スポーツ映画には点数の甘い私です
2006年の日本映画で、主演は林遣都と山田健太。これまでキャッチャーに恵まれなかった天才投手が、転居先で巡りあったキャッチャーとの信頼関係を深めつつ成長する話、です。原作はあさのあつこ氏ですが、私は原作を読んでいません。
ストーリーです。巧(林)は今度中学に上がる少年野球のエースピッチャーですが、昨年の大会でキャッチャーがパスボールしたために敗れたという苦い経験があります。父親の転勤のために岡山に転居。母の実家に同居させてもらうことになります。この転居先で、巧は彼のファンであるという少年豪(山田)に出会います。豪はキャッチャーをプレイしていて、これまでの捕手がなかなか取れなかった巧のボールを、5球でキャッチできるようになります。このキャッチャーとのペアでなら、自分の能力を発揮することができる---巧は中学の野球部に入部し、瞬く間に頭角を現します。しかし、彼を妬んだ上級生のリンチに遭い、野球部は公式戦を停止。監督のアイデアで、中学野球の強豪チームと練習試合が組まれるのですが、試合を前にふたりの信頼関係が微妙に揺らいでいきます・・・
ええと、まず褒めるべきところを褒めておきます。ストーリーは少年小説の王道であって、人物配置を見ただけで予想ができる範囲のものです。しかし、それは悪いことではなくて、黄金パターン真っ向勝負でいいのです。一旦は全幅の信頼を寄せたキャッチャーが、なにかのきっかけでボールが捕れなくなるというスランプに落ち込み、そこでふたりの友情は一旦決壊、試合においても大ピンチに陥るが、という展開になることが見え見えであるとしても、そういうパターンをわざと外すと、それは完成度を下げてしまうことにしかならないのです。
俳優も、子役が多いのでその辺でボロが出そうなのに、まあまあタイトに演じています。主役が中学新入生に見えないとか、ライバル役が今度高校生に見えないというのはお愛嬌でしょうか。
ただですね、いいことばかりでもないのも事実で、この映画が原作の何冊分を映画化したのかがわかっていませんが、どうも詰め込み過ぎのように思えます。メインストーリーは上記のようなバッテリー間の信頼なのは確かですが、サブストーリーとして病弱な弟(途中で無菌室に入れられてしまっていてびっくり。血液疾患だったのか)、昔は名監督であったらしい祖父、何をしに出てきたのかよくわからない女子学生。しかもライバルチームとの再試合の経緯など、省略されていると思われる部分も多数あります。そして、描写不足のところが全部会話に押し付けられているので、冒頭の試合シーンでキャッチャーがパスボールして負けたという経過が、映画後半になってから会話で説明されます。ちょっとくどいよなあ。
というわけで、評価は☆☆☆。普通の青春映画。現在放送中の連続ドラマは見てません。