2017/9/27

どこかに「間違い」あるいは「嘘」があるにちがいない  試行,指向,志向、思考

今朝(火曜)のニュースによれば、2012年12月からの、所謂<景気回復>は、『いざなぎ景気』を超えたとか。しかし実感がともなわないとも。

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ニュース解説者はその理由に 「景気のレベルアップの程度が低いから」 というが、それは違うのではないか? それよりも、景気と労働者の実質賃金の乖離が理由だろう? そして、その分の「富」はどこかに逃げて行った。事実そのようなことが米国では1980年以降に起こっていた。

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また別の論者は賃金を上げるためには 「生産性を上げる」 ことこそ重要だとも。そして、そのためにはITにより自動化を進め、労働市場を流動化し、より生産性の高い分野に人々が移らないといけないと述べていた。 しかし米国で2000年代初頭に起こったことは全く逆の事実を示している

先日読んだばかりの『暴走する資本主義』の著者、ロバート・B・ライシュ氏によれば2000年初頭の米国の場合、ITによる自動化で転職を余儀なくされた人の平均給与は以前に比べ12%ダウンし、 労働市場流動化の結果、労働者の給与は平均13%低くなったと述べている。p136
 
このライシュ氏の述べたことは間違いなのか? それとも米国と日本は基本的に異なった原理で動いているのか?? はたまた、こうした数字を知った上で先の論者はテレビで解説していたのか? それともこうした数字すら知らない? 

いずれにせよ、どこかに「間違い」あるいは「嘘」があるにちがいない。




…生産性の高い分野に人々が転職で移らないといけないのは理論的にはその通りだが、大部分の人はそうできない。転職の大抵は生産性の低いまま、否、逆により生産性の低い分野への転職が実態だということ。だから米国では平均賃金が13%低下したのだ。 

次の疑問はなぜ、日本は米国に遅れて同じようなことが起こったのか? ということだが、やはり最初に米国に起こったことと同じ状況が次に日本で起こったということではないか。グローバル化による、玉突き現象をいま我々は見ているのではないだろうか? もしこれが事実ならば、次に起こるのは中国だろう。中国は次なる新興国、インドなどから追撃されるだろう。

我々はしばしば歴史的事実、19世紀初頭(正確には1820年頃)、世界のGNPの25%が中国で、20%がインドで生産されていた事実を忘れている。
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2017/9/26

『暴走する資本主義』  お勧めの1冊

『暴走する資本主義』
東洋経済新報社、2008年初版。

これは以前6回にわたってこのblogで紹介した、『最後の資本主義』の著者、ロバート・B・ライシュ(Robert B. REICH)氏による10年前の著作である。 
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4951/trackback

普段、時系列を逆に読むことはせず、常に新しい本を選択する方だが、今回はたまたま手にとって読み出したら判りやすく、かつその時点では同じ著者の新しい本を読んでいたことに気がつかなかったのでつい読み始めてしまった。ま、先の著作が生まれた経緯を知るというのも無駄というわけではないだろうし、すぐ読めてしまうと感じているが、途中で無駄だと感じたら中断するかもしれない。

冒頭のやや長めの「序文」で著者は 『資本主義はパイを大きくすることで、そのパイをどのように切り分けるかは、社会全体が決めることだ』という。p4 

確かにそれはそうだ、そこに我々の社会では「民主主義」の役割があるということだろう。しかし、この民主主義は決して資本主義社会の必要条件ではない。それについて著者は、

『民主主義にとって資本主義は必要条件だが、資本主義にとって民主主義は必要なものではない』

という。そしてその例に中国を挙げる。

とても判りやすい説明だ。p12  だから「政府が自らの利益のみを追求する少数の権益によって運営されている」と感じる人が1964年にアメリカでわずか29%だったものが、2000年には逆転している現状を示し、資本主義が大成功したのに対し、民主主義は弱まったことを示す。p6

こうした動きを支えたものに人々が著者の言う「偽善的行為」を行ってきたことを指摘する。例えば、(ウォルマートで)中国やインドからの「お買い得品」ハントに余念がない人々が米国の労働者の賃金や雇用の減少を憂う、という「偽善」である。p10

著者は、「ウォルマートは資本主義社会のルールに従いビジネスを展開しただけ」だという、そして重要なことはそのルールを作るのは我々民主主義国家の住民なのだと。p18 実に判りやすい論理展開である。
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2017/9/25

肩すかしの 『文明はなぜ崩壊するのか』  お勧めの1冊

『文明はなぜ崩壊するのか』
レベッカ・コスタ著(Rebecca Costa)、原書房、2012年初版。

読みやすい本。一気に読めたが、どうも違うなと感じた。 結論が断定的で、その論理が明瞭でない。例えばこうした議論がでてくる。

『嘘つきを見抜くのは右脳がうまい』p45
『アハ、エウレカの瞬間(=複雑な状況を打開する解決策が生まれる瞬間)は、思考が袋小路に入り込み、行きづまったあとに起こることが多い』p49
『ひらめきとは進化が行うゆっくりとした補正作業である』p50

かなり杜撰な論理展開である。何も根拠を示さない、否、根拠とするものが根拠になっていない。これではとてもついていけない。限界だな、時間の無駄と感じて本を閉じた。

試しにアマゾンの書評を見てみた。結果は賛否両論。星5つも3つあるが、星2も3。平均3.6。そんなものだろうと思う。星2つを出した人は「床屋政談」。もう一人の人は「肩すかし」と、特に後者の意見に納得。
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2017/9/24

『榊原英資の成熟戦略』3  お勧めの1冊

日曜夕方、いつものように『小さな村の物語、イタリア』を観る。北イタリア、フリウリのボルダーノの村。一度前に観たということにすぐ気がついたが、ワインを飲みながら最後まで観る。何度も見てもよい番組はそんなにない。もしかするとイタリアは「成熟社会」の先輩かもしれない。見ためだけだと言われそうだが、それでもGDPとは関係なく人々の豊かな暮らしがそこにあるような気がする。
http://www.bs4.jp/italy/onair/259.html

先日はじめてイタリア、トスカーノに行ったが期待を裏切らない緩やかな時間が流れていたような気がするが、旅人の思い込みにすぎないのか?
http://blue.ap.teacup.com/salsa2001/4882.html



『榊原英資の成熟戦略』3
1820年の時点で世界の総生産の29%が中国、16%がインドだった。p171 それは茶、陶器、木綿の輸出国だったから、両国は人口にして1位と2位、国土(陸地)面積にしても4位と7位の国。それが近代の中で後進国になったのはイギリスが三角貿易と産業革命でインドからの木綿の輸入を逆に輸出にもっていったこと。日本は逆に鎖国と集約的農業で自給体制を確立したことで逆転したことによる。p191 p241 

従って普通にこの両国が今後発展すれば、世界の大国になるのは当然ということだろう。日本はすでに成熟した社会なので(豊かで、健康で、安全)成長戦略よりも成熟戦略が必要だという。p241 確かにそうだ。そして、最後に今の日本に必要なことは成長よりも再配分で格差の小さい国にすることだと提言する。p255

教育について同氏は、私と同様にペーパーテストが一番公平な選別方法でAOや推薦は上手くいかないだろうと述べられているが、p209 これは経験上間違いないと断定できる

そして最近のSNSは「身内の者との、仲間内のコミュニケーションを高めるだけで、異質の人々とのコミュニケーションには逆効果で、まさにこれこそ現代日本人が必要なことだとする。実に同感。学生に事あるごとにSNSの危険性を指摘しているのもそれが理由。p245
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4986/trackback

そこで著者は学校教育の場ではスマホや携帯を取り上げるべきだと提案されるが、p246 これについては、経験上なかなか上手くいかないだろうと考えている。それより上手にスマホ利用を誘導する方がよい。実際私のクラスではローカルルールとしてスマホの教室での利用を許可している。(校則では禁止)そしてスマホの計算機能や検索機能で優劣を表示することで、差別化を試みている。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4907/trackback

また読者の中で定年を迎えた人へ対しては「健康維持」に努めてもらいたいとも、健康であれば頭の回転も維持できると。p248

それはまさにその通りで、これが課題。幸い今は仕事でかなり動いているが、来年、65歳の定年以降これが私の最大の課題になる。頭の回転については、できるだけ専門以外の分野の本を毎日読んでblogに要約し頭を鍛える習慣ができているので今後も続けたい。このblogにも歴史や経済、あるいは少し専門を外れた分野の論文紹介をするのもこれが理由。
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また、特に経済は数字が沢山出てくるので頭の体操に大変よい。ピケティーの『21世紀の資本』などを読むのは多数の数表を見ながらの理解でその意味では大変訓練になった。
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2017/9/23

『榊原英資の成熟戦略』2  お勧めの1冊

以前、研究倫理のFDで外部から招聘した人への質問に対する回答がようやく来た。以下のサイトの(1)への回答。平成27年8月18日より適用とのことだが、私が質問して返答できなかったのが同年の8月8日。10日後だが、これはもしかすると私の質問で慌てて決めた(笑)
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4148/trackback

実験データー、画像等の保存期間=原則として論文発表後10年。
資料=論文発表後5年。
(平成27年8月18日より適用)

登録は必要だが誰でも、イーラーニニグできるみたいだ。
https://www.netlearning.co.jp/clients/jsps/top.aspx



『榊原英資の成熟戦略』2
著者も日本の格差拡大の原因は富裕層の増大ではなく、貧困層の拡大であるとしている。p79
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4784/trackback
そしてグローバル化がこれだけ進むと、一国の経済政策で賃金を上げるのは無理になってきているとする。p85 新興国と先進国の間で多くの職業の賃金は収斂する傾向があるからだ。そして旧態依然なビジネスモデルで新興国と同じ土俵で争うことがブラック企業を蔓延させている原因だとする。p86 

中国は2020年に人口減少の局面に入る、これは生産人口の減少ではなく、総人口のことだ。p88 生産人口はとうの昔(2012年ごろ)に減少しはじめている。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3316/trackback

国際化により、高級官僚や大企業のトップの世界がこれまでのゼネラリストから、スペシャリストへの主流の転換が進んだ。『ある分野でプロであることが、他の分野でも生かされる』というもので、今までの「すべてのことに通じ、人間関係を最重要視する「サラリーマンの時代」が終わりつつあるとも。p118 こうした流れを知ることはこれからの人には重要でしょうね。

マクロ経済は閉じた主権国家を前提にして構築された学問なので次第にその有効性をうしないつつあると著者はいう。p124 これはなんとなく判る。その意味で日本とは正反対に、中国のような国内に大きな格差を持つ国をマクロ経済学的に分析して「バブルが近ずいている」との判断がこれまでことごとく外れていたのもそれが理由かもしれない。

水野氏は『日本は今、GDPの2.2倍の実物資産が積み上がっている、すると投資機会が消滅して資本の行き場がなくなり、金余り現象が起きてきた』 と分析されているみたいだ。p141 もしこのように構造的なものならば、金余りは今後とも変わらないということになる。そしてそんな中で人々の関心は生産から、環境・安全・健康に向かうとも。p142
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2017/9/22

『榊原英資の成熟戦略』  お勧めの1冊

<残念に思う2つの引退>
世間を驚かせている1つの引退はあの安室奈美恵。ファンではなかったが、四半世紀をスーパーアイドルのまま駆け抜けた人だったと思う。様々な事件があったにも関わらず、これまでその人気を維持できたのは本当の実力があったからだろう。 

もう1つは、それなりに納得させられるものだったが、個人的には非常に残念に思う引退。それが自民党の谷垣氏の衆院選不出馬表明。事実上の政界引退ではないかと思う。信頼できる政治家だと思っていたので実に残念だし、非常に不運だったと思う。



『榊原英資の成熟戦略』
榊原英資著、東洋経済新報社、2014年初版。

冒頭、日本に成長戦略はいらない、必要なのは成熟戦略だと著者はいう。そして、成長戦略を求めるのは『高校生の息子と比べておかしいオレの背はなんで伸びないんだ』というのと同じだという。

実に分かりやすい例え。p22 先進国でインフレ率が低下するのはグローバリズムで世界的経済交流が進み先進国と発展途上国の物価レベルが緩やかに収斂することが理由だとする。つまり発展途上国の安い品物が物価を押し下げる。日本が特にインフレ率が他の先進国に比べデフレ気味なのは日本が東アジアにより深く経済的に結びつけられ競合しているからだと。p32 これは確かに分かりやすい説明。もっとも判りやすい説明が常に真理というわけではないと思うが、、、?

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そしてこれだけグローバリズムが進むと一国の金融政策で物価をコントロールすることは難しいとも。p34 

同氏も円安になったからといって実態は輸出が伸びた証拠はないと断言される。ここは野口氏と同じ。p54 そしてこれからの日本には基本的に円高の方がよいと言われる。榊原氏も私の理解と同じことを言われているのにちょっと安心。素人の戯言というわけではなさそう。

ただし『規制緩和で日本の経済は再び成長する』というのは幻想だとも。なぜなら日本はすでに成熟社会になっている本質的に成長は止まったからだというわけだ。p71

同氏は言われるとなんとなく説得力がある。私は規制緩和でもっと日本は伸びしろがあると思っていたが、それは間違いなのだろうか?
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2017/9/21

『中国のムスリムを知るための60章』8  お勧めの1冊

編集委員、中沢克二氏の『「習近平・王岐山」連合、党大会控え共青団たたき』の著名入り記事。曰く、
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21257930Z10C17A9000000/

『共青団は「娯楽化」批判により、社会科学院に合併され政治的には完全な解体された。その意図は、習のような「紅二代」にとって全国に根を張る共青団の勢力は、党と組織を牛耳る上で邪魔になるという。 …そして、『共青団が推す「ポスト習」候補、胡春華氏の行方がどうなるか』 として、中沢氏は筆を置く。

こうした派閥抗争視点で中国の人事や政策決定が語られることが多い。 話としては面白いが「本当だろうか?」との思いがいつも湧く。

今たまたま『紫禁城の月』という本を読んでいるが、これも小説として楽しむよりは、官界小説として本の内容が現実の中国政治の何を語っているのかという興味に引きずられ正当な読み方をしていないように感じる。 公に政権を批判できない社会ではこうした歴史小説にかこつけて政権批判をすることが普通だから当然といえば当然かもしれないが、どうも良くない。


『中国のムスリムを知るための60章』8
戸籍制度の例外として農村の寄宿学生が都市部の清真寺に長期滞在することが見逃されていたらしい。これにより個人的ネットワークが築かれていったとか。p324

ここで浙江省義鳥の巨大卸売市場でイスラームコミュニティーが存在することを例にあげて紹介する。当時、2〜4万人のモスレム人口があるとか。p354 これは2000年段階の義鳥の人口91万人に比較すると相当な数。ここにアラビア語を習得した回族が活躍しているとか。p356

<データーベースとして>
ウイグル人人口:新疆1,002万人(2009年)、p42 カザフスタン22.5万人(2009年)、クルズクタン4.9万人(2009年)。ウズベクスタン3.6万人(1989年)と新疆地区が最大。カザフスタンの旧首都アルマトウは亡命ウイグル人が集まり中国側に東トルキスタン独立運動の拠点になるのではないかとの懸念を引き起こしている。p344
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2017/9/20

『中国のムスリムを知るための60章』7  お勧めの1冊

<覚書>
ジョブズのような、成功したクリエーターは

消費者のニーズから商品を作り出したのではなく、消費者のニーズを作り出した」 

一度、(スマホの)「指めくり」を覚えた消費者は(ガラ携)の「指運動」には戻れない。ガラ携でもemailは出せるし、ネット接続もできる。でも今更ガラ携には戻れない。それは「指めくり」なるニーズを消費者が見出したから。



『中国のムスリムを知るための60章』7
所謂、「一人っ子政策」で規定数を超えた場合の罰金は違反者の収入に応じて、地域の前年度の平均収入の1〜8倍を請求されるらしい。p298 かなり高額だ、それなら外国で産むという選択もプチ富裕層以上では出てくるのだろう。
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2009年ウルムチで起こった暴動はQQのインスタントメッセージを使って動員されたとか。p313 こうしたことから今ではSNSは実名登録制に移行しつつあると聞く。いずれにせよ、すべてのメッセージは盗聴されていると覚悟した方がよい。
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先日話題にした新疆生産建設兵団は農業だけでなく、石油・天然ガスなどの資源開発も行っているらしい、知らなかった。p314
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ここであの『中華民族の多元的一体』なる理論を展開した、費孝通が出てきた。p318 彼は各民族間の動的相互作用という理論で中華民族という一体化を図ったが、個人的に彼のこの著作には納得できないものを感じた。
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http://blue.ap.teacup.com/salsa2001/3559.html
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2017/9/19

『中国のムスリムを知るための60章』6  お勧めの1冊

大学院進学率と労働生産性の関係
以前、ここで批判した上記の関連について参考となるデーターがあった。
http://www.mm-lab.jp/report/i_doubt_that_japan_productivity_is_lower_than_in_other_countries/

上記のサイトの著者は「労働生産性」という指標そのものが問題がある、との論調だが、ここではそれに触れず、そこで示されたデーターが正しいとして、先の論者のデーターと比較してみる。

先の論者は修士や博士の比率が低いことが、日本の労働生産性を低くしているという前提だが、ザッとみただけで必ずしもそうではないことがわかる。
http://toyokeizai.net/articles/-/187996

例えば博士でみると、順位は
ドイツ>英国>韓国>米国>フランス>日本の順
修士では
英国>米国>ドイツ>フランス>韓国>日本

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では生産性の順位はどうかとなると
米国>フランス>ドイツ>英国>日本>韓国

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生産性トップの米国は修士ではトップだが博士で中位。
生産性2位のフランスは学歴では中位。
学歴の点では日本よりいずれも高い韓国だが生産性は日本より低い。
さて、こうしたデーターから先の結論は果たして言えるのだろうか?




『中国のムスリムを知るための60章』6
シャーマニズムは中国ウイグルの民間信仰の底流として一般的に見られるという。p188 しかし、これはアラブ世界から一歩外にでるとイスラーム世界で普遍的に認められる傾向だと思う。例えば北アフリカの聖者信仰などが挙げられるだろう。かつて読んだ『民衆のイスラーム』にもそのことについて詳しい解説があった。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4261/trackback

またコラム4には「お墓まいり」についての記載があるが、そこで行われている儀式は異教的とも、祖先崇拝的ともいう。p195 しかし、そうしたシンクレチィズムの例はイスラームにかぎらず、カソリックでも、神道でも世界中どこでも認められるものだ。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4260/trackback
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4184/trackback
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/62/trackback

回族の祖先は7世紀から広州や泉州に来航したアラビアやペルシャ系モスレムと元朝時代に中央アジア経由でやってきた色目人を加え、近現代の中国のなかで徐々に形成されたという。p191

ロシアと清朝の間にいたカザフを著者は中国と日本の間にいた琉球に例える。こうした思考はなかなか日本人にはできない。つい琉球は昔から日本だと無意識に考えてしまう。ところがカザフは逆にそれを利用して両国の狭間でバランスをとり上手く立ち振る舞っていたとも。p234 これが琉球の場合は清朝の衰退により薩摩藩により「琉球処分」に至る。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/2849/trackback

1860年代の回族蜂起に対して清朝は徹底した武力弾圧を行い、ジェノサイドと棄民政策を行ったらしい。一説には10数万から数十万が虐殺され、生き残った回族も不毛の地に強制移住されたとか。p239
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2017/9/18

『中国のムスリムを知るための60章』5  お勧めの1冊

『紫禁城の月』を読み始める。 あの「いーちんたん」の東紫苑さんの翻訳である。以前から読んでみたいと思っていたが、読むべき本がOn line状態で並んでいたのでようやく今頃になった(汗)。もっとも書きためたblog記事がたくさん残っているので紹介はまだ先。それにしても訳者というのは背景の下調べが大変だな〜と感じた次第。単に翻訳だけの問題ではない。今日は主人公の実家の河山楼についての描写を読みながら東紫苑さんのblogで実物の写真を参考にしていたところ。
http://blog.goo.ne.jp/yichintang

日曜は台風接近で午前中はどこにも出かけず家で過ごす。食料がないが、どうせ1〜2食大したことはない。予報によると九州の東側を通過するみたいだ。上陸はしても“かすめる”程度か? 宮崎、大分では大雨が予想されるし、以前の経験ではもし台風の勢力があまり低下しないなら、福岡では暴風雨を予想しないといけない。先日の大雨の被害が出た朝倉地区ではまだその後始末も終わっていないだろうし大変だろう。幸い東側の台風通過だとすると、水蒸気は九州山脈の東側で大部分が降雨になるだろうから大雨にはならないかもしれないが? いずれにせよ足が遅いので被害が長引くことが問題。

<電気ケトルその後>
非常に満足している。普通にお湯を沸かす場合、保温ができるわけではないので必要な分だけ、つまり半分程度しか沸かさない。それでスイッチをうけて2分程度でお湯が沸く。これだと茶器を準備するうちに過ぎてしまい待つことがない。さて、これがどのくらいエコに繋がるか、それが次の問題。




『中国のムスリムを知るための60章』5
18世紀中葉、清朝は天山山脈北部のジューンガル遊牧国家を滅ぼし新疆を置く。ただしその支配は間接支配でベグ(伯克)と呼ばれる現地有力者に任せた。p223

これに対し、チュルク勢力も古来からの「塩の義務」(=異教徒であれ、公正な統治をする皇帝への忠誠)という概念で異教徒支配を甘受した。p225 これは歴史的に異民族、異教徒支配を受けることの多い中央アジアのチュルク・イスラーム社会においては一種の自己正当化の理論だとする。もちろんその反対に聖戦を掲げ清朝支配に抵抗する勢力もいたが、清朝が西欧諸国に沿海部を侵される時代までその支配は続いた。

やがて清朝がこの海を渡り迫ってくるヨーロッパ勢にかかりきりになると西に対する関心が低下する機に乗じ、1860年代のムスリム反乱>ヤークーブ・ベグ政権の成立が起こることになる。やがてこの政権は清朝の遠征軍により崩壊するが、これを契機として清朝は直接支配=新疆省をおき、中国化を進めることになるとか。p232 

こうしてみると新疆の中国化が共産党政権以後のことではなく清朝末期からの、かなり前の段階からの政策であったことになる。
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