二一 熱氣球 佐賀バルーンフェスタ開幕 14カ国113機参加
熱氣球色とりどりに上げ比べ佐賀の平野に冬近づくも
旅空ゆ聲寄せゐぬればまゐる歌
阿蘇までを戀ひ登れる身末おほふ道貫け榮えむ得し恩和す音
双眼やさしむ世話愛でなん世
ねつききういろとりとりにあけくらへさかのへいやにふゆちかつくもたひそらゆこゑよせゐぬれはまゐるうたあそまてをこひのほれるみすゑおほふみちぬけはえむえしおんわすねもろめやさしむせわめてなんよ
二二 ひつぎ
藩屏なく詔下し得ぬ朝に皇子もなきを危ぶむ天
晴れ冴えし空にも居むをかぎろへる夕かげさすや代々の大海
愛植ゑつ常生ひ分けり練れる地を通す魔故舞ひ散らせぬ眼ぞ居ん
はんへいなくみことのりくたしえぬてうにみこもなきをあやふむてんはれさえしそらにもゐむをかきろへるゆふかけさすやよよのおほわたあいうゑつつねおひわけりねれるちをとほすまゆゑまひちらせぬめぞゐん
二三 母に毒
母に毒盛れる少女のことをだに聞き居て安からぬ思ひするかな
銀杏色づく空降り居悩む夢
猫我をまじまじみつめ冷え冴えん室邊頬寄せ拔け寝ん朝べ
醉ふ身故泡浮けその血垂り
ははにとくもれるせうちよのことをたにききゐてやすからぬおもひするかないてぬいろつくそらおりゐなやむゆめねこわれをましましみつめひえさえんむろへほほよせぬけねんあさへゑふみゆゑあわうけそのちたり
二四 危惧種
意見の相違あるも聲揃へ音絶えぬ水脈湧井に降り立ち笑まん世
絶滅を危惧して朱鷺に信天翁假名の書法もなぞらへけるか
滅び得ぬ夢間峰搖れ戀ひ住むや干さす瀬に這ふ一夜照られむ
いけんのさうゐあるもこゑそろへねたえぬみをわくゐにおりたちゑまんよせつめつをきくしてときにあはうとりかなのしよはふもなそらへけるかほろひえぬゆめまみねゆれこひすむやほさすせにはふいちやてられむ
二五 「歸國」 アルベルト フヂモリ氏
智慧凝らし災ひ避け居む色なほひろげ笑むや ああ憂き有爲よせせり
二た國を股かけ迷ふ日本人とらはれかへる祖國の地へ
癒えぞ湧き寝ぬる野を捨て常得ぬ身燃やす名織れりお伴夢見て
ちゑこらしわさはひさけゐむいろなほひろけゑむやああうきうゐよせせりわふたくにをまたかけのまよふにほんしんとらはれかへるそこくのつちへいえそわきねぬるのをすてつねえぬみもやすなおれりともゆめみて
二六 非常事態
エウロペの空不穩氣に常の聲傳へ得ぬ日や違和爆ぜ噛む袖
夜歩きを警め搖らぐ三色旗奉ずる藍嶺に冬到れりや
音も無み夢魔裂け頃か果てぬ智慧思ひ和す道なほ尋め競れり
えうろへのそらふをんけにつねのこゑつたへえぬひやゐわはせかむそてよあるきをいましめゆらくさんしよくきほうするあゐねにふゆいたれりやおともなみむまさけころかはてぬちゑおもひわすみちなほとめせれり
二七 熟年離婚
熟年離婚を詠める
宮仕へ退け頃妻にそむかれて濡れ落葉の身寄る邊もなきに
災ひの致す故をも覺え得ず朝寝間なげき歌色失せて
鳥ら温めふふむ智慧と汗や 違和逸らし
しゆくねんりこんをよめるみやつかへひけころつまにそむかれてぬれおちはのみよるへもなきにわさはひのいたすゆゑをもおほええすあさねまなけきうたいろうせてとりらぬくめふふむちゑとあせやゐわそらし
二八 テロリスト
テロリスト追ひつめられて自爆せる始末も聞くかバリの山根に
爭ひの絶えぬ世界を聲聲に嘆けどなほもうち妬み合ふ
業憂き色添へ見む位置餘韻得ぬ世を割る群れ結ぶ夢さへ覺ゆや
てろりすとおひつめられてしはくせるしまつもきくかはりのやまねにあらそひのたえぬせかいをこゑこゑになけけとなほもうちねたみあふわさうきいろそへみむゐちよゐんえぬよをわるむれむすふえんさへおほゆやほゆや
二九 強制猥褻
女児等を裸にて走らせゐぬる男逮捕され
聲寒くなりて常の世色脆く遊び飽きけむ身の末忘るや
若き日に思ふ縁充ちうづめんや夢間臍結へ受け得ぬ大人
眞似ぶ胃へ競れり
ちよしらをはたかにてはしらせゐたるをとこたいほされこゑさむくなりてつねのよいろもろくあそひあきけむみのすゑわするやわかきひにおもふえんみちうつめんやゆめまほそゆへうけえぬおとなまねふゐへせれり
三〇 妄想
値頃老い弱めいぢけ居ん理にふて笑む氣故慰めの罠置き舞ふ頬
ひすがらをあらぬ望みに費やしてはやたそがれむ道を戻れる
うつろ世へ反吐塗り眉根映え冴えん歩き煙草も癖失せず居し
ねころおいよわめいちけゐむりにふてゑむけゆゑなくさめのわなおきまふほひすからをあらぬのそみにつひやしてはやたそかれむみちをもとれるうつろよへへとぬりまゆねほえさえんあるきたはこもくせぬけすゐし