さおだけ屋はなぜ潰れないのか
村岡 宏紀
○エピソード2 ベッドタウンに高級フランス料理店の謎(連結経営)
あるところに一軒の高級フランス料理店がある。そこはゴージャスな店構えではなく、一見何の店か分からないし、外装はいたってシンプル。メニューを見ると、値段の設定が1万円のコースから1万5000円、2万円という驚くような値段である。そして、いつもお客が出入りしている姿もなく、どうして潰れずに商売を続けているのか?この章ではこのフランス店の謎を追求していくとともに、連結経営という仕組みについて考えていく。
☆商売の原則は等価交換
たとえば、100円ショップで買ったものがすぐに壊れると、おそらくみんなは100円だからと思ってあきらめるでしょう。しかし、これが100円ではなく数万円もしたらどう思うだろう?誰でもすぐに買った店へと駆け込むだろう。こういうところに商売の原則が見え隠れする。つまり、自分が支払うお金に見合った商品を見極めて、私たちはお金を払うということだ。この「同じぐらいの価値があるもの(現金や商品・サービス)同士を交換する」という原則を無視すると、商売は上手くいかない。しかしこのフランス料理店は、この原則を無視しているのに長年続いている。
☆あまりにも不思議だから行ってみた
すると高級なのには理由があり、そこはフランス料理とワイン教室の2つを経営していたのである。つまり飲食業にサービス業。これらをつなげて考えるところにお店が存続している秘密がある。何も本業だけではなく、副業などで他のところでちゃんと利益あげることが出来れば商売は成り立つのである。しかし、いくら副業のほうが儲かるといっても、本業をやめて副業だけにしてしまっては、ダメなってしまう。だから本業と副業が2つがばらばらになってはいけない、お互いをつなげて考えろということである。これらが成り立って、相乗効果が生まれるのである。
☆うまくいっている企業は連結をしている
今度は、本業に密接にかかわる副業を行うことについて考えていきたい。例えば、鉄道会社は沿線に住宅地を作ったり、遊園地を作ったりして、家族連れなどの利用者を増やそうとしているが、これはまさに連結経営の考え方だといえる。最近でゆえば、楽天やライブドアといったインターネット企業が、証券会社を買収してそれに力を入れている。その理由は、ネットによる株取引が盛んだから儲けが得られそうだ、というだけでなく、ネット投資家が本業である自社サイトを利用してくれるかもしれない、という相乗効果も期待しているからである。このように、企業は、「自社にとって相乗効果の高い事業はないか?」「自社の技術を生かせる新規事業はないか?」ということを常に考えているのである。
○エピソード1 さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(利益の出し方)
たーけやーさおだけー。誰もが1度は耳にしたことのあるこのメロディー。あの「さおだけ屋の」テーマソングである。先日、久しぶりにさおだけ屋を見かけたのだが、よく考えてみると、一度もさおだけ屋からさおだけを買ったことがないし、また買っている人を目撃したことも、買ったという話を聞いたこともない。さおだけ屋はちゃんと利益を出し、商売として成り立っているのだろうか?また、利益を出すためにはどうしたらよいのか?という会計の根本的な考えについてこの章では見ていきたい。
☆2つの大疑問
まず疑問は「どうして“さおだけ”なのか?」ということだ。別にさおだけでなくてもいいはずだ。そもそもさおだけは、引越しの際などに1度買えば当分のあいだ新しいものを買う必要はないはずだ。つまりさおだけは商品としては著しく需要が低い。それに、さおだけを買うには、近所の金物屋、今ならスーパーなりホームセンターなりに車を飛ばして買いに行くであろう。ポイントを整理すると、@さおだけという商品にそもそもの需要(ニーズ)がない。Aわざわざさおだけ屋から買うメリットもないという2つの問題点がある。
☆企業の大前提は「ゴーイング・コンサーン」
企業というものは継続することが大前提で、会計用語ではゴーイング・コンサーンという。
☆利益は「売り上げ」マイナス「費用」
○「売り上げ」から「費用」を引いたものが「利益」
○「利益」は企業が継続していくためには必要不可欠
商売を成り立たせるためには、利益を増やすこと。つまり売り上げを増やすか費用を減らすしか方法がない。ごく一部のさおだけ屋は単価を上げ儲けている所もある。
(結論1)さおだけ屋は、単価を上げて売り上げを増やしていた。
☆さおだけ屋は副業だった!?
ある人がさおだけ屋に普段は何をしているのか?と質問をしたところ、「商店街の金物屋だよ」とゆう答えが返ってきた。なんと、さおだけ屋なる商売は存在しなかったのだ。お得意様に商品を配達するついでに「さおだけ屋」を営業している金物屋もあるらしい。これだと仕事の合間にやっているので人件費はさほど変わらないし、トラック代、ガソリン代も本業のものをそのまま流用できる。つまり経費は限りなくゼロに近いのである。
☆売れた分がそのまま儲け
(結論2)このさおだけ屋の正体は別の言い方をすれば、初期投資のかからない副業なのだ。
☆さおだけ屋から考える商売の本質
この章ではさおだけ屋の謎をきっかけにして、「利益を出すためにはどうしたらよいのか?」という商売の本質について考えてきた。これは意外と重要なことで、会計的な考えの土台となる知識であるから、ぜひおさえておきたい。もう一度おさらいすると、利益を出すには、○売り上げを増やす○費用を減らすの2つの方法しかないということである。

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