「Xanadu Magical Music Edition」
レビュー(ELO関連)
特典映像を見ると、大変な名作映画に見えてきてしまう

先月発売になったXanaduのDVDです。もちろんこの作品が新たにDVDとなった背景には、昨年からのミュージカルXanaduの予想外のヒットがあることは間違いないでしょう。
それに気をよくしてか、今回のDVD化にあたっては、画質をリマスターして、サウンドは5.1ch化(これはパッケージのステートメントをそのまま書いてます)するとともに、同梱のCDにはcomplete soundtrackが収録されると予告されました。これ、なかなか魅惑的な言葉だと思いませんか。サウンドトラックがコンプリートなんですよ! DVDはリージョン1なので、日本で見ることには障害を伴うことはわかっていましたし、そもそもamazon.co.jpではまだ売っていないと思うのですが、あえて発売前にamazon.comにオーダーをかけたのはそういう期待があってのことでした。
このレビューにおいては、もちろん映像的な部分についても触れるのですが、主にCDを中心に感想を書きます。映画目当てでご覧の方は御容赦下さい。
Buy From Amazon.com:Xanadu - Magical Musical Edition (With Complete Soundtrack CD) (DVD with CD:リージョン1なので、購入時には充分御注意下さい。リージョンコードがなんのことかわからない方は購入をお控え下さい)
Buy From Amazon:ザナドゥ (ユニバーサル・セレクション2008年第8弾) 【初回生産限定】 (DVD:これは通常の日本盤であり、今回紹介しているMagical Music Editionではありません!)
さて、ここまで読んでこられた方なら薄々お察しの通り、私の期待は裏切られることになります。私が最大限期待していたのがどんなものだったかというと、「映画で使われた音楽が、効果音はともかくとしてそのままのエディットで収録されているCD」でした。つまり、この映画の中ではXanaduは3回かかります。Kearaが天界から戻ってきた時、再び天界に帰る時、そしてエンドロールなんですが、それぞれバージョンが異なっています。これを全て収録。さらに、I'm Aliveはイントロがエクステンドされています。途中に入る効果音は映画のスタッフが入れたものかも知れませんが、イントロについてはRichardのキーボードが長く入っているのだと思いますので、これはれっきとしたELOの曲のalternate versionの筈なのです。それから、instrumental Xanaduと呼ばれる、エンドロール直前の短いインスト曲。これはLove Changes Allに変化したとされていますが、でき上がっている限りの長さで構わないから聴きたい。こんなのが出たら、しばらく興奮しまくっているかも知れません。
上記が最大限であるとするならば、こんなものじゃないかなと思っていたのがどんなのかというと、「既にCDになっている10曲に加えて、Drum DreamsとFool/Countryが収録されているもの」でした。これだと音としては知られているものばかりですから、大興奮というわけにはいきませんが、オフィシャルの音源をCDの形で持つことができるという点では納得のいく品だと思います。
さて、実際の品がどういうものであったか。パッケージは幾分豪華です。トールケースはスリップに収められています。また、封入されているクーポンを使えば、ミュージカル鑑賞が割引になるようです。ただ、CD収録曲の一覧は・・・従来のCDと変わりません。10曲こっきり。ちなみに曲順はMagicから始まってます。
ここのところ、事情を知らない方もおられるだろうし、そんなことはどっちでもいいよという人が大半ではあるでしょうが、念のため少しだけ補足します。この映画のサントラはMCAとCBSの両方から出て、日本ではCBSソニーから発売されました。従来のA面、B面という記載はされず、ELOサイド、ONJサイドという表記で、当時のファンクラブの会報には「LP面の細かい印字を見ていたら、ELOサイドに1と書いてあった!」という投稿があったものです。まあそれはCBSソニーから出た日本盤だからでもあるのでしょう。CD化された時、1990年に出た日本盤はI'm Aliveから始まっていましたが、オーストラリアだかで出たMCA盤はMagicから始まっていたようです。90年代後半にUKで再発された時もMagicから始まっていました。そしてそれは今回も同じで、やはり輸入盤は全部MCA仕様になってしまうんでしょうか。すみません脱線しました。
では音質はどうか。少なくとも文字情報としてはリマスターされているとか言う注釈はどこにもありません。音質はまだhead to headで比べていないのでなんとも言えません。しかし、I'm Aliveの3分過ぎにノイズが入っています。
結局、コンプリートというのは、これまでに発売されていたサントラが、そこから省略されることもなくそのまま入ってますよ、という意味でのコンプリートだったようです。そもそも、これまで何度か出たCDで全くボーナストラックが収録されてこなかったのも、Rob Caigerによれば契約にそういう条項があるそうで、最初のLPと同じ内容のものしか売ることができないようなのです。そのため、シングルB面に収められたDrum DreamsとFool/Countru(これはオリビアの曲ですが)はいつまでたってもCDで聴けないままだったことになります。ただ近年、Xanadu収録曲(たとえばAll Over The World)がベスト盤に入ったりもしていたので、少し風向きが変わったかとも期待していましたし、今回は映画も画質改善がなされてそれとのカップリングだったので、びっくりするようなものが出てこないかなあと心穏やかではなかったのですが、まあこんなものに落ち着いたということでした。
さて、DVDの感想に移ります。まず特典映像について。今回新たに収録されたというスタッフやキャストのインタビューが中心です。20分あまりの映像で、字幕が収録されているので、何を喋っているのかは大体理解できます。
企画が通ってから脚本を何度も書き直したとか(うーん、描き直しを繰り返したのか・・・)、ジーン・ケリーが最初踊らないという契約だったとか、そういう話の後は、主に振り付けと衣装の話がずっと続いていました。確かにあちこちにダンスのシーンが出てきて、特に最後のシーンではダンサーがかなりの大人数になっていますので、彼ら全員に振り付けをしてタイミングを合わせるのはかなりの難事だったでしょう(ジャグリングをしている中にジーン・ケリーが登場するシーンは20回もやり直したとか言っていたようです)。はい、私もあのローラーディスコシーンの撮影は本当に大変だったのだろうと思います。ただ問題は、そのダンスシーンが感動なりにつながるだけのスペクタクルシーンだったかというと、あまりそうとも言えず、当時映画を見慣れていない高校生だった私だったからこそ「ふーん」と思ったものの、よくよく考えてみると宙吊りになったり綱渡りしたり、「ナンダカズレテイルンジャナイカ」と思えなくもありません。でも、この特典映像についてはあの振り付けを褒めそやしているのですね。ものは言いよう、でしょうか。
また、Xanaduマニアのような人も登場していて、スクリーニングにあわせて踊ったりするのだとか。凄いですねえ。ただ、映画が失敗したこと、特に予定していたスクリーンよりずっと少ない数のスクリーンでしか公開がなされなかったことなどは語られていました。
さて、メインキャストに対してのインタビューは全くなくて、オリビアなりマイケル・ベックなりがこの映画についてどう感じているかはわからず。それから、ELOについてもほんの少しだけ触れられただけで、本当に言及しただけといったところ。私が気になっていたのは、果たしてJeffはどの程度映画製作サイドの要望を反映して作曲したのかということでした。というのも、I'm AliveとXanaduは別ですが、残りの曲が映像にマッチしているかというとあまりそんな気もしなくて、Jeffが持ってきた曲に無理に映像をあわせているような気がするのです(これはElectric Dreamsでも感じたことですが)。また、特典映像中で流れる曲はELOの曲ではなかったように思いました。
映画のトレイラーも収録されていて、これには周知の如くI'm AliveとAll Over The Worldのデモバージョンが部分的に収録されています。トレイラーについては、既に日本でも発売されているDVDにも入っている筈なので、わざわざこの商品を買う理由にはなりません。
最後になってしまいましたが、このDVDが売り物にしているはずの画質。うーん、改善されているんだろうかというのが率直な感想。音質は5.1が聴ける環境がないのでなんとも言えませんが、古い製品は5.1ではなかったんでしたっけ?
あと、大事なところなので繰り返しておきますが、リージョン1なので、普通の国内産プレイやでは見ることができません。ご購入される場合はそれなりの覚悟を持ってお買い求め下さい。