2017/1/21

『10万年の世界経済史』13  お勧めの1冊

『10万年の世界経済史』13
下巻に入るとなかなか難しい。高度な数学は不要だとのことだったし、事実そうなのだが、それでも難しい。1つには毎日30分程度しか読めないので、何度も同じ場所を繰り返し読まないときちんと覚えていないことがあったりで要領を得ない。休日もこのところ何かと忙しく腰を落ち着けて読んでいないからだろう。ま、全て弁解ですが(汗)

さて、ここからなぜ1800年頃に産業革命が起こったのかについての諸説を紹介する。
1つは外的要因、つまり社会制度やイデオロギーの変化によるというもの。
2つ目は不健全で停滞した均衡状態が壊れたことによるとするもの「複数均衡説」。
3番目、最後に内的要因。すなわち経済そのものがある閾値を得て突然産業革命に飛び込むというもの。

結論からいえば、それぞれの説に欠陥があり、どれだとは結論されないという。

最初の制度・イデオロギー説については、それらが悪ければいつか打倒、再編成あるいは迂回の道を見つけるものだという。例の1つの挙げられていたものが、あの利子。キリスト教でもイスラームでも利子は悪徳とされたが、ちゃんと迂回の道を作った。つまり制度やイデオロギーが経済的利益と対立するときは前者が経済にすりよるということ。p41

次の「複数均衡説」についてはなぜそれが1800年に均衡が崩れたのか、あるいはそれまでの無数のシステムがすべて異なった均衡から停滞していたということがうまく説明できない?ということだろうか? 例えばよく言われる、少子化、高学歴化については、時期的に100年近くずれるし、p58 実際には高所得者は逆に子供の数が多いという逆の結果になっているのが現実。p56

また教育の高さが所得に反映していたのは産業革命よりはずっと先、ペストの流行が始まる前だという時期的ずれがある。先の少子化は先日も議論したように青年まで生き延びる子供の数が高くなった時期に急激に少子化に入ったのが歴史的事実なので原因よりも結果なのだろう。さらに識字率をいうなら産業革命期には変化がない。p58 また識字率を挙げるならモスレムはすべて原則的にアラビア語が読めなければならないとされた時期の到来、つまりアッバース朝に産業革命が起こってもよかったはずなのにそれは歴史的事実ではないという問題もある。

最後の内的要因については、これも人口と効率性上昇率の相関関係における断絶をうまく説明できないとする。p61
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2017/1/20

組織的天下り斡旋  教育

文科省が組織ぐるみで天下り斡旋をしていたとの報道。それが事実ならこの時代になっても!と驚くばかり。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6227712

所轄の民間に再就職するの自体も問題だと考えるが(←利益誘導を考えない方が不自然)それを省庁自体が進めていたとはこの時代にどうゆうことだ? 私立大学にとって様々な許認可権を持つ文科省の意向に逆らうことがいかに難しいかは、内部にいればよく判るだけに許せないと思う。

所轄の民間に再就職するには退職後5年とかいうのを法律で決めたらいいと思うがどうだろう? 
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2017/1/20

いろいろなこと  

<スマホアレルギーからの脱感作>
先日の記事の中でセンター試験について過去帳を引用したが、その中にたまたま一緒に載せていた記事が「滴滴去行」の記事だった。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3907/trackback

2年前の新聞記事で議論されていたことを今回自ら経験して、これまでの「スマートフォンアレルギー」が一気に消滅した。それほど個人的には強烈な印象だったということだ。これからスマートフォンを使い、何ができるかがテーマになりそう。時代に10年遅れています(汗)
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<読書メモ>
福岡県内横断図書検索サイトを用い、目的の本が何処にあるか調べて見たとき、あることに気がついた。それは、 Toddの代表作である『新ヨーロッパ大全』に比べ、その前の荒削りな『世界の多様性』の方が大量に図書館に保管されているという事実。 

おそらく、後者が世界全体を対象としたものなのに対し、前者はヨーロッパのみに注目しているから日本の読者としては後者の方に注目するということだろう。しかし内容的には、『新ヨーロッパ大全』の方が精緻であり、膨大な資料を元に高度に洗練されている。それに比べれば彼の30代!での著作である『世界の多様性』はかなり荒削りで突っ込みどころは沢山あると感じた。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3536/trackback

<以下データーベースとして>

『新ヨーロッパ大全』(および関連本)
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『世界の多様性』および関連本
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ちなみに、ピケティーの『21世紀の資本』はさすがに多いが、今読んでいる『10万年の世界経済史』は少ない。それでも驚いたことに『新ヨーロッパ大全』より多い。

『21世紀の資本』および関連本
492 hits / 61 libraries

『10万年の世界経済史』および関連本
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そろそろ、中国はお正月モード。

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2017/1/19

『10万年の世界経済史』12-1  お勧めの1冊

前のものと前後します。別のPCに書き留めたものからupしました。


『10万年の世界経済史』12-1
著者は上巻の最後の章で何故産業革命以前の西欧世界がマルサス的桎梏から逃れたかを議論する。その1つに識字率と計算力の向上をあげ、また必要以上の労働を厭わない性質を挙げる。例えば1630年における遺言書から、識字率と子孫の数には正の相関があることを図9−5 p298、で示す。

しかし、この議論には個人的に多少疑問が残る。何故なら識字率を言うなら何故、最初のミレニアムが開く頃、すなわちアッバース朝のイスラーム世界で産業革命が起こらなかったのか? 当時モスレムは基本、誰でもがクルアーンを読めなければならなかった。つまりアラビア語の識字力を要求され、それがマドラサにより提供された。それはキリスト教世界と異なり、聖職者がいなかったこととも関連する。また計算力について述べれば、まさにアラビア数字こそが計量化革命を引き起こした。そのアラビア数字はまさにイスラーム世界から来たものではないか。

土地からの収益率 AD1150-2003年にp275 で著者は云う、

「大衆が国債の発行額や意義をよく理解していないと仮定すると、国債発行によって民間投資はクラウドアウトされ、資本ストックは減り、結果的に社会の総生産が減少する。無知な大衆は、政府が目下の支出を国債で賄っても、これに全く対処しない。もし大衆が理性的であるなら、将来の税負担の増大を見越して、国債額と同じだけの貯蓄を増やすだろう」と。p257

まさに今日本で起こっていること!

さらに著者は現在のOECD加盟国の国債発行額がすでにGNPの5〜6割に及んでいることから経済成長が健全ではないと述べているが、日本は既に2倍。 歴史経済学者のこのような指摘に対し今流行りの経済学者はこのことに対し、どのように反論できるのだろうか?

中世で収益率は10 %内外、古代では20%にせまると。これは時間選好性とよばれるものからくるもので、貧しく教育の少ないほどこの選好選好性は高いことがカルフォルニアでの解析からわかっている。またこれは幼児で計測可能であるとも述べる。たとえば6歳児は1日あたり許容できる収益率は3%で月利で150%。つまり、1月後にもらえるりんごが1個から2.5個になることが期待出来れば我慢する?278
これは原始的採集生活者の観察でも確認されている。かれらは将来の収穫にはほとんど無関心。279
産業革命がちかずくにつれ識字率と計算応力が向上した。このことは古代では墓標に刻まれた年齢から推定される。すなわち、識字能力や計算力のない人は年齢を0から5の数字で簡略化する。そこで
H=5/4(xー20)の式で計算能力が推定される。287
そこからローマ帝国時代は識字率はほぼ50%、1427年のフィレンツェで32%、18世紀末の英国で8%の推定がなされた。289

ここでも識字率と計算力が出て来た。なお識字率と計算力はべつのカテゴリーだが、ほぼ相関関係にあるという。

なお中世の識字率を推定する方法も面白い。当時聖職者は裁判で特権が得られたが、それれを証明するものとして聖書の一節が読めるかどうかのテストが科された、つまり裁判所の記録からそれが判るとか。291
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2017/1/18

時代は変わりつつある & 『10万年の世界経済史』12  お勧めの1冊

<時代は変わりつつある>
論文を校正に回すと、すべての試薬や機器の会社情報を記入するようにと示唆された。最近は企業もM&Aで合従連衡がすざましいし、ほとんどがグローバル企業なので何処に本社があるか判らない。そんな時、とても便利なサイトを見つけた。↓
http://www.scienceeditingexperts.com/company-information-lists

これで見ると圧倒的に米国企業だが、日本の会社より中国の会社の数が多いことを発見した。バイオ企業もいつの間にか中国の後塵を拝することになりかねない、いやもうそうなっている? 

ちなみにこのリストに載っている日本の世界的バイオ企業数は3社、それに対し中国は11社。  最近のNature、Scienceに中国からの論文は毎回のように載っているが日本からのものは僅か。いつまでも中国を馬鹿にする人が多いが、時代は変わりつつある。いつまでも下しか見ない日本人が多い。 これはその人の立ち位置を示している。上が見えない。否、見れる立場にないだけだ




『10万年の世界経済史』12
ここから下巻に入る。

興味深い図10-1が出ている。1260年以降のイングランドにおける所得と人口の関係である。それによると、人口が増えると所得はほぼ直線的に低下している。ところが、1640年頃から突然、人口が増加しているにもかかわらず逆に所得が増え始めている。

著者は「産業革命」という言葉の中に含まれる「産業」というのは不適切で誤解を与える言葉だという。それはこの時期、英国で起こった変化の中で顕著なものが、紡績や製陶、鋳造などの産業だったから誤解を与えたという。p8 実際、

産業革命の本質で産業的な面はまったくない』と断言する。p9

産業革命前の世界の格差は3〜4倍程度だが、その後には豊かな国と貧しい国の差が40倍にまで上昇したという。p10

ここから数学が出てくる。なかなか付いていくのが大変だが、直感的に理解できるものとして、1人当たりの経済の効率性が1%上昇すれば、産出量を1%増える。ただし1人当たりの資本量が1%増えても産出量はたかだか0.24%上がるにすぎないとも。p15

またこういうデーターもあるらしい。労働者1人あたりの資本の増加率と効率性の上昇率は強い正の相関がある。図10.4 p25 このことは一方の変数は他方の要因である可能性が高いとも。つまり効率性の上昇は労働者1人あたりの資本ストックの増大も促すと考えられるとも。p26 つまり効率正の上昇こそが鍵?
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2017/1/18

『10万年の世界経済史』11  お勧めの1冊

このところテレビ番組はトランプ政権がどの方向に向かって進むのかという議論ばかし。しかし私としてはトランプを選んだ米国がどうなっているのかという点、米国の現状に注目したい。このところの読書も全てそのための理解を深めるためのもの。


『10万年の世界経済史』11
経済学では技術進歩率を測定する方法として、人口1人あたりの生産物で表す曲線の上方移動によって示すらしい。人口が増えてもその同水準では最低生活水準の一定な値(y*)に戻ると前提する。 図7−1に技術進歩が著しい場合の上方移動を示す。さて、著者はAD1240〜1590年のこの関係を10年ごとに調べたところこれらのプロットがほぼ連続した曲線上にあることから、この間ほとんど技術進歩がなかったと結論する。図7−2 p226 そうした解析の結論として著者は西暦1000くらいまでは進歩率は0.01以下。それ以後AD1750年までも0.02〜0.04程度で推移したという。もちろんマイナスではないから徐々には上がっていることにはなる。p229 表7−1 結論といて世界は極めて長期にわたってマルサス的世界から抜け出せていないと述べる。p230

ここで少し気になる記載があった。1787年当時の中国できわめて人口密度が高いことから1800年当時に農業分野でなんらかの技術的優位性が生じていたとの結論を出すが、それについては「稲作」とする反論があるらしい。それについて著者は「稲作をしていない山東省や河北省でも人口が高かった」として否定的だが、そうだろうか? すでに当時は水運により江南の米は中国北部に運ばれていたのではないか! 昔から「江浙実れば天下足る」という諺もある。 p232
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2017/1/17

今日は阪神淡路大震災から22年  震災ー原発事故

22年前の今日あの阪神淡路大震災が起こった。

時の経つのは早いものだ。あれから日本の防災意識はどのくらい変わったのかと問われれば、反省することが多い。個人的にあの悲劇を「忘れないようにする」ために、神戸に行く機会があれば、長田区を訪問している。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4296/trackback
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あの大震災を教訓として自然災害に強い日本を作るための尊い礎にしないと思ったはずだが、その後に再び東日本大震災を経験し、しかも東日本では原発事故まで引き起こしてしまった。


「日本に原発は必要だ」という意見も強いが本当にそうなのか? 原発は経済合理性が破綻しているという意見も多い。 核燃料サイクルも破綻しているし、廃棄物処理も未解決の状態。それでいて今なお原発が必要だという人の論理が理解できない。

一度原発事故が起これば、国土消失の可能性すらある、単なるエネルギー費用だけで議論してはいけないことをもう一度確認すべきだろう。 そうでないとまた同じ悲劇を繰り返すことになる。
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2017/1/17

提案 & 『10万年の世界経済史』10  お勧めの1冊

<ジニ係数比較>
米国と日本は現在ジニ係数が同じくらいと言われる。
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ただし、両国の格差状況は異なると考える。ローレンツ曲線で違いを示せば、米国が右端で急激に上昇カーブを描く(トップ1%の収入が極めて大きい)のに対し、日本のそれは左端の上昇がほとんどない(下位10%くらいの低所得者が多い)

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結果としてジニ係数は同じで0.38くらいだが、格差解消の道筋は異なる。格差解消に日本では低所得者に対するケアーが重要になる。この低所得層には高齢者=年金受給者と若者の非正規低所得者が多いので、それに対応した対策が必要だろう。

このように整理して考えると対策は見出せる。すなわち、定年の延長=年金を受け取る側から納税者への転換。そして、その節約できた分を若者の支援にむける。単純化し過ぎですかね? でも解決策は明瞭だと思うのですが? 

わかっていてもできないのが日本の政治。


<センター試験>
毎年試験の内容で一喜一憂。今年は特に問題はなさそう。
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それにしても、全体的に難度が上がったよう。いよいよ「ゆとり教育」との決別か?



『10万年の世界経済史』10
平均寿命について面白いことが書かれている。それは衛生状況と平均寿命について、

『日本では人糞肥料が地代の代わりにもなったのに対し、英国ではそれを片付けるために金を払わねばならなかた』p177

人の排泄物の処理はヨーロッパでは大きな問題だったが、日本や中国では価値ある財産だったとも。 事実、西欧中世において、身体性に繋がるものは排除の対象だったこととも関連する。ただしこれについては、例外もある。この本では言及されていないが「フランドル風肥料」と呼ばれるもの。『「産業」の根源と未来―中世ヨーロッパからの発信』 という本の中で議論されていたもの。
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それ以外の点として。当時の西欧に比べ日本の清潔観念は群を抜いていたとも。(入浴回数や石鹸の使用量から)ところがそのことが、死亡率を抑制し、生活水準を西欧にくらべ低くしていたとも、しかしそのことが人口を維持し生活水準を低くしていたわけ(笑)

そのほか、乳幼児の間引きの問題も挙げてある。タヒチは英国人水夫にとっては楽園だったことを知るが、その裏面では生まれた子供の6〜8割が間引きされている残忍な現実が裏にあったとも。p183

その後の章では「もっとも豊かな者が子孫を沢山残す」ことの実例を挙げている。図6−1〜4 ただし、マルサス的社会では、そうした子供の多くは下層へ転落する宿命をもっていた。p200 図6−5 ただし、著者はこの「転落」に重大な意味を持たせる。これについては後で詳しく述べる予定。

狩猟採取社会での殺人は群を抜いて高い。1.4〜15人/1000人あたり。p207 それに対し、英国における殺人率はAD1200年頃少し高く0.2程度。AD1600年からAD2000年頃までは0.1人以下で推移している(1000人あたりで表記)。p210 図6−8 戦争による死亡率もそれほど高くなく「バラ戦争」と「清教徒革命」の1.5人前後を除き、0.5人前後で推移している。p211 図6−9

最後に繰り返すと、特に面白かった点として、マルサス的社会で東アジアは人口が多かった分、社会の豊かさは低く、生存のギリギリで生きていた人が多かったという結論。また豊かな階層は子孫を沢山残す機会に恵まれたが、同時に子孫は下層に転落する必要があったという点。実はこれについて関連することつぃて日本の江戸や当時のヨーロッパの大都市が「蟻地獄」とされて農村から出てきた次男坊などが家庭を作ることができず、そこで死に絶えた。中世都市の死亡率は非常に高かったが、それを補うだけの農村からの人口の移動があったという歴史的事実とよくあうと感じた。
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2017/1/16

『10万年の世界経済史』9  お勧めの1冊

<許容範囲>
57万人の受験生のうち、100人がリスニングで再試験、確率にして0.02%以下。これは自然界の「ゆらぎ」程度。ケト・エノール変異の(-NH-CO- ⇄ -N=C(OH)- )様に自然界はゆらいでいる。この宇宙に存在する以上この程度のエラーは許容範囲。


<アドミニストレイションポリシー>
企画会議での議論。

大学院生の募集に関して、アドミニストレイションポリシーの要件の1つ「豊かな社会性をもつ人物」ということを条件とすべきか? 削るべきではと疑問を投げかけた。中には社会性に欠けるからこそ「研究に賭ける」という若者がいてもいいのではないか、そうした若者にこそ道を開くべきではないかと意見を述べた。

『また変なことをいう奴だ』と思われたのかもしれない。大した議論もなく議長はこの文章でよいのではないかと議論を打ち切るような意見を述べた。 ま、偏屈者と思われているから、いいのですが…



『10万年の世界経済史』9
次に著者は平均余命を調べるが、その方法が面白い。古代イタリアのAD223年の市会議員の名簿からそれを読み解く。どうやらこの市会議員は25歳以上でなり、かつ終身制だったようだ。そこから平均余命を33年とする。一方、同時期(AD200)今度は遺言書に書かれている解放奴隷にどれだけの終身年金を渡すかによれと(遺産からその年金が支払われる期間の目安が書かれているという)下層階級=奴隷の平均余命は28年だという。p161 私が注目するのは、これらの数字の正確さではない。こうした仮説が地道な史料の解析から得られたものだということだ。まさにこれが学問研究だろう。

ここで実に興味ふかいデーターが出されている。それは産業革命が最初に起こったとされる17世紀のオランダにおける、人口と実質賃金(これは先の食費などのセットでの購入にかかる費用から計算されたものみたいだ)のグラフである。それによれば1500〜1570年までは人口の上昇とともに(マルサス的世界であるので)実質賃金の低下が認められるが、1580〜1670年の間に人口が130万人から180万人くらいまで上昇したにも関わらず賃金は低下するどころかむしろ少し上昇すらしているというデーターである。p173 図5.5 これこそが「マルサス的世界からの最初の脱出」なのだろう。ところが、これは中断し、1810年台までまたマルサス的世界に戻る。すなわち人口の上昇は実質賃金の低下となっている。

その他、面白いことにオランダの場合、東インド会社の例が挙げられている。それによれば、1602〜1795年にかけてこの会社は100万人を雇用したが、その半数は勤務期間に死亡したという驚くべき事実である。それゆえ、この時代オランダには外国から合計50万人の移民が来たが人口は相殺されたとも。ただし、死亡したのがほとんど男性だったため、オランダの各都市で結婚する女性の割合が減少したとも。例えば、1829年のアムステルダムに住む40〜55歳の女性の24%がそのためか生涯独身だったとも。p176
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2017/1/15

『10万年の世界経済史』8  お勧めの1冊

<docomoのサービス>
ついにガラ携からスマートフォンに切り替えの手続きを行った。普段「スマホ中毒=愚民化」と言っていた手前、ちょっと立場がないが、先日の中国版Uber=滴滴去行を経験して、スマホを使ったアイデアを考えて見ようという気になった。具体的な考えがあるわけではないが、とにかく使わないと可能性も試せないというわけ。言い訳でしょうか?(笑) …それに、iPhone誕生10周年でもあるしね(笑)




それにしても今回行ったdocomo支店のセールス担当の男性の対応には疑問を持った。支店は此処
https://www.nttdocomo.co.jp/support/shop/search/shop.html?id=0901900501600

それで手数料3,000円?不満だ。 最初に携帯からスマホに換えたいと述べ、(確認の為)ApplePayとQQが使えることをまず確認したいと述べたところ。バカにしたような顔をしてアップルペイならiPhoneなら使えるし、QQについては(確認のつもりで聞いたのだが)自分で調べてくださいといった感じで調べようとしない。それで「今ここで調べたら分かるでしょう?」といったら面倒と思ったのか途端に対応が悪くなった。最悪だ、サービスがなってない。

結局、ApplePayはiPhone7以降でないと使えないし、QQ自体知らなかったようで、こちらが手伝わないといけない羽目になる。それで3,000円も手数料を取る資格はない(断定!)

いずれにせよ、iPhone7Plusが来るのは1週間後くらいらしい。楽しみだ。



『10万年の世界経済史』8
著者は17〜18世紀のアジアの生活水準はヨーロッパより低かったと述べている。また黒死病(ペスト)の流行後、人口が増え始めた1550年頃の西欧の物質的生活水準は現代の最貧国の水準よりも高いと述べている。このことは西欧中世史でもよく言われていることで意外なことではない。p122黒死病による人口の減少が、穀物価格の下落と賃金の上昇を引き起こし農民の地位を上げたことは「農民のヨーロッパ」という本の中でも議論されていた。まさに当時はマルサス的世界。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/82/trackback

次に出生率を見ると、ヨーロッパ北西部が約8人だったのに対し、東アジアの中国・日本で5人と低い。当時の女性の<最後の子供>を産む年齢が前者で40歳近くだったのに対し後者は34歳だったのが理由の1つかもしれないが、これも当時の生活水準が東アジアはヨーロッパに比べ低かったことも理由に挙げているが、最終的な理由はわかっていないという。p133〜4 

結論として、マルサス的世界では出生率が生物学的それより抑制されるのは一般的なことで、異なるのはその原因だという。p138 ただし、それは意識的な出生率の抑制の結果ではないとも述べている。p144 つまり生活水準などによるとする?

所得が出生率に及ぼす影響を明確に理解する方法として、ある時点での富裕層と貧困層のそれを比較する方法として著者らが使っている方法は遺言書。それによれば1620〜1638年までの645人の遺言書を見ると、遺産1ポンド〜249ポンドまではほぼ直線的で2.5人から5.5人まで上昇し、それ以上、1000ポンドまではあまり増えないようだ。p149 図4.3 このことの意味することは資産は遺伝子の拡散に寄与するという進化論につながるような??
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