さてさて、1つ前の記事の坂爪さんのマウスピースの製作過程を追って解説しましょう。

まず、丸棒からこの形状に削り出します。
ヒレは付けるどうか最初迷ったのですが、やはりウチのアイデンティティみたいな所があるので、バッチリ付けちゃいました。そのかわり、シャンクのデザインは良くあるクラシック用のシェイプにしてあります。意外と上手い具合に良いスタイルになったんじゃないかな〜?(自分で言うなって!)
後はひたすら手作業で色々と削っていきます。

ビークやテーブル出してる所なんて、人様に見せられない位ローテクです。(笑)
くわえた時あんまり違和感が無い様に、初期段階では既製品を比較対象にしています。
実はビークの高さが吹き手の感覚にマッチするかどうかは、相当重要なポイントですね。
内部形状も、機械を使わずに手で四角く削るのは結構大変です。
ジャズ系のマウスピースは、個人個人で相当違うというか、かなり魑魅魍魎の跋扈する危険なワールドなので、普段あまり内部形状は載せないのですが、今回のクラシック用は、ある意味見慣れた形というか、あまり変え様のない普遍的なスタイルがあるので、ちょっとだけ載せてみます。

スタイル的には今回はやはりクラシック用なので、その筋では定番なものを参考にしています。あまりお客様が普段使ってるマウスピースとかけ離れてしまうと、全然ピンとこないなんて場合もあるので、こちらの作戦で複数原型を用意する時は1本はオーソドックスに、もう1本は独自形状でなんて事も普段からやっています。この写真は最終仕上げ前って感じかな。場合によって中もピカピカに磨いたり、お客様の音が落ち着いた時点で多少仕上げが荒めでも完成みたいに、ケースバイケースです。
今回は、アクリルの方は色々と挑戦的な形状でしたが、エボナイトの方はかなりフツーにしてみました。80'sフレンチ・スタイルって感じですかね〜。坂爪さんのマウスピースは、僕的には某ソロイストあたりを狙っていたのですが、初期段階からだいぶ掘りましたね。やっぱしな〜!ハデなんだよな!(笑)実際写真で見るよりも、結構バッフルも落ちて、手前大きく、真ん中少しキュッ、ボアがボン、なボン・キュ・ボンなスタイルですね。
サイドレールやティップレールあたりの仕上げは、太すぎず細すぎずっていう所でしょうか。ジャズ用みたく極細のレールとかも良いかもしれませんが、この形状だと適度にチェンバーを絞る為に構造上あんまり細くできない(特にレール根元の方)感じですね。極細レールとか1920年代のマウスピースみたく強力なラージチェンバーとかは、また別口でトライしてみますね。
この位から試奏しつつ調整です。

アルトはほとんどmk6とserie2で取っ替え引っ替え吹きまくり、大抵の場合リードも一応お客様の使ってるリードに合わせてます。新しく1箱空けて、10枚中何枚ヒットするか?とか色々とチェックしつつ、内部形状とかフェイシングを詰めていきます。
マスキングしてます。

ロゴマークの刻印も何も無いウチのマウスピースですが、一応オシャレも欠かせません。まあ、ヒレが付いてる時点で、十分ハデというか、妙にゴツいかもしれませんけど・・・
色入れてます。

ローテクだなぁ。
マスキングを取ると細いラインが出現。

ちょびっとハミ出しちゃった所とかは、最後に磨く時に取ります。
で、さー来いお客様!な状態になるワケですね。
しかし、クラシック用作った事で、色々とハッキリ見えて来るサックスのメカニズム!実は、クラシック用自体は昨年頃からトライしていて、色々とノウハウも貯まって来ていたのですが、やはりそうなのかっ!って事が沢山あって、本当に面白かったです。
きっと、クラシックも、人の数だけ思ってる音があるんだろうなぁ。
もっと作りた〜い!

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