ちょっと無理があるんじゃないかと思ったが
2002年のアメリカ映画で、主演はコリン・ファレル。鳴っている公衆電話を受けてしまったことから、生命の危険にさらされるというサスペンス映画。前にも書いたように、ラリー・コーエンが関わった「セルラー」が面白かったので、彼が脚本を書き、同様にクローズドシチュエーションで繰り広げられる映画というわけでDVDを購入しました。
ストーリーです。スチュ(ファレル)はニューヨークの宣伝マンで、複数の携帯電話を使い分け、口先八寸でタレントの売り込みなどをしています。彼は既婚者ですが、女優の卵パムに狙いをつけており、携帯電話に通話履歴が残らないよう、彼女への電話は電話ボックスからかけています。ある日、パムに電話をかけた直後、同じ公衆電話が鳴り出し、うっかりこれを受けてしまったところから話は始まります。受話器を通して聴こえてくる男の声は、スチュの素性も行状も知り尽くしており、「ライフルでお前を狙っている。電話を切れば狙撃する。助かりたければ妻に浮気のことを白状しろ」と迫ります・・・
縛りの強いお話には佳作が多いと思っています。決して縛りそのものが面白いわけではなく、縛りの中でいかにストーリーを組み立てていくかという脚本家の苦心が実った時、映画(別に小説でもいいのですが)は光るのでしょう。この映画では、電話を切れば銃撃されるので、切りたくても切れないというシチュエーションが与えられ、ほとんどのシーンが電話ボックスを中心に展開します。
どうせあそこまで追いつめられたら、「好きに殺してくれ」と開き直りそうなものですが、そうしてしまうとお話にならないので、スチュは電話の声の思うがままにいじられます。そこがなあ、とか、ボックスの壁は一面なくなっているのだから、大声で話したら周りに聴こえるだろう、とか考え出すときりがないのですが、そこは「この先どうなるんだろう」と上手に誘導する展開のおかげで最後まで見てしまいます。
評価は☆☆☆*でした。
以下、若干ネタバレしています。
本来ならもう少し派手などんでん返しが盛り込まれるのが最近の映画に思えますが、展開の加減であれくらいになってしまったのでしょうか。それと、真犯人がどうしてスチュに対してあそこまで偏執狂的な脅迫をするのか、その動機がもひとつ納得できませんでした。そのぶん、*ひとつマイナスです。