説明不足は勢いでカバー
2006年のアメリカ映画で、主演はデンゼル・ワシントンとポーラ・パットン。フェリー爆破テロの捜査官が、過去を観察するデバイスを使用することができるようになり、観察だけではなくて干渉しようとする、時間テーマ作品です。
ストーリーです。ニューオーリンズのフェリーボートで、自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し、多数の乗客が犠牲になります。爆発物のスペシャリスト、ATFのカーリン捜査官(ワシントン)は、犠牲者の中にひとりだけ、「爆発よりも前に殺されたと思われる女性」、クレア(パットン)を見出します。彼女はフェリー上で死亡したのではなく、犯人が爆破に利用した自動車の持ち主で、爆破の手段として殺されたようです。そこへ、FBIから捜査協力の依頼が舞い込みます。FBIは「102時間前を観察することができる」装置を開発しており、テロの犯人を明らかにするため、爆発物に通じて土地勘のあるカーリンに白羽の矢を立てたのでした。102時間前には生きていたクレアを観察し、犯人はほぼ明らかになったのですが、カーリンは死すべき運命のクレアを見殺しにできないと考え始めます・・・
以下の感想には多分にネタバレが入ってきますので御了承下さい。
この映画、私には面白かったのですが、それはプロット自体は結構込み入ったことをやっているのですが、その語り口自体はストレートで、理解しやすい作りであったことも影響しています。一方、ワシントンの演技が地味ながらしっくりマッチしているので、そちらも違和感がありません。
もちろん、穴はいっぱいあるわけで、最初は衛星からの画像を総合して、とかいう説明をしていましたが、結局はニューオーリンズになんらかの特異点が生じてしまったということなんでしょうか。特定範囲からはみ出してしまったらゴーグルを持っていけばいいというのもどういう理屈なのかが不明。さらに、生命体を送り込んだら死んでしまうとか言っておきながら、カウンターショックをかけたら助かるというのも変な話。
でも、映画で大事なのは、矛盾を作らないことではなくて、矛盾があってもそれを気にさせないことなので、必然的なストーリー展開で引っ張ることができれば、とりあえず成功なのだと思います。カーリン自身はクレアの命を救ったつもりでいるのに、実は歴史の自己修復能力から逃れられずにいるという展開は、ベタベタながらそうでないとお話にならないですよね。最後も実は落ちていないような気がしますが、まあよしとします。☆☆☆☆です。