2009/3/23

昔、ヒーローだったのだよ  

第1話「終わり・・」


ある日から世界は荒れ始めた。

・・・ある日。それはこの世からヒーローが消えた日。

「悪いけど、オレ、ヒーロなんて辞めたんだよボージー」
「何で?」私が彼に聞くと、
「そんな過去の話もう忘れろよ。」とか、
「ヒーローのスーツだって廃品回収に出しちまったし、
だいたい、めんどくさいんだよ!ヒーローなんてさ」
なんて答えがかえってくるばかりだった。

一年前まで彼はヒーロだった。
彼がヒーローだったから、世界が平和だったと言っても過言ではない。
だって、彼にはそういう素質があったんだから。
でも、彼が悪いのではない。
実は一年前、2090年4月6日、最後の魔女と呼ばれたラスターとの
戦いの中で、彼はラスターに「ギャクテン」という魔法をかけられた。
「ギャクテン」をかけられてものは、その者の性格が逆転してしまう。
つまり、明るい性格だった人は、内気になってしまったり、
内気な人は、ものすごい明るい人になってしまう。つまり、そういう
魔法なのだ。

だから、ギャクテンをかけられた彼はヒーロでないどころか、
他人と話をするのが苦手な人間になってしまったのだった。


彼に魔法がかけられ一年が過ぎた今日この頃、伝説のヒーロー、
津野田雪丸の名は消えていったのだった。


「で?この先どうするの?」
私が聞くと、雪丸は、普通に高校でも言って、恋やら勉強やら、
そういうのもいいかも。なんて言ったりした。

本来なら普通の高校生の雪丸。
私には、それを止める言葉もみつからなかったが、
彼にはもう一度ヒーローをやってほしかった。
ただ、それだけは言いたかった。



次回「普通の高校2年生」
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