言わずと知れた向山洋一のベストセラーである。私は大学時代にこの本を読んでいる。社会学方面が専修であったが、例の「跳び箱」の実践を特番で見て読んだのである。今も部分的に読み返すこともある。それだけ名著なのだ。実は氏の仕事は教育実践(という言葉は好きでないのだが)の歴史の中で、非常に大きな存在である。
この本は氏の「思想」を享受する読者の裾野を一気に広げた本である。
とはいえ、当時の私にとって、氏の印象はどちらかというと良い方ではなかった。戦後民主主義の申し子であった私にとって、「技術」を前面に押し立てる氏のスタイルは私に嫌悪感を催させるものであったからだ。しかし、すぐのち、氏の「思想」の部分的有効性を認める立場となる...。
...いま、事情があって当時の自分の書いてきた文を、読み直したりまとめ直す作業を始めている。少なくとも氏の仕事はもう少しきっちり評価されて良い。そして氏の初期の著作(本著はもちろん)はもっと読まれた方がいい。