今日、Yahoo Newsを見ていたら、網膜でのシナプス形成に関わる新たな蛋白が発見されたという
記事が載っていました。引用元は産経新聞の記事なんですが、これだけなら新聞記事にはなってもインターネットニュースにはならない。どうしてネットニュースに転載されたかというと、発見した蛋白を、某有名アニメーションのキャラクターにならって命名したからという理由です。
論文そのものはNature Neuroscienceという、たくさん出ていてなにがなにやらわからなくなっている「Natureファミリー」と呼ばれる雑誌群のひとつに掲載されています。いや、Natureは超一流の学術誌ですし、ファミリーはNatureに比べればワンランク落ちるとは言え、一般にNatureという単語が入った雑誌に論文が載ったといえば、「凄いですね」と褒めてもらえるだけの業績の筈です。
今のところ論文はオンラインジャーナルでしか読むことはできず、読むためには購読者である必要があるので、購読者でない私はその
要約を読んだだけです。ただ、要約を読んだだけでもちんぷんかんぷんで、前のネアンデルタール人の論文のように、本文を読んでみようという気には全くならないのですが。
要約によれば、網膜での電気信号を双極細胞や水平細胞に伝えるためには、リボンシナプスという特別なシナプスを介する必要があり、ここに介在する細胞外器質類似蛋白が発見されたということのようです。これがジストログリカンと結合するとか、この蛋白を持たないマウスの話とかが書いてありますが、それがどう重要なのかは門外漢の私にはさっぱり理解できません。
ただ、この蛋白を発見した大阪バイオサイエンス研究所と阪大眼科のチームは、この蛋白にピカチュリンと命名しています。ネットニュースに書かれているように、テレビアニメのキャラクターに由来する名前だそうです。新規物質を見つけた時にそれをいかに命名するかというのは、およそ自然科学を志すものとしては夢のひとつだと思うのですが、命名の上手下手だけで業績の影響力が変わってきたりもします。ほぼ同時に複数のチームが同じ物質を発見し、しかし片方の命名だけが有名になってさかんに引用され、もう片方の命名は忘れ去られていくということもあります。さて、この命名、一体誰の発案なのかわかりません(普通は教授なりチームのヘッドがうんと言わない限り、実際の研究者がごり押しすることはできないでしょうが)が、人口に膾炙するものとなるのでしょうか?