亀頭を露出させ、仮性包茎の状態を脱するために包茎治療を希望される方の中に、ときどき混じっているのが埋没陰茎という症状をお持ちの方です。これがどういうものかをご説明する際に、なぜ亀頭に包皮が被るのか、というところから考えていきたいと思います。
ペニスは勃起したときが一番長くなります(当たり前ですね)。勃起は陰茎に行く動脈が広がることで陰茎本体の海綿体と呼ばれる組織に血液が流入し、膨らんでいきます。ある程度膨らんでくると硬くなるのはタイヤと同じで、タイヤチューブにあたる海綿体をタイヤのケースに相当する白膜という組織が取り囲んでおり、中のチューブが血液で膨らんでくると外の白膜がタイヤと同じように硬くなってくるわけです。ここで動脈が広がったままでいると、ペニスがパンパンになるため、身体に血液を帰していく静脈が圧迫されて陰茎内部に血液がプールされている状態が続きます。これが勃起というわけです。
さて、皮膚はある程度伸び縮みするとは言っても限度があります。ゴムと一緒で伸びるとはいっても限界はあるし、ある程度の長さより短くはなりません。仮に勃起したときに皮膚が余っていないとしても、萎えてしまったときには亀頭は皮膚で被る可能性があります。それは、
@ 膨張率が高く、勃起時と非勃起時で陰茎の長さに相当な差がある場合
A 非勃起時に陰茎本体がからだの中に引き込まれてしまう場合
の二つの場合です。@は正直、どうにもなりません。色々な方の陰茎を診たり触診したりして分かったことなのですが、普段の軟らかさや皮膚の厚みなど、人によって全く異なります。なんとなくの印象ではあるのですが、勃起していないときに陰茎を引っ張り出してみたときに、物凄く伸びの良い人は勃起しても陰茎は大きくなりがちです。逆に勃起してもさして大きくならない人は皮膚が硬く、陰茎を引っ張り出そうとしてもかなりの抵抗を感じます。
Aが実は今回のタイトルでもある、「埋没陰茎」と呼ばれる状態です。陰茎はその根元の奥の方で恥骨と呼ばれる骨と陰茎提靭帯(ていじんたい)と呼ばれる靭帯でくっついていて、陰茎がどういう角度で恥骨と付着しているかや、その靭帯の突っ張りの強さによって体の中にどの程度陰茎が引きずり込まれるかどうかが決定されます。仰向けに寝たときに陰茎が足元方向に倒れず、直立していたりお腹側に倒れしまったりする場合や、勃起したときの陰茎の角度が異様に上に向いたりするような場合は埋没陰茎であることが多いです(勃起したときの見栄えはこの方が立派ですが)。埋没陰茎は普段陰茎が身体の中に入って隠れてしまうことから、短く見えてしまうデメリットがありますが、手術で引っ張り出して固定してあげれば改善するという余地は残されています。これが埋没陰茎固定術と呼ばれる方法で、包茎手術だけでは依然として亀頭が隠れてしまう方には重要な手術となってまいります。
次回はこの埋没陰茎固定手術という手術について、その原理を解説していきたいと思います。

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