ゴラムの三者の関係が、より明確な形で提示されていると思います。
不満だった点といえば、CGを見慣れると、やはりかなり違和感があります。特に、オリファント(象がさらに巨大になったような敵側の動物)のシーン。味方の射手レゴラスが飛び回るところは、アニメーション状態でした。公開時はあれで「凄い」と思っていたものですが。それから、エンディングがくどい。多分、製作サイドのこだわりだろうし、指輪をめぐるストーリーはあのように終わらせるべきであるのは事実なのでしょうが、クライマックスを迎えてから30分くらい続くのが・・・
ただ、この力技には☆☆☆☆*とさせて頂きます。

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