カラマツのフルートが少しずつ動き始めました。数年前に知人の好意で山に積み上げてあったカラマツの中から好きなところを切り出して良いと言うことでした。多分ものにならないだろうけど、試しにということで出かけて行きました。
とっても天気の良い一日でした。全くの好意でチェーンソーを持ち込んで切ってくれたNさん。二人で運べるギリギリの長さと太さで、出来るだけ目がつんでいるところを選んで、小型トラックに載せて幼馴染が経営している製材所に運び込みました。プロの目から見ると、話にならないような材料だけど、君が使ってみるというならやってみようか..という流れになりました。
やがて運ばれてきたカラマツはヤニと割れが酷かったのですが、とりあえず何年か寝かせて使えるところがあればいいかな..と。それから3年ほど積み上げて置いたものの中から一枚だけ取り出して昨年末に一本だけフルートを作りました。
その響きはとても印象的なものでした。成長の早い年輪の幅の広いカラマツだったからでしょうか、たっぷりした不思議な柔らかい響きの中に硬い樹脂の響きが絡み合うフルートになりました。目がつんだ均質性の高い樹木にはない複雑に交じり合う響きは特有の世界を生み出してくれました。
新年が明けて間もなく、当時一緒に切り出してくれたNさんがひょっこり自作の弦楽器を持ってやってきました。そこでカラマツのフルートを音色を聴いてもらったのですが、彼は切り出したことなどすっかり忘れていたと言いました。その時の木が、こんな音色になるなんて..と驚いていました。多分、そのとき山に残してあった木はすっかり腐食してるだろうね..とも話していました。
新緑の頃のカラマツの美しさに出会うと心の中に喜びが広がっていくのを感じます。とりわけ雨上がりのカラマツ林は尽きることなく人生を包み込んでいる幸せを歌っているようです。黄金色の紅葉の美しさに出会っていると、どうして自然はこんなに繊細な美しさを惜しげもなく降り注いでくれるのだろう..と心が歌い始めるような気がします。
今年は、カラマツ・ラブフルートを持って新緑の中でゆったり過ごしたい..。美しい紅葉の中で静かに過ごしたい..。そんな時間を楽しみにしています。一年のうちの二日間だけでいいから、そんな時間が持てたらいいな..と思っています。
こうして書き込みをしている傍で、イチイもクルミもシウリザクラもイタヤカエデやミズナラやニレやアスナロもボダイジュや栗やレッドシダーもブラックウォールナットやポプラもそわそわしています。まだまだ他の木たちも待っています...。み〜んな連れて行くとなると大変ですが、色んな木のフルートを持った仲間が集まれば大丈夫!!となると、今度は森や林がそわそわし始めるかもしれません。

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