女性に良妻賢母であることを求める風潮や、それとは別の生き方をする女性に対する
バッシングも重なります。また、これもとても良く似ていると思うのは、多くの人たちが、「それほど不幸とは感じておらず、(むしろヒトラー体制のなかでの生活を)幸福と感じていた」点です。人種と思想によって「国民」と「非国民」とに分けられた人たちの間には、溝ができました。私たちの社会にも、(好きな言葉ではないですが)「勝ち組」と「負け組」が存在します。富める人たちはますます豊かになって今の世の中を幸せに感じているでしょうが、貧しい人たちは声を上げるゆとりさえ持つことができません。思想のために弾圧されている人たちは大変な苦しみの中におられますが、大きく報道されることがないので、多くの国民は知りません。
(めちゃくちゃに法律を変えてしまったとはいえ、最初は)選挙によって政権が選ばれていることも同じです。それから、一番似ていると思うのは、多くの人たちが、あんなにひどい戦争を経験して今は民主的な憲法があるのだから、絶対に同じことなんて起きないだろうと安心している点です。(ナチの正体を早い時期に見破った人たちの忠告は、この大きな安心感に押し流されてしまいました。)
こうしたいろいろな共通点があるなかで抵抗した人たちの記録を読むと、そこから学べることがあるように思います。
この本に出ている抵抗運動のなかには、良く知られている暗殺計画もありましたが、ほとんどは、ヒューベナー少年や白バラグループのように、政権の流すプロパガンダの嘘を暴く(または、そのうえで蜂起を訴えかける)文書を配ることでした。
私も今同じことをしています。もしも全国的に東京の学校のニュースが流され、日の丸に反対する先生は徹底的につぶさなければならないと言っている人が、憲法改正と教育基本法改正の必要性を訴えていることがわかれば、この改悪案が何を目指しているか、その危険を感じ取ることができます。でも、東京のニュースが伝えられず、「『国』には統治機構を含まない」といった気休めだけが伝えられていると、正体を見抜くことができません。多くの人たちは、戦争の悲惨な記憶を留めていて、もう2度と同じ過ちは起きないだろうと考えているからです。(あの戦争で苦しまずにすんだ人たちが一部にいたことは
『あの戦争は何だったのか』にわかりやすく出ています。)
ですから、これからも、出来る限り情報を伝えるということをしていきたいと思います。
多くの人たちが、今はもう民主主義の世の中なのだから教育基本法や憲法を変えたところで、同じ過ちは起きないだろうと安心しているのですから、もうすでに恐ろしいことが起きつつあるという現実を伝えることによって、危機を感じ取ってもらうことが必要だと考えています。
情報を伝える手段として、今はインターネットがありますから、多くの人たちに伝えられます。この点では60年前とは比較にならないほど希望がありますが、テレビや新聞の影響力もとても大きいのですから、やはりテレビや新聞に要望する、意見を送るということもしていかなければならないと思っています。
以前は、もう新聞がダメだからネットでやろうと思っていましたが、「何も心配要らないよ」と安心しきっている人たちは、ネットより新聞やテレビを見るわけですから、そちらで少しでも本当のことが流されるようにはたらきかけをしなければならないと思うようになりました。私のブログのような小さな情報発信にさえ、当初は改憲派の方たちから驚くほどの書き込みがあって、気力が萎えそうになることがありました。テレビや新聞のような大きなメディアには、ものすごい数の意見が集中するのではないかと思います。テレビや新聞に意見を送ることは面倒ですが、これからは、良い番組や記事があったら応援メールを送って、悪いものには抗議をする、といったことも、もっとやっていこうと思います。
今国会で教育基本法を守るためには、私にはもう議員さんに意見を送ることしか残されていないので、これをやります。守りきれれば、来年に向けてブログで情報発信を続けると同時に、身近なところで話のできる人たちに話していきたいと思います。
9条を守るためには、ブログのほかに、地元で入っている「九条の会」もとても有効です。先日、地元紙への意見広告掲載の報告が届きました。
私の入っている会は、催しや活動への案内を郵送してくださるので、楽に参加できてとても便利です。意見広告は、会員数よりずっと多くの賛同が集まり、お金があまったので、ほかの2紙にも載せることができたそうです。賛同メッセージの一部が会報に載っていましたが、戦争経験者の方の強い思いや、若い方の「何があっても9条は守る!」といった多くの声に、とても励まされました。運動を大きくしていくために、できるだけ催しに参加していこうと思います。
インターネットは、情報を送るだけでなく、遠くにいる多くの方たちと連携できる点でも、とても効果的です。おそるおそるブロガーズ・リンクに入れていただきましたが、入ったおかげでいろんな方がTBをくださって、とても励まされています。ブログは、いろんな個性の人たちが独自につくっているので、そこに来てくれる方たちもさまざまになって、可能性が広がります。ブロガーズ・リンクには、同じ思いでブログを書いておられる方たちがたくさんいらっしゃるのでそれだけで励まされますが、ブロガーズ・リンクに入っておられない護憲ブログの方たちや、護憲をうたっていないけれど、絶対護憲だよね〜とかんじられるブログも本当にたくさんあります。そういう方たちの存在を知っているので、ブロガーズ・リンクがどんどん増えなくても、私はそんなに悲観していません。
護憲を看板にすると、いやな思いをすることもあるし、窮屈になってしまうと感じる人たちも多いんじゃないかなと思っています。私も出発点は「普通の暮らし」を守りたいということなので、そういうスタンスのブログにはとても共感しています。ここに書いてしまうと、ご迷惑をおかけすることになるんじゃないかと思うので紹介できませんが、お気に入りブログがたくさんあります。これからきっと、もっと増えるだろうと思います。
長くなってしまいました。
自由と平和を取り戻すために命をかけて闘った多くの人たちの勇気から学んだことを無駄にしたくないと思っています。
幼い娘を残して死刑に処せられた女性の1人、ユーディト・アウアーという方の最後の手紙をご紹介させてください。女性は「美しくなり、迷わず結婚して、家庭という戦場で責任をもち、子どもを産み、〈母性十字勲章〉を授けられる」べきだと考えられていた時代のことです。
わたしのかわいい、かわいい、いちばん良いお友達!もう1つだけ、特にあなたの心にとどめておいてほしいことがあります。あなたは、幼稚園の保母さんになりたいと言っていたわね。あなたの願いを心から支持しますよ。でもそのときには、あなた自身の経験をよく振り返って、ただ教えられただけのことはたいてい忘れてしまうようになさい。いつでも、愛によって自分を律するようになさい。本当の愛から犯した誤りは、決して罪ではありません。
あなたはこれから、大きな苦しみを背負わなければならないのです。わたしがもうこれからあなたのために与えてあげることのできないすべての喜びを、あなたの小さな生徒たちに分かつようになさい。それがあなたを慰めてくれるでしょう。
もう終わりにしなければなりません。強く勇敢でいてください、私のかわいい子。あなたが一人ぼっちになることなど決してないのを、わたしは知っています。
わたしはすべてを静かにしっかりと耐えぬきますからね。
さようなら。キスをしてあなたを抱きしめます。
あなたのお母さん