2009/7/3
未来から心を与へに来た男
ターミネーター4は、シュワルツネッガー知事もごく一部友情出演(またはCG出演?)していたが、新しいキャストによる2018年のスカイ・ネットという機械により征服されてしまった現代世界を「人間」が取り戻そうとするSF活劇だ。機械と人間のどこが異なるかを真剣に論じようとしているところが見ものだった。結局、「心」というところに落ち着くわけだが、その「心」を象徴させているのが未来から来たマーカスという半ロボットだ。ご存知、ジョン・コナーは、機械の帝国スカイ・ネットと戦って、T−800タイプ(初代ターミネーター)により深手を負ってしまう。マーカスを助け、直後にマーカスに助けられるのだが、心臓も傷つき、もはや手の施しようがなくなる。そこで、半ロボットのマーカス自らが、心臓をコナーに提供したところで映画は終了をする。人間と機械との決定的な違いを「心」に求め、それを「心臓」により象徴させようとしたターミネーター4の製作者達は、現代の人間性をあたかも日本に求めているのではないか、と錯覚をしてしまうほど、日本を意識しているようにも思われた。トランスフォーマーにしろターミネーター4にしろ、日本を意識した近未来的な映像が人気を博する理由はいったいどこにあるのでしょうか。車と電気製品という優秀な機械を売り込む日本株式会社を暗に批判をしているのかもしれないが、そうだとすれば、未来から送り込まれたマーカスの「心臓」の移植によって「心」を現代に伝へる、というこの映画の主題を解題したことにはならないだろう。ターミネーター4は、人の「心」こそが機械と人間を峻別するものであることを雄弁に語ってくれる。ただ、17世紀イギリスにて、早くもジョン・コナーならぬジョン・ロックが「人間機械論」において人間は感覚器官を備えた機械である、と喝破していることを御伝へしておかなければならないでありましょう。スカイ・ネットへの攻撃のためではなく、人間の平等を説くために。