「Crowded House by Crowded House」
その他のレビュー(音楽)
一発屋などと言ってはいけない

ごめんなさい。いつもは聴いたアルバムのことを書くのですが、最後にこのアルバムを聴いたのは数カ月前です。ただ、別の
ブログで話題になっていたので、この機会に触れておこうかと思いました。とはいえ、このアルバムを聴いたことがない人はそんなにいらっしゃらないと思うのです。というわけでレビューと言うよりは昔話になってしまうのではないかと。
以前から書いていることですが、私がSplit Enzを聴くようになったのは、弟が中学時代にアメリカにしばらく行った時、Moveのアルバムを買ってきてもらおうと頼んでいたのです。そうしたら、MoveのSplit Endsのつもりでメモを渡していたら、Split EnzのWaiata(このアルバムはオージーではCorroboreeと題されていますが、中身は同じはずです)を間違えて買ってきたのです。当時ELO関連以外のアルバムはほとんど持っていなかった私でしたので、やけにシンプルな色数の少ないジャケット、モノクロの不機嫌そうなメンバー写真にとにかく面食らったものでした。
あまりにもショックだったので、2回ほど聴いただけで押し入れに隠してしまったものですが、その後偶然遭遇したのがSix Months In Leaky Boat(邦題「エアテロアの風」)であり、Jeffとは違うポップ感覚にたちまち魅せられました。ところが、この期に及んでも、それが押し入れの中の怪しいアルバムとつながっているとは夢にも思わず、しばらく「あの曲」を探し回って辿り着いた結論は、偶然の恐ろしさを思い知るに充分なものでした。
以後、Time After Time、True Colours、Frenzy(これより昔のアルバムは当時売っていなかった)、Conflicting Emotionsと買っていき、Tim Finnのポップ性とNeil Finnのメロディのよさにはまっていったのですが、Conflicting Emotionsの後Timが脱けたという噂が届き、それからとんと音沙汰なしになってしまいました。実際にはラストアルバムSee Ya 'Roundが出ていたはずですが、少なくとも私の周囲には入荷しませんでした。
その後、TimのソロアルバムBig Canoeに感激したりもしたのですが、このアルバムを誉めているのは私くらいのもので、案の定セールスにもつながらず。そこに、Neilが作ったCrowded Houseなるバンドが、Don't Dream It's Overというシングルを出して、それがブレイクしかけているというニュース。ビルボードを見ていると確かにどんどん順位が上がっていきます(結局2位にまで登ったかと記憶しています)。それなのに音はなかなか聞くことができず、ようやく待ちかねて買ったアルバムがこれでした。
現在売られているCDでは1曲目がMean To Meになっていますが、これはアナログではA面の最後に入っていて、当初のアルバムオープナーはWorld Where You Liveでした。この曲の微妙な癖のある展開に「大丈夫だろうか」と感じたものですが、次のNow We're Getting Somewhereのポップな展開にほっとし、それから今となってはクラシックとも言えるDon't Dream It's Over。初めて聴いた時からこれは名曲であると確信しました。もちろんその他にも佳曲が多く、しばらくエンドレスで聴いていたものです。
もちろん、彼らのメジャーヒットはこの曲だけだったわけですが、それはパブリックに見る目が無かっただけのことであって、Neilのソングライティングのクォリティはチャートアクションで評価すべきレベルをはるかに超越していると思うわけです。
セカンドアルバムTemple Of Low Menも粒ぞろいでしたし、この時の来日公演にも行きました。Split Enz時代の名曲I Got Youを是非やって欲しかったのですが、One Step Ahead(この曲も充分名曲なんですが)かなにかをやったにとどまったのが残念でした。おぼろげな記憶ですが、東京公演と大阪公演の間にアルバムが発売されたような気がします。
その後、兄貴のTimを加えてWoodfaceを発表。しかしTimはEnz時代はフロントマンでしたが、Crowded HouseではNeilの影に隠れる存在でした。それが理由じゃないのでしょうが、Timは早々に脱退し、バンドはTogether Aloneを残してその一生を終えたわけです。時期は忘れてしまいましたが、再来日の予定があって、切符を買ってからキャンセルになったような記憶があります。
現在はドラムを叩いていたPaul Hesterが物故されたので、もはや再結成はかなわぬ夢となってしまっていますが、彼らの残した4枚のアルバムはいずれも足が地に着いた良質のロック/ポップマテリアルばかりです。特にこのファーストアルバムが、ポップマニアのためだけのクラシックではなく、全ての人たちにとってのクラシックとなる日が来てほしいと願っています。

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