これは半分以上、昨夜書いた記事です。途中で今日採決の情報を頂いてファクスを書くために中断しました。採決前にあわせて放送されたんだろうか、と思いました。それで、今日続きを書きました。
----------------------------------------
なんとなくテレビを見ていたら、クローズアップ現代が「教育基本法改正」を取り上げていました。
焦点となる「愛国心」ということで、番組がつくられていたのですが、これはもう宣伝だなあ、と思いました。前回の広島県のことを取り上げた番組のときも、日の丸君が代強制や教科書問題を取り上げていた番組とはすっかり変わっていてがっかりしたのですが、今回も、本当にがっかりしました。どんどん宣伝になっていってるんですよね。
まっとうな批判精神が感じられたのは一番最初の「
日の丸・君が代」だけ。
2番目の
教科書問題は、遠慮してるけど残っている、と思いました。
3番目は完全に骨抜きの宣伝番組だと思いました。
昨日のは、ぞっとする恐ろしさでした。一番怖かったのは、中で紹介されていた小学校の「愛国心」の授業ですが、1年半前、まったく物怖じせずに、東京都教育長に核心をつく質問をしておられた国谷さんが、この問題への意見を表明しないように神経をつかっておられて、記者の方もそうなのでしょうか、スタジオのお2人の会話から、腫れ物にさわるような感じを受けたのも、とても悲しかったです。一応改正反対の立場の方たちも取材していましたが、「愛国心」を教えることの是非が本当に争点にされているようには思えませんでした。「愛国心」をどう教えるかに照準が絞られていた気がします。
はじめから、今、教育基本法が「かわろうとしている」と説明がありました。「変わろうとしている」のではなくて、政府がむりやり「変えよう」としているのです。
でも、何も知らずにこの番組を見たら、そんなことわかりません。
なぜ変えるのかという国谷さんの質問に、記者の方が、「政府は、不登校やいじめなど様々な問題が起きてきたのは、教育基本法に沿って行われた教育が個人の自由を尊重しすぎたためだと考えている。あまりに自由を尊重しすぎて、子ども達の規範意識や公共の精神が失われてきた」と言われました。まったく政府の宣伝どおりです。
そして、伊勢皇學館(中高一貫)校が紹介されました。校長先生は「愛国心」が教育基本法に盛り込まれることを歓迎しておられました。毎年教育勅語が発布された10月に、全校生徒が書写をするのだそうです。取材に応えて、男の子が教育勅語をすらすらと暗誦してくれました。
次に、東京のキリスト教系の中高一貫校が出てきました。この学校では何よりも「教育の自由」を尊重してきたそうです。戦時中は隠れてお祈りをしていたそうですが、そのために教頭先生が憲兵隊につかまって拷問されたのだそうです。社会科の授業で、教育基本法をきちんと教えておられる先生の授業が映りました。(うらやましい!私はこんなふうにこの法律を教室で学んだことはありません。)この学校では、聖書の教えにしたがって「民族や国を超えて広く世界を愛する心を教えている」ので、教育基本法に「愛国心」が盛り込まれると、行政によって介入を受けるのではないかと心配しているそうです。
次に、教育基本法が改正されたら、「どのように愛国心を教えたらよいのでしょうか」ということで、東京の2つの公立小学校が映りました。学習指導要領にもとづいて「愛国心」の授業を行っているそうです。はじめにうつった小学校の授業はぞっとするものでした。6年生の授業でした。富士山の映ったきれいな写真をボードに貼って、先生が短いお話をされました。「四季のない外国」からきた女の子が、日本の男の子に「四季のある日本は美しい」と言います。すると、これまで日本のよさに気づかなかった男の子は、「そうか日本は美しいのか」と気づいて、日本をだいじにしようという気持ちになる、というお話です。子どもたちに意見を聞くと、2人の子が、「今まで考えたことなかったけど、日本は美しいんだなあとわかった」というようなことを言いました。でも、1人、別の意見を言った子もいました。「四季のない国だって、やっぱりきれいだと思うのに、どうして日本(だけ)が美しい、ということになるのかわからない」と言いました。すごい!そのとおりですよね。私が先生だったら、感激してしまいます。
でも、この先生は全然喜んでくれなくて、「今までアキラ(男の子の名前)くんは気づいてなかったんだけど、女の子に言われてはじめて気づいて、日本って美しいんだなと思ったのよ」と説明されました。女の子はけげんそうな顔をしていたけど、ナレーションによると、授業の最後には、ほとんどの子が、「日本は美しいと考えるようになった」そうです。なんと恐ろしい授業でしょうか。。。
こういう授業がもうすでに行われていることに愕然としましたが、番組では、まだ与野党の攻防が続いているとしつつも、もう教育基本法は「変わる」ものだという感じで伝えられていました。変わったら、どんなふうに学校で「愛国心」を教えていったらいいのかとか、そういう具体的な点について、政府は国会でもっと説明するべきだと記者の方が言われました。
もう1つの小学校では、先生が、箸にまつわる言葉を集めて、日本の文化に興味を持たせるという授業をしておられました。自分には「愛せ」という価値観を押し付けることはできない、自然に興味を持つような努力をしていくだけだと言われたこの先生に共感しましたが、学校でこういうことをしないといけない、という点には疑問を持っておられないのか、疑問だけれども仕方なくしておられるのか、その点についてはわかりませんでした。
この番組について、今日の特別委員会で自民党の河村建夫議員は、「現場の先生方が色々工夫して子どもたちにあったやり方で努力してくださっている」と評価しておられました。