一月ほど前に読んだ伝記です。
ケストナーには子どもの頃から何度も助けられているので、そういうことをいろいろ書いていたのですが、長々説明をするより、早く彼の言葉をご紹介したくなりました。その他もろもろはまたいずれ書きますね。
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戦後、ケストナーは始業式に集まった子どもたちや先生や父兄たちを前に、子どもたちを、学校教育の中でがんじがらめにしないようにと呼びかけた。
「どうか、子どもたちを果樹園の果実のように育てないでください」(『小さい自由』より)
子どもというのは、大自然の中に生える木のように、力強い生命力をもっている。だが、果樹園で管理してしまったら、ただひたすら整然としているだけがよいと思いこんでいる果実しか育たない。これは、軍国主義的な管理教育が、ナチスの台頭を許してしまったことを念頭に置いての言葉だった。
ケストナーのいうお手本とは、管理された教育の中の優等生ではまったくない。(ケストナーは子どものころ、自分がそんな優等生だったことを残念に思っていた)むしろ現実をちゃんと見て、そんな管理教育のゆがみに気づく子のことだ。ケストナーの根底に流れていたのは平和主義の思想であり、「戦争や軍国主義を賛美する歴史観への批判」だった。
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『ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家』
クラウス・ゴードン
那須田淳・大本栄訳(偕成社)