2015/5/13

夕張合宿の宿・ひまわりでお伝えしたこと その2  ラブフルート

夕張 合宿の宿 ひまわり 千歳北陽高校の一年生と過ごした時間の後半の流れを書き留めてみます。全体性を土台にし、多面的視点を持つ生き方。象徴的に球体として生きると表現し、その断片的な要素を磁極の特性としてお伝えし、いつかこうした認識の大切さに気付く機会があればと思いつつの時間でした。

 今回のお話しで大切にしたのは、あれこれと具体的手段を提示したり誘導しないということでした。言われたことを実行する忠実さは、ある意味扱いやすい人間を量産し、行動にまとまりを持たせることになるでしょう。それは、ある領域では必要ですが、同時に危険性も孕むでしょう。

 社会的秩序(全体性)と個(個性)の尊重。これを言葉にしたり、何らかの説明的概念を示すことはできるでしょうが、実際的で具体的な事柄となると、必ずしもバランスがとれる訳ではありません。最終的には、全体の秩序を理由に個が抑圧され、退けられる事が少なくありません。

 この辺りの現実的で矛盾を孕む要素を徹底して吟味する作業が軽視され、取り敢えず結論を出す。その繰り返しが固定化され枯渇した暗黙の意識を形成しやすいように思います。

 僕自身が、真摯に大切だと感じることをお伝えする姿勢を持つこと。それは殊更強調するようなものではありませんが、やはりどこかではっきりと確認しながら生きていく必要がありそうです。

 東北支援というひとつの出来事に限定せず、ひとりひとりが自分の中心軸から発想すること。頭で考えたり認識することで終わらず、具体的に実際に行動しながら進むことの大切さをお伝えしました。

 被災地の厳しい現状を凝視することで、なにか具体的な動きが生まれるだろうか。その事例や可能性を示すことはやめ、自分なりに考え、選択し、一歩を踏み出す。ひとりでも、足をむずむずさせ、動き出してみる姿が生まれればと、じっと待つ。これが今回の土台でした。

 学生たちが、保育園の子供たち一人一人のために手紙を書き、交流をする。室内保育の助けになる事を考え出すなどなど。これは、現地のニーズと付き合わせ、相互の交流が形式的な段階から、より率直に思いを表現できる関係を築きながら根気よく歩む必要があります。

 現在、5度目の東北訪問の準備を始めていますが、状況は絶えず変化し続けていますからギリギリまで試行錯誤を繰り返すことになるでしょう。誰かが答えを持っているわけではありませんから、具体的直接的に行動するひとりの存在が鍵になります。

 後半は、ひとりの人間が思いを抱き、行動することが、どれほど大切で大きな変化をもたらすかをお伝えしました。集団の中では、自分が小さな存在にすぎず、なにもできないなという感覚が出やすいものです。

 このとき、同行してくださった皆さんの紹介をし、具体的実際的な事例を目の前で知っていただきました。太陽光と繋がりながらいきる事がもたらす意識の変化、生活の変化を伝えるためにひとりで全国を回る早川さん。彼が、呼び掛けに答えて被災地からの避難者家族の遊び場・ソドデアソビダイベシタにソーラーエネルギーで真っ暗闇の山の中に明かりを灯したこと。そして、いま皆さんの前に来て、太陽光のエネルギーで音響装置に必要な電力を供給しておられることをお伝えしました。

 また、合宿直前に出会ったYさんが、千歳北陽高校の卒業生であり、皆さんと出会うために集われ、オーストラリア先住民の楽器ディジュを一緒に演奏してくださること。そのひとりの行動が、こうして多くの皆さんとの出会いをもたらすこと。

 さらには、東北支援活動をコツコツ続けていくなかで、新聞に掲載された活動を知って電話を下さったSさんを紹介しました。彼女は千歳北陽高校の卒業生ではありませんが、僕の高校時代に隣のクラスにいてバレーボール部で活躍していた女子高生でした。

 こうして、たったひとりの人間が、心に決めたことを具体的に行動するときに何が起こるかを実際に知っていただければと当人たちを目の前にしてお伝えしました。

 ひとりの大切さと同時に、ひとりを大切にして理解し、手を繋いでくれる存在の大きさをお伝えしました。最初の一歩のひとりにもなれるし、ひとりを大切にする友になることもできる人生の豊かさをお伝えしました。

 最後は、今回のお話しとラブフルートとドラムの演奏を皆さんに伝えたいと願ったひとりの人、塩野さん。ひとりではなかなか先に進めなかった時、それは良いかもしれないと同調してくれる先生がおられたこと。そばにいて寄り添う存在が、この場を産み出したことをお伝えし、ダブルフルートの演奏をして終わりました。

 終わってから、数名の学生さんが会いに来て下さり、丁寧にお礼をされたり、感謝や感動の思いを伝えてくださいました。

 お話し中で、皆さんの中に、ひとりでも耳を傾け、心を寄せ、何かを感じてくださるかたがおられたら十分満足ですとお伝えしました。

嬉しいことに、ダブルフルートの響きに深く感動し、うっすらと涙を浮かべながら握手を求めて来られた男子学生のキラキラした顔がしっかり心の中に飛び込んできました。

学級委員長になって、いろんな事で悩んだり迷っていたけれど、お話しを聞いてとても勇気が出ましたと伝えてくれた女子学生とそのお友だち。

いまにも泣き出しそうな表情で、僕はとても大変な思いの中にいて、とても苦しく辛い状態でした。今日のお話しは、僕にとってとても大切で必要なことがたくさんありましたといいながら、何度も握手を求められた男子学生。

 千歳北陽高校の皆さんとのひとときは、次の物語へと続いていくことと思います。ひとまず、ここでひと休みさせていただきます。

 後日、公的礼状を郵送ではなく、直接お渡ししたいと塩野さんが自宅まで足を運んでこられました。こういう姿勢で生きておられる教師がおられること、その出会いは小さいけれど、しっかり心にとどまり、力になります。

SNSで済ませず、郵送で済ませず、時間をさき、直接顔を会わせて思いを伝える。これは東北の活動の姿勢に通じるものです。

 合宿後のある日、塩野さんが小さく足踏みをしていると、数名の学生が足踏みでセッションしてくれた...と嬉しそうに話してくださいました。あの合宿のときのみんなの足踏みドラムが密かに続いているのだとしたら、ちょっとニンマリです。クリックすると元のサイズで表示します
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